オトナの恋愛考
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あれから毎日恋人は私を渇望する。
私もそれに答える。
肉体的な交わりを伴わない愛は満たされる事がなく 尚更その欲求を増幅させている。
彼からの行為を伴なう事のない情欲に言葉で受け止めながら、 静かに優しい復讐の成功にほくそ笑みながら 自らもその炎に身を焦がして身悶える。
早く逢いたい。
遠く手の届かない場所にいる お互いを想いながら激しく求め合う毎日が過ぎていく。
もちろん今でも恋人を愛してると思う。 ただあの他愛もない彼の裏切りを知った日から 少し愛の温度が下がった事も否めない。
それと反比例するように 恋人はあれから毎日私を求めて止まない。 どんなに言葉で求められようと現実には不可能な環境にいるわけで 優しさと許容は度を越えると相手を苦しめる結果になることを知った。
私が泣いて責めたりすれば 返って恋人も楽になるのだと思うような気さえする。
でも私は今までと同じ態度で接しているから言い訳も出来ずに 彼を苦しめているのかもしれないなあ。
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