2003年05月19日(月) |
月組千秋楽 『やっぱりコウちゃん、最高―――っ!!!』 |
運良く、月組の千秋楽を見せてもらえることになった。 そわそわと仕事を終え、大劇場へ向かう。 「この1年、一体何回、こんな気持ちで大劇場へ向かっただろう。」 ふとそんな淋しい気持ちになってしまった。 一昨年の年末から・・・宙、花、雪、星、宙、月・・・(涙)
2階のてっぺん近くに座りながら、ドキドキ待った。
公演・・・内容はなんともアドリブもなく、すんなり進んだ。 みんなの顔はいつもより増してキラキラで、とくに初舞台生は・・・ きっと他の月組生とはまた違った感慨深さだろう・・・という面持ち。
『宝塚 花の風土記』 日本物だから、退団生の胸に花などない。 胸に迫るものはあるものの、号泣までとはいかない・・・ 行く間もなく、めくるめく夢の世界。
ところがコウちゃんの『石庭』 幕があいた途端、「松島屋っ!!!」と声がかかった。 ・・・ダメだった・・・涙が出て涙が出て・・・コウちゃんの静かなる舞がちゃんと見えない。
コウちゃんのシーンはどこも割れんばかりの拍手。 今までとはまたさらに違う、拍手拍手拍手。 シーンごとに紫吹さんと、さえちゃんと、組子と視線を交わし、 ヒトツヒトツを踏みしめている・・・という感じだった。
『シニョールドンファン』 こちらも特になにもなく・・・。 あ、途中、美々さんがアドリブでヒト歌歌い、 最後にゆらさんが「レオ、私を最後の女にして―――っ!!!」と叫び・・・それくらい。
ラストのシーン、コウちゃんが全てを打ち明けるシーンは、 なんだか、すべてにおいてしみじみとしている感じで、 自然、涙が出る。
そしてバラのシーンではコウちゃんと麻真のまゆこちゃんの相手役さんの胸に 白い花・・・そしてバラを差し出された時に、コウちゃんとまゆちゃんの 胸にその白い花がさされて・・・なんとも粋な演出にまたまた涙。
そうそう、ロケットでのこと。 初舞台生は本当にもう泣きそうだった。 きっと「今日でみんなで踊るのは最後。」と思うとこみあげてくるものがあったのだろう。 泣いている子もいた。見るからに堪えてる子もいた。 かわりに私が泣いてあげた・・・。 初舞台生にはヨワイ。何年見ていてもヨワイ。 自分の子でも親戚でもなんでもないのに毎年ヨワイ。 ところがそんな中、1人が見事にすっ転んだ。 すって―――ん。 もう見ていられなかった。彼女はもうたまらなかった。 かわいそうというか、気の毒で・・・。 人数が多すぎて踊りにくいと思う・・・。それが出てしまったのだ。 しかも最後の日に・・・。かわいそすぎる。
『コウちゃんさよならショー』 『ノバボサ』キャリオカで幕開き、『ノバボサ』の衣装で大階段の真ん中にコウちゃん。 そして衣装を脱いでラベンダー色の衣装で懐かしの『ベルばら』『PUCK』『風共』 『エール』『ボンジュールジャクスパー』『銀ちゃんの恋』などを歌い継いだ。 たまらないね、『銀ちゃん』。 銀橋を渡りながら、歌い継ぎ、「銀ちゃん、やっぱりオレ、宝塚好きだよ。」と言った。 拍手喝采だった。
本舞台に戻った時、下手ソデからガイチ登場。 もちろん、私服で・・・。 めちゃめちゃ驚くコウちゃん。「あ、ガイチ。」 そしてガイチからバラを受け取り、ガイチは退場。 それからしばらくすると反対側にさえちゃん。 「あら、今度はさえちゃん。」と言い、にこやかに笑顔をかわす。 そしてコウちゃんと入れ替わりに『ME AND MY GIRL』を さえちゃんと退団するまゆこちゃんときりやんで・・・。 下手セリあがりで白い衣装のコウちゃん登場。『グランドホテル』 それからそれから・・・なんだっけ?なんだっけ? 紫吹さんやえみくらちゃんが登場・・・。 みんなに迎えられて歌ったあと、『心中・恋の大和路』 コウちゃんが歌う後ろでまゆこちゃんが日舞を舞う。 そして大階段に消えていくコウちゃん。
もうファンにはたまらないコウちゃんの16年間がぎゅっと詰まったサヨナラショー。
ゆらさんの挨拶はとてもユーモアに溢れていて、さりげなく、エピソードを披露してくれた。
お花はまゆこちゃんには組からは紫吹さん、同期からはきりやん。 コウちゃんには専科からさえちゃん、同期からちずさん。 さえちゃんからお花を受け取る時、コウちゃんはさえちゃんの手をぎゅっと握った。 さえちゃんは一瞬泣きそうだった・・・。
挨拶はまゆこちゃんもコウちゃんもとてもしっかり、とてもあったかい言葉だった。 コウちゃんが途中、少し、なんとなく言葉を詰まらせ気味だったけど、 とても心のこもった挨拶だった。
コウちゃんが挨拶の途中で「組のみんな、スタッフのみなさん、ファンのみなさん、 そして今まで一緒に舞台を作ってきた仲間たち、そしてさえちゃん・・・。」・・・と 専科生としてさえちゃんの名前をあげ、さえちゃんの顔を見つめた時、 さえちゃんの顔が一瞬、哀しく曇り、うつむいてしまったのがとても印象的だった。
ずーっと月組でも一緒で、専科生としても一緒で・・・・・・・・・ そういう思いが一瞬にして通じ合ったんだと思った。
退団者の挨拶のあと、紫吹さんは 「人生は勉強だ・・・とかつて言われたことがあったが、 今になってその言葉の重みがわかった。 楽しいこと苦しいこと、哀しいこと、つらいこと、出会いや別れ。 出会いは楽しく、別れは悲しい。全てが勉強なのだと・・・。」 というとても実感のこもった挨拶。
『フォーエバータカラヅカ』を歌いながら、 何度も何度もまゆこちゃんやコウちゃんと視線を合わせ にこやかに微笑む紫吹さん・・・いっぱいいっぱいなんだろうなぁ。 とても心地よい千秋楽だった。
劇場を出るとき、コウちゃんのお父さまを発見。 記者からインタビューを受けるお父さまはとてもステキで、笑顔でした。 お父さまの周りには人垣ができていた・・・。 口々に「すてき〜★」と・・・・・・。
あとで、コウちゃん談。 まずガイチが出てくるとは思っていなかったとのこと。 お稽古中ずーっとちずさんがその役でいろいろ打ち合わせまでしていたとこのこと。 ガイチはずっとお手伝いをしていてくれてて、何もそんなこと言わなかったから、 ホントに驚いた・・・らしい。
『恋の大和路』でまゆこちゃんが日舞を舞ったのはまゆこちゃんが 「日舞が好きなので舞わせてください。」とお願いしたとか。 コウちゃんはそれがとてもうれしかったとか・・・・・・。
サヨナラショーを見ていて・・・ コウちゃんは、ズバぬけてナニが1番・・・ってワケではないけれども 歌にしてもお芝居にしてもダンスにしてもいつもいつも最高に心がこもっていて・・・ 全て全てとても丁寧だったなぁ・・・としみじみ思った。 そういう気持ちが見ている側にも心地よく伝わり、ずっと見ていたかったなぁ・・・。
優しい人柄が全てににじみ出ていて、だから大好きだったなぁ・・・と。
まゆこちゃん。かよちゃんやきりやんと同期。80期生。 キレイな面立ちとかわいい笑顔。
コウちゃんも今日1日とてもニコニコだったけど、 まゆこちゃんの笑顔は本当にこぼれるような笑顔で 「あーシアワセなんだなぁ・・・。」ってつくづく思った。 幕が降りきるまで、ずーっとニコニコだった2人。
みんな・・・みんな・・・辞めないでほしいなぁ・・・・・・。
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