オトナの恋愛考
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水曜日の晩に恋人は電話で話をしたがった。 けれど私の都合で話をする事が出来なかったので 昨夜の木曜の晩に約束をした。
約束した時間を40分も過ぎてから彼からのコールが鳴った。
いつもの嬉しそうな声ではなかった。 何かに憔悴し疲れきった弱々しい声。 あんなに元気のない彼は初めてだ。
話を盛り上げようと、私も他愛のない話題を考えながら 一生懸命、気を使いすぎて 彼の予告通りに携帯の電池が切れてから 何だか私もひどく疲れてしまったみたいだ。
ただ彼が夏のバカンスの提案をしてくれた。
「近いうちにゆっくり一泊でデートしようよ。」
「そうだね。いつも時間を気にしなくちゃいけなくて寂しい。」
「伊豆か箱根のどこかにしよ。」
「休みとれるの?7月いっぱいは忙しいでしょ?」
「うん、その予定だったんだけど。 不本意にも今進めている案件がダメになってしまったら 一気に暇になってしまいそうなんだよ。」
例の事件があれからずっと尾を引いていて 彼の会社が危機に陥っている事を示していた。
忙しく仕事で駆け回っている恋人も好きなんだけど そのせいで彼の健康が蝕まれ、元気がなくなっていくことはもっと辛い。
今月末か来月の第一週の金曜に予定をフォーカスしようと約束をした。
どこか窓から海の見える部屋を今日オフの私が探す事になった。
今日は朝からまた仙台へ出張だ。 たぶん日帰りで深夜まで会社で仕事なんだろう。
今夜も電話をくれるのかな。
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