岸部・・・?

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2006年08月23日(水) 警告3

「今回は2時間あるから、あたしの彼氏んちで見よう。」と言ってきた。

貸せよと思ったが、やっと借りられた状態で、当日すぐに返さないといけないらしい。その日にしたのも、数週間前から何度かおれのあいてる日を確認して抑えられた日だったので、今更ずらすわけにもいかん。彼氏は不在で承諾済みとのことだったのでそうすることにした。

ビルマは車で迎えに行くと言った。そういうのめんどくさがる奴やったのにおかしい。しかも、終わって用事があるからバイクで行くと言ったが、どうせだから全部車で送ってやるということだった。におうぜにおうぜ。

怪しいとは思いつつも、これから起こりつつある非日常な感じに惹かれる面もあった。変な感じの根源がわかるまでつっこみたいと思ってしまう、どうもそういう悪い癖がある。

そのまま連行され、彼氏の部屋に入る。変な緊張感に包まれたまま、DVD鑑賞に突入した。

「えー皆さんこんにちは。今回はですね、皆さんの将来に役立つ……」って、変な講師みたいな人がマイクもって喋っているので、チャンネル違うなと思いリモコンで操作するが、どうもそれで合ってるらしい。

さっきの変な緊張感が一気に嫌な緊張感に変わり、おれはすぐに聞いた。
「摂理の勧誘じゃないよね?」

「何それ?違うよ」とのことだったが、摂理ではなくとも、少なくとも何らか宗教か、ねずみ講などネットワークビジネス、そこいらの勧誘ビデオに違いないと思ったおれは、その後も不安は抑えられず、嘘だと言ってくれって気持ちで
「まさかこれ2時間?」「この人まだ喋ってるけど?」などと続けたが、
「まともな話だからちゃんとまじめに聞いて」とか言う。まじかっ!さらに、ノートとペンを渡してきて、メモれという。なんと、ビデオを観てメモれという。パブロどこだパブロ!

摂理を「何それ」というあたり、この辺りがこいつ特有の変な感じなんです。とにかく話していて通じないことが多く、説明し終わる頃にはその話がどうでもよくなることが多い。

ねずみ講関連の勧誘は十代の頃にだいたいみんな経験してるか聞いてるかで、抗体はできてるはず。何をこいつ今更、と思ったが、それがビルマの怖いとこ。おそらく「何それ?」なんやろう。

あの賢いパブロと鈍臭いブルーノが恋しくてたまらんかったけど、「パブロもブルーノもちゃんと出てくる?」とはもはや聞けず、即刻打ち切るか、最後まで見続けるかの二択に悩んだ。

続く


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