オトナの恋愛考
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2010年07月28日(水) ハ ヤ ク ア イ タ イ






昨夜、久しぶりにひろの声を聞いた。

私たちのコミュニケーションは日々のメールで成り立っている。
少なくて朝と仕事帰り。多くて5〜6回。
多い日は、彼が終電に間に合って
帰りの電車の中から送ってくるメールの内容によって
しばしチャット状態になる日。

終電に間に合わない晩は、
だいたいタクシーの中から電話が掛かってくる。

家までの約40分。
名残惜しくて最近では自宅マンションに着いても
タクシーから降りてそばの公園で話をしているらしく、
それがわかった時点で私は家に帰らせる。

電話で声が聞ける夜は
お互いの都合と環境の条件が合った日だけなので
1週間に1度か多くて2度だけど
すぐそばに聞こえる彼の声で近くにいる感じで
とてもせつなくなってしまう。

ただの一度だけ、電話で「愛してるよ」と言われた。
私は不意打ちをくらって思わず「ひろったら何言ってるのよ。」
もう一度彼は「うさちゃん、愛してるよ。」と言ったので
「うん、私もだよ。」とやっと答えた。

だけど、文字よりも声、声よりもぬくもり。

逢えない時間は彼とのことがまるで夢のような感覚になって
現実なのか幻なのか
その確信まで日々の忙しさに消されてしまいそうになって
メールの文字だけじゃ不安になるけど
時々彼の声を聴くとたちまちそれは現実のことになってホッとする。



昨夜の会話。

「もしもし、今どこなの?」
「ん?自宅の近くの駅に着いたところ。」
「今夜は終電に間に合ったんだね。」
「ブログのコメント見えた?」
「うん、見えた。あれじゃあ他の女性会員がまったく寄り付かないよ。」
「そうかな。」「そうだよ、それでいいの?」
「うん、今はそれでいい。」
「新しい記事読んだ?」
「うん、読んだ。」
「今日はどっちのホルモン物質?」
「ん、オキシントン(笑)」
「そお?何だかテストステロン出まくってた時期あったよね。」
「うん、でも今はオキシントンが出まくってる。」
「そうだんだ、私も。」
「あ、でもね昨日もお風呂上りに困った事があった。」
「どうしたの?」
「あのさ、うさちゃんの事を考えてたら又ジュニアが大きくなっちゃって。」
「困っちゃうね。」
「でさ、そこへ家族が来ちゃって一生懸命隠した。」
「ひろ、家庭内でそういうこと考えちゃダメでしょ。」
「そうだけどさ、仕方がないでしょ。」
「まったく不謹慎なお父さんねえ。」
「うんまあね。あ、今日ねガリガリ君食べた。それも2本。」
「うふふ、2本も食べたの?」
「うん。酔い覚ましに。あれ美味しいね。」
「仕事じゃなくて飲み会だったの。」
「そう。ビール3杯で酔ってしまって眠りそうになったんだよね。」
「普段から睡眠不足だから。」
「そうかな。」
「そうだよ。そうそう、あなたのTシャツとショートパンツを注文したよ。」
「ホント?ありがとう。嬉しいな。」
「駅まで迎えに行くから、すぐに着替えてね。」
「うん、そうするよ。」
「スーツも似合うけどリゾートじゃ目立ちすぎ。」
「あはは。そうだ、お願いがあるんだけど。」
「なあに?」
「あのさ、その普段着をうさちゃん預かっててくれる?」
「良いけど。家にあっても怪しまれないように同じブランドにしたんだよ。」
「そうなんだけどさ。」
「もしかしたらまた出張だって言って会うときに持ち出せないのね。」
「うーん。出張に普段着を持っていく習慣が今までないからね。」
「チェック厳しいのね。」
「まあね。でもうさちゃんに持っててもらうっていうのがちょっと嬉しい。」
「うーん、じゃあ私一生懸命隠し持っていなくちゃいけないじゃない。」
「そうだね」
「着替えたらランチにしよ。」「うん」
「ご飯食べたら、買い物だね。」
「ビーチサンダルでいい?」
「うん。海にも入れるし。」
「3時にチェックインだから、それまで湖へ散歩も出来るね。」
「そうだね。」
「ひろは何食べたい?」
「そうだなーうさちゃんが作ってくれるものなら何でも。」
「ひろが好きなカレーでもいい?」
「うんうん、カレーでもいいよ。」
「それとも新鮮な魚を買ってお刺身におろして食べる?」
「それも良いね。」
「でも包丁が切れなかったりして(笑)」
「そっか。じゃあチェックインして設備を確認してから買い物にしよ。」
「うん。その方が良いかもね。」
しばらく(と言っても3秒くらい)沈黙があった。
「どうしたの?」
「ん?早く逢いたいね。」「うん、早く逢いたい。」


こんなどうでも良いけど愛ある会話を
彼が自宅の近くの公園で電話してくれたことを思い出して
えんえんと40分近くも話している事に気が付いて

「もうお家に入ったほうが良いよ。」
「そうだね。」
「うん、じゃあね。」
「じゃあね。」

そっと電話を切ってから
ネットで繋がろうとしたけど
私は携帯を握ったまま眠ってしまって
気づいたらもう朝で
ひろからの定期便おはようメールは
8時13分に着信していた。

「昨夜はうさちゃんの声が聞けて良かったよ。
 うさちゃんに早く遭いたいなあ。」

「逢いたい」が「遭いたい」になってておかしかった。
忙しい朝の1分2分は貴重だ。
都心への通勤途中から送ってくれるおはようメールは
誤字脱字だらけでも私に元気なパワーをくれる。












【136日目】


夢うさぎ |MAIL

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