オトナの恋愛考
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2010年06月14日(月) 24hours_midnight







仲良く手を繋いで部屋に戻った。

「ねえ、もう一度見せて。」「え?」
「ガーター(笑)」

よっぽど気に入ってくれたらしい。
リクエストに答えて、ベッドに腰を掛け
もう一度スカートを少しめくった。

「うーん、色っぽいなあ。そのままちょっと待ってて。」

と言うと、携帯カメラを向けてきた。
私も調子に乗ってポーズをきめた。

「もう少しスカートを上げて。」「こんな感じ?」

「そうそう。一枚ずつ洋服を脱いでみて。」

ワンピースを脱いでキャミソールだけになった。

「うんうん。良いなあ。それも脱いで。」「だめー。」

そろそろ恥ずかしくなった私はキャミソールの肩紐だけちょっとずらし

「恥ずかしいよ。」「そう?すごくセクシーだよ。」

なんだかんだ小一時間ほど撮影会の真似事をしていたけれど
我慢しきれなくなったひろは携帯をドレッサーに置くと
シャツとパンツをもどかしく脱ぎ捨ててベッドに上がって抱きついた。

私の膝に顔をうずめて
黒いストッキングを履いた私の太ももを
撫ぜながらしばらく大人しくしている。

私は愛しくなって、彼の髪をそっと撫ぜた。



記憶を辿って書いてはいるんだけど
この後の記憶があまりないのはなぜなんだろう。

私達はとても気持ちの良い快楽を貪りお互いを食べて
何度も何度も交わった記憶はあるけれど


ひろと出逢ってから、もう何度も彼に抱かれているんだけれど
セックスしている時の描写を詳しく書けないのは
きっと私はずっと記憶が飛んでしまうほど
エクスタシーの波に翻弄されているからなんだろう。

彼とのキスの味は覚えている。
彼の指や唇や舌やペニスを私の体中が覚えている。
彼の肩や胸の厚さ、乳首、おへそ、毛深い腹から下半身、
胸の下から下腹部に残る古い手術痕を私の指や舌が覚えている。

上で優しく動いていたひろが、私を抱き上げ膝の上に乗せ
そのまま自分が仰向けになり私を上に乗せたのも覚えている。

気持ちよく絶頂を迎えそうになり
激しく彼の上で動いてしまう私の腰を
彼が両腕でギュッと抑えたのも覚えている。

「あぁん、どうしたの?」

閉じていた瞼を開けて彼の顔を見下ろすと
苦しそうに目をきつく閉じて、
眉間にシワを寄せた愛しい表情。

「いきそうなの?」ひろが黙って頷いた。

「いって良いよ。」私は息も絶え絶えに囁く。

「ううん、まだ勿体無い。もうちょっと我慢して。」

それから、上になったり下になったり前から後ろから
私たちは快楽の嵐の中で一緒に天国へ上り詰めていった。


真夜中から明け方まで3度は交わった記憶はある。
夜明けの朝日の中で交わった後、
目が覚めたのはチェックアウト30分前。
慌てて2人で身支度を整えてホテルを出たのが10時ちょっとすぎ。

真夜中から明け方までの記憶はこんな感じだったと思う。

強烈な快感の記憶は私の体の中心が
今でもはっきり覚えてはいるんだけれど
そのプロセスをほとんど覚えていないのは
彼の体に触れた途端、私の思考は停止して
快楽のみを貪り続けているからなんだろうなあ。

記憶を辿って書いていたら、色んな事を思い出して
私の身体がまたひろを求めて始めて感じている。

でも今度逢えるのはいつになるのかわからない。


散策から帰って抱き合う前にひろの携帯に着信履歴が残っていて
「ちょっと電話して良い?」と言ったあと、
彼が人差し指で「静かにしてて」と無言で私の方を見た事を思い出した。

「お疲れ様です。まだ仕事してるの?」と電話の相手に話し始めた。

私と一緒の時のゆるゆるした笑顔のひろとは別人の顔で
的確に部下に指示を出すビジネスマンの顔。

私はベッドに腰をかけて
10分ほどおとなしく黙って電話で話す彼の顔を見ていた。

彼は電話を切ったあと「ごめんね。」と言った。

「仕事忙しいの?だいじょうぶ?」と心配になって訊いてみた。

「うん、ちょっとやっかいな事になってるらしいけど
 僕はまだ名古屋にいる事になっているから大丈夫だよ。」

話の内容は私には理解できなかったけれど
彼にとって、また忙しい1週間が始まるらしい事だけはわかった。



次回は次の日に私のビジネスの場でひろを紹介した時の記憶。
久しぶりに会った仕事仲間の女性たちに彼はとても評判が良かった。


今の時刻は22時40分。まだ彼はオフィスで仕事の真っ最中。





夢うさぎ |MAIL

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