2004年06月06日(日)
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右手に太陽、左手に満月
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金曜夜、早々に職場を抜け出して先輩方と朝まで麻雀。 午前五時過ぎになってタクシーで帰宅。 この日は体調が悪かった。 頭痛と眠気に悩まされているところに運転手さんが話し好き。 適当に相槌を打ちながら、ふと窓の外を見る。
ちょうど淀川を渡る橋の上。 右手には顔を出し始めた朝日。 左手には沈みつつある白い満月。 彼方には山。 あー、こんな綺麗な景色が、こんなところにあったかと、少し驚く。
兵庫県は平地が少ない。 海沿いに申し訳ない程度ある平地に、線路が三本併走している。 南から、JR、阪神線、阪急線。 阪急線を北へ超えると、数キロもすれば山並みに阻まれる。 六月になって真夏日もあるほど気温が上がってきているけれど、 いまだに朝方肌寒く感じるのは、山や海が近いからなのかと考える。
タクシーを降りて、家へと歩む中で、すぐ向こうの空に山並みが見えた。 二ヶ月ここで暮らして、あぁそうだ、 俺は空を見上げるようなこと、一度も無かったっけと、少しびっくりする。 この街の夜空を見上げたこともなかったっけと驚く。
秋に祖母がこっちに来る。 俳句を愛し歩くこと自然を眺めることを日々の糧とする彼女なら、 俺が二ヶ月かかって気づいたものを最初の瞬間に分かるに違いない。
あぁ、海や山や大都市や名跡に囲まれる素敵な立地なのに、 俺はこの地を全然知らない。 せっかくあと数年暮らすのだから、 もっと足を運んでみようと思いながら、今は漫画喫茶の中。
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