空虚。
しずく。



 疲れが取れない。

逢えなかった。
ただそれだけで、こうはならない筈だ。
ぬるくなった酒を口に運びながら、自嘲する。
一人で酒を飲んで、へらへら笑って、
止まった思考のまま布団にもぐりこんで、
余力があったら意味のないオナニーをして、
そのまま眠りにつく。
安堵しないけれど、とても楽な夜。
全身を覆う澱んだ疲れが取れない。
ずっと纏わりついたままのそれが、ひどく気持ち悪い。
眠っていたい。現実に戻りたくない。
逃避し始めればキリがないとわかっている。
道は足下しか照らされていない。
止まる事も、戻る事も出来ない。
休みたい、辛い、苦しい、眠りたい。
その全てに背を向けて、生きる。
明日は現実。いつもの朝、いつもの日常。
だから今だけは、逃避したい。



2004年11月14日(日)
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