空虚。
しずく。



 はるかなる故郷。

そこは、とても遠い。
けれど、とても近い。
だけど、私はもう、戻れない。
逃げたくなる夜は、戻りたいと願う。
そこが、どんな場所か、わかっているのに。

「命令」があれば、人を殺められる。

この、欲望を、満足させられる。
そのかわりに、感情を差し出さねばならないけれど。

望んだ通りにはならなかったけれど、
これはこれであなた方には望ましいのかもしれない。

また、私に利用価値を見出してくれるかもしれない。

あれを、殺して見せれば。


飲み込まれそうになる夜は、そんな事を思う。
堕ちることは、とても簡単なのだ。

今日も眠りは邪魔される。
どこまで私は干渉されるのだろう…

代わりなど、いくらでもいるというのに。

2003年09月13日(土)
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