空虚。
しずく。



 

私は、静かに、病みはじめた。
行き場のない激情が静かに揺らめいている。
酒を飲んでないと不安になるから、酒量が一気に上がった。
かつてのような可愛いもんじゃない。
わざと、アルコール度数の高いものだけを選ぶ。
味わいもせず、ただ流し込んで、酔う為の飲み方をする。
それでも、かつてのようにはなれない。
適応してしまう自分の身体が鬱陶しい。
もっと強いものを、もっと大量に。
壊れたい。だけど、壊れられない。
あの頃と比べて格段に強くなった理性が、
壊す事も、傷付ける事も出来ない私を追いつめる。

それは、今自分が壊れてしまえば、
取り返しのつかない事態になると解っているからか。
だから、僕は壊れられないのか?

それが、どうして辛い、なんて思うんだ。
壊れさせてくれないなら、どうして感情も持って行ってくれない。

久しぶりのセックス。
それが終わった後に味わうこれは、なんだ。

『助けて』

泣いているのは、誰だ。
呼んでいるのは、誰だ。

私には、何も呼べない。

2005年02月24日(木)
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