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| 2022年02月26日(土) ■ |
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| 倉田翠 × 飴屋法水『終着、東京 三重県足立区甲府住吉メゾン・ド・メルシー徒歩0分、入浴中』 |
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倉田翠 × 飴屋法水『終着、東京 三重県足立区甲府住吉メゾン・ド・メルシー徒歩0分、入浴中』@BUoY
そこには身体が新しいひとも、身体を使いきったひとも、生まれる前のひとも死んだあとのひとも皆いる。四つ打ちのステップ、八拍子のストンプ、潰れるペットボトルのリズムに乗って歩く。走る。『ドナドナ(donor-donor)』をちょっと懐かしく思い出した。
京都発表会『三重県新宿区東九条ビリーアイリッシュ温泉口駅 徒歩5分』(ダイジェスト映像)、映像作品『三重県新宿区東九条ユーチューブ温泉口駅 徒歩5分』、そして終着はここ、東京BUoY。ようやく現場に立ち会えた。
入場すると、スマホに繋いだイヤホンで何かを聴き乍ら、ステップを踏む倉田さんの姿が目に入ってくる。イヤホンからの音漏れはない。その音は彼女にしか聴こえていない。ダンスのようで、ボクサーのフットワークのようにも見える。BUoYは銭湯だった地下室の機構をそのまま残したスペースだが、その浴槽の上には家の模型が吊るされている。チェーンで吊るされたそれは、くるくると回っている。
いつの間にやら現れた飴屋さんが、フロアをうろつき始める。目のところだけ穴を空けた無印良品の紙袋を被っている。くるみさんが浴槽前に置かれたタップボードに立ち、八拍子のリズムで力強いストンプを始める。ダン! ダン! と足音が響く。もはやどこから開演か判らない。それは飴屋さん(倉田さんもそうなのだろう)の作品ではいつものこと。日常、すなわち生きることと地続きだ。
飴屋さんから挨拶と上演にあたっての諸注意。いつの間にやら紙袋は被っていない。こんなときに、寒いところ来てくれて有難うございます、感染対策ガイドラインに基づき上演します、客席との間隔は2mなのでテープを張って、そこから出ないようにしています、僕らPCR検査や抗原検査をしています、観に来てくださった皆さんもそうした検査や、ワクチン打ったりとか、体調が悪かったら行かないことにするとか、それぞれやってくれていると思います、等々。あ、あと、出入口が一箇所しかなくトイレは上階にしかないので、具合が悪くなったとか、急に行きたくなったってひとは、僕らがやっている前を通ってっちゃっていいので我慢しないで行ってください。というのもあった。
こうした飴屋さんの挨拶はいつものことで、その内容はあたりまえのことだ。しかし、出演者が事前にそう断っておくことで、場の雰囲気はだいぶ変わる。上演途中で出ていくなんてという非難や、どうしたんだろうという不安により、集中力を削がれることもない。ひとの身体なんて、いつも思い通りにいく筈がないのだ。
公演は、互いを信じることにより成り立っている。飴屋さんは、私たちを信じるといっている。これもいつものことだ。そしてそれは、倉田さんが作品と観客に向き合う姿勢と同じだった。ふたりがともに作品をつくるのは必然だったのでは、とすら思う。それにしても、倉田さんの作品とご本人を実際に観るのは初めてだったのだが、その張り詰めた姿、動き、声に驚かされる。
死んだ両親、死んでいる自分、生まれるまえの娘。遭遇した差別の場面。ここにいる彼女は死んでいるのか、話題に出てきた人物は生きているのか。その空間や時系列はどこ迄が虚構か、現実か。
『わたしのすがた』(2010)に登場した父親の死から『バ ング ント展』(2005)が発想されたように語られる。くるみさんのともだちは死者として語られる。マイクパフォーマンスは『教室』(2010)からだったろうか? ダンスは『ブルーシート』(2015)。自転車で転倒するのは『マームと誰かさん・ふたりめ』か。桜井圭介さんのツイートを見て、ああ、『転校生』(2007)! と膝を打つ。
さまざまな引用がある。人生を振り返っているようでもある。これではまるで、終わりの時間が見えているようではないか。身体に負荷をかけ続ける飴屋さんの体調のことは気に掛かっているが、それが飴屋さんの作品なのだ。本人にとって、こうするしかない表現方法だ。あらゆる安全確認とケアをして上演は行われている。しかし、思い通りに身体がついていくかは判らない。
そんな思いに捉われていると、倉田さんに肩を掴まれる。薬物依存症リハビリ施設のメンバーは倉田さんの弟となり、東九条の住人たちとなる。繰り返し流れる「君は天然色」は死者を思い書かれた歌だ。倉田さんは思い出を纏い、剥ぎ、また纏う。稽古着、喪服、曰くつきのニット。服だけでなく自らの皮膚をも剥ぐようなその激しさ、確かなダンスのスキルをも破壊しかねないエネルギー。その負荷もまた、自身を傷つけかねない。
そんなふたりの前で、くるみさんはまっすぐ立っている。ふたりのやることをしかと見、話すことをしかと聞いている。事前にアナウンスされていなかった出演者、ミントくん(岩瀬圭司)をくるみさんがインタヴューする。お父さん、お母さんとともに体験したことを語る。倉田さんと、京都の友達のことを語る。まっすぐな声で目にした差別、自分の将来を語る。彼女は境界を越える可能性を持っている。
「家」の美術がとてもよかった。銭湯跡のBUoYで入浴ならぬ水責めに遭う家。荒波になすすべもない家。音響設計も、もともと演劇をやる場としてつくられていないスペースを見事に演劇空間に変えていた。
シリアスでヘヴィーな日々に、joyがあるのも事実。飴屋さんとくるみさん、そしてミントくんのパレードの愛らしいこと。葬式あるあるの話のところではちょっと笑ってしまったなー。確かに喪主が飴屋さんだと葬儀屋さんも話しづらかろう……。オズの魔法使いは彼らに問いかける。ライオンは、ブリキの木こりは自らに問いかける。ヘヴィーな日常にときどき訪れる、ハッピーなひととき。人生はその繰り返し。倉田さんは「明日も同じことをやる」という。場面は冒頭に戻る。イヤホンを耳に入れ、ステップを踏み始める。だが、そのイヤホンにスマホは繋がっていない。そこにどんな音楽が流れているのか、彼女だけが知っている。
観客は彼女だけの音楽を想像し、自分だけの音楽を想像する。そうすることで、私たちは友達になれるだろうか。
「有難うございました」という言葉は、共演者にも、スタッフにも、そして観客にも贈られる。成程、死は身体を使い切ることだ。以前飴屋さんは「自殺はしない」といっていたことがあるが、それは身体を使い切るつもりでいるからだ。冒頭、飴屋さんはちいさな声で「健康がいちばん」といっていた。このひとの作品を見続けたい。それは恐らく「死」をも見届けることになる。そのとき、どう誠実な観客でいられるかを考えている。
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・アーティスト・インタビュー:“誰とつくるか” 倉田翠が問いかける新領域┃Performing Arts Network Japan 「現実に起こった本当にしんどいこと、涙が出ちゃうようなことに舞台は勝てないことをわかった上で、私も含めた彼らが“生きている”現実とフィクションの距離をもうちょっと近づけたいと思いました。」
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| 2022年02月23日(水) ■ |
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| モニラ・アルカディリ&ラエド・ヤシン『吊り狂い[Suspended Delirium]』 |
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モニラ・アルカディリ&ラエド・ヤシン『吊り狂い[Suspended Delirium]』@SHIBAURA HOUSE
引き続きシアターコモンズ、人間ふたりとねこの会話劇だよ! ヴィジュアルがラヴリー♡なので画像多めでお送りします。
このヴィジュアルがよすぎて、全く予備知識なかったんだけど行くことにしたのでした。シアターコモンズは、公演毎のチケットではなく全公演共通のパス購入制なので、行けば行く程おトク(?)です。会場は港区に拠点を持つ国際文化機関が中心で、普段行く機会のない場所ばかり。遠足気分を味わえるのも楽しい。
映像作品だと思っていたら、ディレクターの相馬千秋さんが初日前にツイートした会場の様子を見てビックリ。 あの人形の実物が観られる! ワクワクがますます膨らみます。お初のSHIBAURA HOUSEがあるのは、年に一度降りるか降りないかという田町駅。辿り着けるだろうかと不安でしたが、遠くからでもすぐ分かる全面ガラス張りのビルでした。
近づいていくと、会場と案内されている最上階(5F)で動いている物体が見えました。エレベーターで直行したので他のフロアは見られませんでしたが、日当たりすごそうだな……夏はどうなっているのか気になる(笑)。
・妹島和世さんと振り返る、建築と運営の9年間┃SHIBAURA HOUSE ・丸見えなのに、謎に包まれたSHIBAURA HOUSEに潜入!┃田町新聞 「丸見えなのに謎」(笑)。妹島和世氏設計。田町ではなかなかの名物のようです。
30分の作品が開始時間よりループ上演されており、予約は2時間毎。つまり、定時に入場していれば、最大4回観られます。ちょっと遅刻して、3.75回くらい観ました。
「消毒済」のラックからクッションをとり入場。観劇エリアはトラスで仕切られた四本の柱の外。ステージ(?)をコの字型で囲む形で、椅子は正面に5脚程。両端に字幕用のサイネージが設置されています。写真・動画撮影OK、フラッシュはNG。
最初は下手側から。フロアに直接クッションを置き桟敷席の感覚で観る。上手前方にアルカディリ、正面奥にねこのルーミ、下手前方にヤシンの頭部がぶら下がっています。字幕は上手側サイネージにアルカディリ、下手側がルーミとヤシン。そう、ねこも喋ります(微笑)。正面からでないと字幕が見えづらい。セリフは比較的簡単な英語で構成されており、複数回観られるという安心感もあって、まずは音声と動きだけに集中することに。二周目は正面下手寄りの桟敷、三周目はもう一度下手側の桟敷、最後は正面の椅子席から観ました。
ねこを殺そうという相談をしているところから観たのでギョッとしつつ、元気のなくなったルーミがゆっくりと俯いていく動きにあっという間に魅せられてしまう。三人(便宜上ねこも「人」とします)は移動を制限されている。スーパーや散歩に出かけることは出来るが、遠くへはいけない。アルカディリはルーミの餌である鶏肉を買うにも登録が必要だったという話をし、ルーミはクローゼットにある取り替え可能の内臓の話をする。ヤシンは箱に隠れてここを脱出したいと嘆く。その思いは宇宙へと拡がっていく。眠りについた人間ふたりを見て、ルーミはある告白をする。
俯いたり横を向いたりする頭部は、角度によって表情が変わっているようにも見える。能や文楽にも通じるものがありました。
『吊り狂い[Suspended Delirium]』というなかなか物騒なタイトルですが、宙ぶらりんの頭部だけで生きているこの三人には親近感すら感じる。どうしても今の自分たちが置かれている状況に通じるものがあるのです。この状態はいつ迄続くのか。アフターコロナはいつか、それともウィズコロナで生活を続けるのか。現在世界中で思案され続けていることでもあります。そして、この翌日に戦争が始まりました。国境が閉じられる。交流がオンラインのみになる。そこから得る情報すら真偽がハッキリしない。本当のことを「自分の目で見る」「自分の耳で聴く」ことは、即ち「現場に行く」こととなり、どうしても身体が伴う。それが失われていく感覚に、アクセスオールエリアパスを持つウイルスが羨ましい、という思いすら抱いてしまう。
しかしここでも、ねこのルーミのかわいらしさと、彼のユーモアに助けられるのでした。またルーミの声がかわいくてね……人間はそれぞれ本人の声だと思うけど、ルーミは誰の声だったんだろう? いや、“本人”かもしれないな(笑)。人間に命を握られているこの愛玩動物は、強かな獣でもあるのです。いやーこうありたいな。
音楽はヤシンによるもの。登場人物たちが前を向いて移動していくラストシーンで流れる音楽は、まるでゆっくりと昇る朝日のような心地よさでした。全員が順番に“ahh, the moon.”という台詞を繰り返す様子が印象的。月は地球上のどこから見ても月だねえ。プロジェクションマッピングだったら嫌だなあ。本物の月は、どこからでも、誰でも見られるものだし、そうでなければならないのだ。
おまけ。あーかわいいルーミ♡この動画で聴こえているのが彼の声です。人形のヘッドペインティングはサイード・バアルバキ。上演が終わるとそれぞれ定位置に戻るのですが、その家路にも愛嬌を感じてしまいました。
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| 2022年02月20日(日) ■ |
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| Q『妖精の問題 デラックス』 |
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Q『妖精の問題 デラックス』@港区立男女平等参画センター リーブラ(リーブラホール)
たまたまかも知れないけど、男女平等参画センターって場所がまた示唆的。みなとパーク芝浦内の施設です。同じ建物内にコロナワクチン接種会場があり、なんとも“今”な公演になっていました。
もともとシアターコモンズでは、Q×ノイマルクト劇場の『Madama Butterfly』の上演を予定していた。コロナ禍でスタッフ/キャストの招聘が困難となり、今作の上演が決まった。気になっていたものの観る機会を逃し続けていた『妖精の問題』を観られたこと自体はラッキー。
“デラックス”は東京初披露。ひとり芝居版もまたどこかでやってほしいが、この“デラックス”の出来が見事だったのでどうだろう。これが決定版となるのだろうか。
2016年に起きた、相模原障害者施設殺傷事件をきっかけとして生まれた今作。漫才の「ブス」、音楽劇の「ゴキブリ」、セミナー形式の「マングルト」。三部構成で、身体と言葉と音楽が暴力的ともいえる重量で殴りかかってくる。しかしそこには生への肯定がある。以下ネタバレあります。
ブスと自称する女性は、自分より下の人間を探して介護の仕事につくと語る。「平均的な顔」をマスクとして貼り付けた候補者は、政見放送で不自然な人間は生きている価値がないと語る。ラーメン店の近所に住む女性は、ゴキブリ退治と人間を殺すことの違いを考える。いくら人間を平均化しようとしても、上下が生まれる社会を考える。不要な人間とは何か? そもそも人類が不要なのか?
ところが、だ。ゴキブリ退治に励む女性は芋虫の姿をしたこどもの愛らしさを唄いあげ、マンコで熟成させるヨーグルト(=マングルト)に不潔だという根拠は何もなく、むしろ長所しか見当たらない。確かに膣内には善玉菌がいっぱいあるもんね、少し前に見たこんな記事でもヨーグルトとの関連性が書かれていたし、実は現実的なのかもしれない。では、何が不潔で何が清潔なのか? 自然と不自然の違いは何か? 何が優越感と差別を生むのか? 登場人物たちはその仕組みを、執拗に追究する。探求は凄まじいエネルギーをもって、キャパ100ちょっと、二部でつくるホウ酸ダンゴに混ぜ込んだりんごの匂いが判別出来るくらいの空間で、観客に投げつけられる。
圧巻は二部。妖精はここにいる。バレエを踊るこどもたちの情景の美しさが、登場人物によって唄われる。バンドメンバーはゴキブリの触角帽を被りクールに、しかし熱量高く超絶技巧の演奏を叩き出す。どこでブレスしてんだとビビる歌唱が続く。こちらも歌詞を聴きとるのに必死だ。だんだん口角が上がるのが止められなくなってくる。こういう音楽劇を観たかったんだ、私は。
『バッコスの信女』のコロスも素晴らしかったが、今回のキキ花香による歌唱、額田大志のバンドによる生演奏も圧倒的。詞先だと思うのだがよく音符に乗せられたな、そしてよく唄いきれるな。一触即発のプログレ好きなひとは聴きに行くのも一興。天井には提灯と、ミラーボールも提げられている。ピース。
最後の最後、長い暗転のあと、上演が終わったのか? と戸惑う客席に地明かりが灯る。どこから現れたのか、ひとりの女性が立っている。彼女は人間、いや、人体が環境に及ぼすとある効能を語る。
彼女は三部で映像に登場していた、既に死んでいる筈の人物だ。やはり能の構造か。今作の舞台(美術:dot architects)は、能舞台を再構築したかのようなつくりになっている。橋掛かりは客席に降りる花道にもなり(ご丁寧にも両端に花が飾ってある)現実と虚構を結ぶ。鏡板の部分はスクリーンとしても使われ、後座は漫才のステージ、地謡座に当たる部分は音楽劇パートのホームだ。そしてなんと、本舞台は客席(桟敷席)にあたる。演じる側と観る側の境目が融けていく。『妖精の問題』はもう、他人事では済まされない。 (・参照『the能ドットコム:入門・能の世界:能舞台』)
人間が死に、土となり、山となる。しかし山がどこ迄もうず高く積もることはない。では、土はどこへ行くのか? イキウメの作品にも「私たちの足元に死体がない訳がない」という意味合いの台詞があった。地球上に出現してから、どれ程の数の人類が死んでいるか。人間が生きる意義はないが、人体は何らかの価値を持つ。死者がそういうのだから、真実味が違う。帰路の足取りが、少しだけ軽くなる。
菌とウイルスの違いはあれど、三部はコロナ下の今観ると初演とはまた違う手触りがあるのではないだろうか。現在と普遍は紙一重だ。またこの作品に出会うことを、今から楽しみにしている。
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・ex. DC/PRGの秋元修くんがバンドメンバーにいることを直前に知ったので、楽しみ倍増。ゴキブリとして躍動したり、選挙カーに手を振ったり、こまごま小芝居もしていてにっこり。いんやすげーかったな演奏……
・マングルト、『私のワインは体から出て来るの』をつい思い出してニヤニヤしました
・『Madama Butterfly』も楽しみにしていたので、仕切り直して無事上演されますように! 待ってます!
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| 2022年02月13日(日) ■ |
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| TOKYO No.1 SOUL SET『Flowers Loft 2nd Anniversary』 |
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TOKYO No.1 SOUL SET『Flowers Loft 2nd Anniversary』@Flowers Loft
ゲラゲラ笑った1st set、小西英理さんへのレクイエムになった2nd set。いいライヴだったな……いや、ライヴには毎回替えが効かないよさがあるのだが。だからライヴというのだが。
昨年M1が観たくて欠席した(嘘。それはトーイ)3人セット再び。そう間を空けずまたやってくれて有難う〜。前回と同じく休憩ありの2セット方式、違うのは「まん延防止等重点措置」期間につき20時以降お酒を売れなくなるところ。ビッケが「呑みたいひとは途中でも頃合いをみて買いに行ってくださいね」「終わってから呑みてぇ! ってなってももう売ってないよ」などとMCでお知らせしてました。気遣い。ドリンク、特に酒類販売はだいじなお店の収入源だものね……。入場者はキャパの40%に抑え、2nd Anniversaryなのにちょっと寂しい。その分盛り上がろうぜ〜。
閉店も21時という「門限」(ビッケ)があるため、ちょくちょくスマホで時間を見乍らの進行でした。わかる。トシミくん突っ走るからビッケとヒロシくんでタイムキーパーしないといけない。というように、今回この3人の阿吽の呼吸に驚いたのでした。ば、バンドっぽい! もはや家族? てか族? みたいな。「動物占いが狼」の3人がトライブになるとこうなるのかと感心すらした。内容はいつにも増して濃密で、激しいものでした。最高。
出てきたトシミくんが最前列にいる男の子を見てニッコリ、以降彼を見つめて幸せそうに唄い出す。てかほぼずーっとその子に向いて笑顔で唄ってる。ふたりだけの世界になっています。何…その子もすっごい踊って手を伸ばしたりしているけど……と思いつつこちらもニコニコ観る。最初のMCで「今度はスチャダラパーかよ!」。それでやっと気付く、瀧Tシャツのあの子(参照)か! 今日はSDP-Tで来たんかい。「今度はソウルセットのTシャツ着て電気グルーヴのライヴに行ってみな? ◯(自主規制で伏字にしとく)されるよ?」「ウチら寛大だから笑ってるけど電気だとこんなイジりじゃ済まないよ?」とかいわれている。電気のことをどう思っているのか。その通りだと思います。
結構若い子だった(と思う)ので、サさんと「ああいう子たちはどこでソウルセット知るんだろうね〜」とか話してたんですが、新規のファンが増えるのはうれしいですね。名曲揃いだし、唯一無二のサウンドなので長く広く聴かれ続けるといい〜。
冒頭に書いてるように、3人セット久しぶりも久しぶりだったので、バンドサウンド慣れしていた側からすると「音が薄くなるかな?」なんて思っていたのですが、川辺ヒロシが投げる音はそんなもんじゃなかった。いつもいってるがこのひとが通ったあとはぺんぺん草も生えない。それ、初めて聴いたぞ! てなトラックもてんこ盛り。saxのソロが入ったやつとかさ〜、「どっから見つけてきた!」ってなキラーフレーズが、ヒロシくんの音にしか聴こえないミックスで鳴る訳ですよ。笑いが止まらん。
そんなヒロシくん、ビッケとトシミの話を黒々とした瞳の無表情で聞いており、リアクションも無でした。……惚れる。まあずっと惚れてる。それはともかく、バンド編成だとトシミがカウント取るんだけど、今回のキュー出しはほぼヒロシくんで、トシミとアイコンタクトでズバリと音出しするもんだからそれにもシビれた。
2nd setはビッケのMCから始まったんだけど(件の男の子が休憩中にソウルセットのTシャツに着替えてたのでそれイジり)、トシミくんがビッケの話にも生返事でチューニングしていたので「セッティングで気になるところがあるのかな?」と思う。まあトシミくんは基本ひとの話聞いてないけど、どうもいつもと様子が違う。「copa salvoの小西英理ちゃんが天国に行きました」。流石にフロアが冷水被ったみたいになりました。ビッケはそれがわかってて、場を和ませようとおちゃらけてたのかな、とも思ったり。ぞ、族……。
「Sunroom」から、小西さんへのレクイエムが続く。トシミは多分泣いていたし、フロアで訃報を初めて知って泣き出すひともいた。それでも音と歌は力強く鳴り響いた。ソウルセットの曲は人生のサウンドトラック。嵐が過ぎるとトシミくんはノホホンとしたいつものトシミくんに戻り、ノホホンとした会話が続き、フロアにも笑顔が戻ったのでした。
老眼の話したり、ビッケは告知コーナーで「今こんな状況なんで来てねともいいづらいんですが」「(雪になりそうな)こんな日に来てくれて有難うございます」「気をつけて帰ってくださいね」といい、トシミくんは「ZOOT 16とかソロとかあるけど、ソウルセットあっての僕なんで」とか殊勝なことをいうし、ヒロシくんは何も喋んないし(通常運転)、はーソウルセットずっと大好き。引っ込む時間すら惜しいのでアンコールはなしという前提で、ギリのギリ迄演奏し、ビッケがスマホ画面をヒロシくんに見せ「あと1曲出来る!」、すかさずヒロシくんがドロップしたのは「バジリコ・バジリコ」。当たり前のようにギターを鳴らすトシミくん。族〜。ちなみに本日のセットリスト(こちらの方のツイートを拝借)はヒロシくん選曲だったとのこと。
『2nd Anniversary』で呼ばれたけど初出演。「出たことないのに? 何で?」とビッケ、「Loft Flowers! 2周年おめでとう、有難うー!」とトシミ。店名間違えとるがな。Flowers Loftさん的には大丈夫でしたでしょうか……客としてはめちゃめちゃ近くでソウルセット観られてうれしかったです。
コロナの影がいよいよ濃くなってきた2020年2月に開店したFlowers Loft。コロナ禍真っ只中にデビューした藤井風のようにすくすく強く育つといい! 2周年おめでとうございます!
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・Flowers Loft、お初でした。かわいいクラブ〜。川��昭オススメのカレーも食べてみたかったがそれはまたの機会に……って、ロフトグループはカレーが強いな
・チケット取扱がスマチケオンリーで、iPadでも使えたよねーと購入しようとしたら、2019年9月からスマホでしか使えなくなっていた。 マジかよ。スマホとタブレット、OSの何が違うというんだよ。何の問題があるのかよ〜。オワタ \(^o^)/とAAも使いたくなる。うーむ、古田新太やチバユウスケくらいの地位を得ないと携帯(スマホ)なしでライヴにも行けない世の中になったか……サさんが確保してくれて助かりました、有難う〜
・再び雪か、という天気予報。帰るときちょっと雪っぽくなったくらいの雨で済んだのだけど、ソウルセットのライヴってつくづく雨がついてまわるなという話をする。一時期トシミくんが、その後トシミくんのお父様が雨男っていわれてたけど、この日はビッケが「こないだのナタリーワイズは雪の日でさあ、今日はこうだし……」といっていた。もはや誰でもよい
・台風で野音が延期になったり、その野音延期公演のクライマックスで「Jr.」のイントロが鳴り響くと同時に土砂降りになったりと、雨もいい思い出です
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| 2022年02月11日(金) ■ |
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| 『パイプライン』 |
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『パイプライン』@シネマート新宿 スクリーン1
エレベーター開閉ドアを公開中の作品アドボードにしちゃうの(エレベーターラッピングというのか)、シネマートではすっかりお馴染みになりましたね。いい撮影スポットにもなっています。
エンタテイメントの幸せが詰まったような作品でした。楽しい! 原題『파이프라인(パイプライン)』、英題『Pipeline』、2021年、ユ・ハ監督作品。
地下を走る送油管に穴を空け、石油を盗む「盗油師」たち。そんなアナログな…バレない筈ないし、そもそもそんな危ないことやるかね……と思うんですが、実際にあった犯罪が元になっているというのだから恐ろしい。なんとなくセコいコソ泥ってな趣ですが、一歩間違えば大事故どころか大災害です。道路が陥没し、多数の死者が出た例もあるとか。
そんな向こう見ずというか命知らずというか、まあ大バカ者ばっかりの盗油師チームが、桁外れの盗油計画を企てる。これがまー魅力的というか、憎めないキャラクターの皆さんなのです。こうしたチームものの犯罪エンタメって、『エクストリーム・ジョブ』や『シークレット・ジョブ』(え、これも? と思うがまあ犯罪ですよねアレ)の流れだと思うのですが、その道のエキスパートが集い、それだけあって個性派揃い、だもんだからチーム内のイザコザも絶えない。面白くない訳がない。自分がそのチームに加われといわれたら絶対にイヤですが(笑)。
エキスパートとはいえど犯罪のプロではない。情が移ってすぐ本名を明かしちゃうし、金が必要な理由もすぐ話しちゃう。「私、失敗しないので」とは程遠く、常に危険はつきまとう。邪魔も入る。それでもここぞというときにはキメる彼らに、すっかり魅了されてしまうのでした。観てる間ずーっと「絶対失敗するよなー。成功する訳がない。したとしても程なく捕まる」と思っていると同時に「ひょっとしたらイケるかも、奇跡が起こるかも、行かなかったとしてもなんとか逃げられるかも」なんてついつい応援しちゃうのです。
外部にバレないよう、作業は夜中。騒音を抑えるため手作業で掘る。地味な画ヅラだな〜と思っていると、カラオケで大騒ぎして笑わせたり、生き埋めになりそうになったり(これはイヤだな)。金が必要な事情がちょっと弱いかなと思っていると、すかさずスケールのデカい石油転売ビジネスのカードが切られる。飽きさせず見せる演出もテンポよく、メンバーそれぞれの見せ場もバランスよく。
2インチのドリルで1ミリ単位の穿孔を成功させる“ピンドリ”、ホンモノへと成長していくトラブルメーカー“チョプセ”、最高の置き土産をくれた“ナ課長”、ナイロン100°Cに在籍していそうな(実際舞台で活躍されている役者さんだそう)愛嬌の“ビッグショベル”、最後にスカッとさせてくれる“カウンター”。彼らをバックアップする“トン(クソ)将軍”の重機操縦にもシビれました。豪快と繊細極まれり、針に糸を通す正確さ。
これだけの腕を持ってんなら真っ当な仕事して生きなよ! と思うものの、その“腕”が評価されない社会というものへの目配せもあり。彼らのスポンサーとなる人物が、財閥ではなく成り上がりというところ(まあ先代が築いた会社を喰いつぶすボンボンではあるが)にもアップデートを感じました。こういうところ、流石しっかりしています。一度失敗した者たちの再起が描かれ、それを応援する社会も存在するのだというところも最後に見せてくれる。夢物語のようでもありますが、そのことに胸をなでおろし、ちいさな勇気を得る観客がいる。これもエンタメの美点だと思います。
テーマ曲はまさかのド直球、The Ventures「Pipeline」。こちらのパイプラインはサーフィン用語のそれですが、実際鳴ってみればもうこれ以外考えられない。しみじみいい作品でした!
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・パイプライン┃輝国山人の韓国映画 いつもお世話になっております。そうそう、あの警察官誰だっけ知ってる! 観たことある! って悶えていた。ペ・ユラムだよ! 『チャンシルさんには福が多いね』のフランス語の先生だよ! すっとぼけたキャラクターでよかったなあ
・実はソ・イングクのことはよく知らずに観に行きました。パク・ソンウンが出ているというので観ていた『空から降る一億の星』で、主役を演じていたのです。オリジナルでは木村拓哉が演じた役なのだから、本国では人気のある方なのだろうなあ、いい役者さんだなあという印象。映画館で予告を観て、『空から〜』のあのひとが映画に出るんだ、面白そう! と思った訳です
・初日が近づくにつれ、普段観ている韓国映画のそれと様子が違うことに気付く。SNSの宣伝アカウントにつくRTやFAVの数がものすごく多い。パンフどころかグッズが沢山ある。観客層がなんだか華やかで、ロビーの雰囲気もキラキラしている。本編前にメッセージ映像が流れる。これは……相当どころじゃない人気者だな!? 寡聞にして存じ上げず失礼しました! 格好よかったです、また映画にも出てくださいね〜!
・韓国ドラマ「空から降る一億の星」公式サイト┃ポニーキャニオン 今でも公式サイトが残っている。イングクさんだけでなく相手役(オリジナルでは深津絵里)のチョン・ソミン、そしてお兄さん(オリジナルでは明石家さんま)のソンウンさん。ソンウンさんの同僚のチャン・ヨンナム、部下のクォン・スヒョンと、印象的なひとが多かったんですよね。 韓国ではドラマ収録のスケジュールがとてもタイトで、ドラマによく出る役者さんは映画になかなか出ないと昔何かで読んだけど今もそうなのかな。また観たい役者さんが沢山いました。 交通事故や新興宗教にまつわる悲劇など、日本版との違いも興味深かったです
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