オトナの恋愛考
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ひろの会社の不正は私が想像していたより大変な事だった。
朝のメールは必ずひろの方から先に送られてくる。 何事もなかったかのようないつものおはようメール。
「おはよう、うさちゃん。今日はちょっと涼しいね。今日も一日頑張ろう!」
私は今朝早く家を出ていたので返信できたのはお昼前。
「ニュース見たよ。会社たいへんだね。」
私からふったので彼からの返信はちょっと切羽詰まったものだった。
「ニュースの件は本当に大変で、 直接は関係のない我々のビジネスも吹っ飛んでしまう程だよ。 たぶん、今までの苦労が水の泡になる可能性もあるかな。」
私には何もしてあげる事はできない。 だからこれからストレスフルになって今まで以上に それこそ私になんて想像も出来ないくらいに窮地に立たされるのだろう。
私がしてあげられるのはただひとつ。 彼の健康を気遣って、癒しの存在に徹底するだけだ。
ランチタイムを過ぎた時間にもう一度メールを送った。 返信が来ない事は承知の上だ。
「ストレスが多いときほどちゃんと栄養を摂ってね。 週末は、ご希望通りのランジェリープレイでも添い寝でも ご希望であれば赤ちゃんプレイ(これは先日話題になった)でも 何でもしてあげるから、頑張れ〜♪」
・・・とちょっとジョーク交じりでエールを送ったけれど もしかしたら洒落にならなかったかな。
今の時間は21:43。彼は客先への対応に追われているんだろう。 休まる暇もない私の恋人と、この週末は本当に逢えるのだろうか。
昨夜の電話で話した内容は・・・ 「パーティーは夕方からだけど、待ち合わせどうする?」
「うさちゃんは何時でも大丈夫?」「うん、大丈夫。」 「朝早くてもいい?」「うん!ぜんぜん大丈夫。」 「じゃあ10時頃にしよっか。ランチは外せないでしょ?」「うんうん」 「で、夕方まで一緒にいてパーティーに出席して・・・ それから『シンデレラ・エクスプレス』で帰ってね(笑)」「わかった!」
こんな感じ。朝から終電まで一緒にいたかった。 あとはひろの都合だけだったけど 彼の方からまるで意志が伝わったみたいに 全部、私が望んでいた事を提案してくれた。
朝、私の所属する本社で待ち合わせをしてある書類を作成して それから新宿に移動してランチを食べたりショッピングに付き合ってもらって たぶん、その後は夕方まで一緒に仲良く「シエステ・タイム」 まあ一緒に楽しむのはお昼寝だけじゃないとは思うけど。
一緒に過ごす時間のときだけでも 彼から仕事を取り上げて、ゆっくり休ませてあげたいのが本心。
2人だけのシエステ。束の間の天国の時間。
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