 |
 |
■■■
■■
■ 愛されるのが、痛い。
夢であればよかったのに、と。
願う自分もまた、最低だった。
「彼」に告白されて。
『彼女』に受け入れられて。
どちらも、欲しがって。
どちらも、傷つけた。
「彼」に嘘をついて。
『彼女』を裏切った。
『愛してるよ』
が、こんなに痛かったなんて、知らなかった。
「最低なのに、どうして…」
だけど、それだけは、見せられなかった。
愛される感覚に酔ってはいけないと思った。
だから、最低を貫いた。
「あなたに嘘をついていました」
『もう気持ちは残ってない。だから、やめよう』
『好きになんか、ならない』
(もう愛さないで。また傷つける。)
(どうして私だったの?他にもっと、いい人一杯いるよ)
嘘つかなくて、真面目で、誠実で、裏切らない…そんな人が。
あなたにも、あの人にも。
「どんな君でも、好きだよ」
「汚いとこいっぱい見た。それでも、君なんだ」
どうして。どうして。どうして…
そんな風に愛されるべき人間じゃないのに…
最低を貫けばよかったのに。
貫けなかった。…欲しかった。
謝れない。だから、嫌われよう。
切るしかない。独り、がいいんだ。
だけど…
「逃げないで。僕はそれでもいいから」
「君が戻ってくる、って確信してる」
「愛してるよ」
あの人は、それだけを繰り返し…私はそれに甘えた。
彼は「彼氏」じゃない。
あの人は「彼女」じゃない。
どちらとも付き合える。
出したのは、そんな答え。
『最低だよ、お前』
そう言われて、
「そうだね」
と、薄ら笑いを浮かべた。
「忘れないで。答えを出すのは、君だから」
彼は、
「選ばれるのが俺なら良いと思う。 でも、俺が望んでいるのは、君の幸せだから。」
彼女は、
「少しでも可能性が残っているなら諦めないよ。 君を幸せに出来るのは僕しかいない。そう思ってる。」
『忘れないで。答えを出すのは、君だから』
2003年05月11日(日)
|
|
 |