◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2003年08月23日(土)  博多座 『鳳凰伝』 『ショーストッパー』

最初見たい要素は・・・ともえちゃんの首切り役人とかなみちゃんのアデルマ、
そしてタニオカくんのバラク・・・だった。
でもすしおさんの首切りも見たかったし、かなみちゃんのタマルも見たかった。
散々、迷った。迷ったあげく・・・行くことにした。

大劇場で見た時は「なーんて自意識過剰なカラフなんでしょう。」と思った。
今回もそれは拭えたわけではなかったけど、そんなことはどうでもよくなってしまった。

まず、すしおさんのティムール王。
弱々しく、哀しいくらいの父王だった。
でも「ナゾに挑む」と言った息子カラフに「もう足手まといにはなるまい。」と
言い別れる時はなにか凛とした強さが見えた。

かなみちゃんのアデルマ。
ふーちゃんのアデルマも好きだった。
けど、ここまでアデルマの悲劇性をくっきり見せられると唸ってしまう。
おそらく初めて他国の異性の優しさに触れたんだろう・・・。
だから心奪われたのだろう。
ナゾに挑むカラフを初めて認識した時の動揺、
ナゾをとき進む時の喜び、そして3つのナゾをとき終えた時の安堵感、
ナゾをとくことができたということは・・・トゥーランドットと結ばれる・・・という
現実に気がついたときの絶望感。
それはそれは本当に鮮やかだった。

人のものになるくらいなら・・・と半狂乱で鞭を振り回すアデルマの焦り、
そして中国から出て行け・・・と言われた時、
初めて自分の犯した罪に気がついてしまう哀しさ。
アデルマの心の動きが手にとるようにわかった。

ともえちゃんの首切り役人。
新公の時も凄みが増し、メイクも不気味さを加えていた。
暗闇で不敵な笑みをたたえ、目つきで人を見下す。
そしてバラクと戦う時には何か血が騒ぐような不気味な笑みを浮かべ、
首切り役人という役目を全うするように見えた。
ところが、タマルの子守唄を聞き、はっと我に返り、動揺を隠せない。
ジリジリと中国皇帝やトゥーランドットから離れていき、
手をダラン・・・とたらし、脱力したまま、死にゆくタマルを見つめていた。
セリフがないのにここまで芝居をしてしまうなんて・・・と驚いた。

タニオカくんのバラク。
ミズのバラクに比べて“おぼっちゃま”だった。
野心は見えない・・・あまり見えない。
でも暗がりの中から登場するだけでソコが明るい。
盗賊の頭として慕われるのがわかるような気がした。
「ああ、かつては王子だったんだ。」とわかるような気がした。

それからすごかったのはやっぱり花ちゃん。
タマルの死をきっかけに自分の哀しい立場を再認識してしまうシーン。
ボロボロと泣いていた。
「行ってしまった・・・。」という悲鳴のようなつぶやきがとても哀しかった。

いやいや、ツッコミどころは満載のストーリーであったことは間違いない。
やはり、会ったばかりのバラクに「おまえの話は聞き飽きた。」だとか、
トゥーランドットを初めて見たあと、「あいかわらずだった。」というバラクに
「いいや、おまえは見ていない。」と失礼な言葉の数々を投げかけたり、
「おまえのオトコはココだ。」に始まり、「おまえが愛するのはこのオレだ。」と
びっくりするような自信マンマンな言葉を叫ぶカラフもだし、
ナゾに挑むペルシャの王子の若さも「ナゾが解けたらどないすんねん。」だし、
だいたい、首切り役人ったら、バラクが死ぬ時「生きろよー。カラフ―――っ!!!」
と叫んでるのだから、“あの王子の名”も知っているはずなのに、
知らんぷりしているのとか・・・・・・「そりゃないやろ。」のテンコモリだった。

でも見終わったあと、「よくデキたイイ話だわ。」と思った。

******

ショーも見ごたえがあった。

人数が少ないから、役代わりがあったけど、
ともえちゃんがいろいろなところで活躍しているのがうれしかった。
プロロ静かな躍動感があった。
人数の少なさを感じさせない迫力だった。
ジャズが楽しかった。めちゃめちゃ楽しかった。
見ていてワクワクした。下級生たちも大活躍。

パリのかなみちゃんのかわいさは最高。
客席からの登場で客席からため息がもれる。
キッラキラの笑顔。
そんな癒しのあとに妖艶なタンゴ。
すしおさん、タニオカくん、はるひ、はつねちゃん、ともえちゃん・・・
「ともえちゃんが入った。」と大喜び。花ちゃんをリフトさえしてしまう。
すしおさんがめちゃめちゃ妖しくてカッコよすぎ・・・。
1人席だったから騒ぐこともできなかったけど、平常心ではなかった。

気になるヴェネチア。
魅惑的な美しさで登場するタニオカくんのアントニオ。
そこへ登場するかなみちゃんジュリエッタ。
美男美女のコンビ・・・。
ミズ&まやちゃんも好きだった。
でもタニオカくん&かなみちゃんもいい。
全く違うキャラの違うシーンを見ているようだった。
だけどあまり悲劇的なものは感じられず、
どちらかというとかなみちゃんがいつかサソリになってしまうちゃうか・・・という
錯覚に陥ってしまって・・・まあそれはそれで楽しかったのだけど、おかしかった。

カルナバル。無条件に好き。
白い衣装なのにどこかヤラしい妖しさがある・・・すしおさん(←バカ)
総踊りのあと、ワオさんの歌・・・のあと、少な目の大階段が出て、
センターにタニオカくん・・・ぱあ―――っと明るくなる感じがした。
あれよあれよ・・・という間にフィナーレ。
もっと見ていたいもっと見ていたい・・・そう思った。
めちゃめちゃ楽しかった。

******

22日と23日の午前の部を見た。
22日は興奮サメやらズ・・・夜中の2時半まで飲み歩いた。
悪友たちとずーっとはしゃいでずーっと笑い転げて・・・。
ヘロヘロになってもまだゴキゲンだった。
その日寝たのは・・・4時を過ぎていた。
ったく・・・博多の夜は最高〜〜〜〜っ!!!

後ろ髪を強く強く引かれながらも千秋楽はあきらめて・・・帰宅。

大劇場で見た時よりもずいぶんと楽しめた公演だった。
ヨカッタ・・・楽日間近で見て・・・。
初日あいてすぐ・・・とかに見ていたら、もっと見たくなっていただろうから。


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春吉

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