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2022年12月31日(土) ■
2022年あれやこれや

数を決めず、新旧問わず、今年記憶に残ったものを。★は特に印象深かったもの。

◾映画
 『ユンヒへ』
★『アネット』
★『スパークス・ブラザーズ』
 『モガディシュ 脱出までの14日間』
 『キングメーカー 大統領を作った男』
 『ブエノスアイレス 4K』
 『猫たちのアパートメント』
同じ年の同じ月に『アネット』と『スパークス・ブラザーズ』が公開され、その両者ともが来日してくれた。カラックス舞台挨拶、SONICMANIA〜スパークス舞台挨拶〜スパークス単独。映画と音楽の切っても切れない関係と、その実体に触れることが出来た幸せな年だった

◾ライヴ
 菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール
 Thundercat
 『FESTIVAL FRUEZINHO 2022』
 Squarepusher
 after FdF ft.billy woods & Sam Wilkes Quintet featuring Chris Fishman, Craig Weinrib, Dylan Day, & Thom Gill
★Louis Cole
 小林建樹
 菊地成孔クインテット
入国に際しての規制緩和に伴い、海外アーティストの来日公演が帰ってきた! 口火を切った雷猫がステージに現れたときの、待ちに待ったスクエアプッシャーが「two minutes!」と叫んだときの、ルイス・コールと日本のミュージシャンたちがバチバチにやりあったときの、祝福に溢れるフロアの空気は忘れられない

◾音源
https://flower-lens.tumblr.com/post/705168235681759232/%E6%97%A5%E8%A8%98%E7%94%A82022%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%83%98%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AD%E3%83%86

Louis Cole『Quality Over Opinion』
Bonobo『Fragments』
Wu-Lu『Loggerhead』
Weval『Changed for the Better』
Tears For Fears『The Tipping Point』
Penguin Cafe『A Matter of Life…2021』
Sparks『Annette (Cannes Edition - Selections from the Motion Picture Soundtrack)』
Everything Everything『Raw Data Feel』
The Roots『Things Fall Apart』
気になったらすぐアクセス出来るって本当に便利、いつにも増してサブスクの恩恵に授かる。フジの配信を観て今更Bonoboにハマり、来日公演の様子をSNSで目にしてThe Rootsの旧譜がヘヴィロテになり。どちらもライヴを逃したという後悔がリスニングに繋がった(泣)

◾舞台芸術
 新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』(『ペンギン・カフェ』)
★Q『妖精の問題 デラックス』
 モニラ・アルカディリ&ラエド・ヤシン『吊り狂い[Suspended Delirium]』
 倉田翠 × 飴屋法水『終着、東京 三重県足立区甲府住吉メゾン・ド・メルシー徒歩0分、入浴中』
  『シュツットガルト・バレエ団の輝けるスター達』Aプロ(『ボレロ』)
ますます台詞劇から遠ざかった。いや、台詞劇も観てはいるのだが。能動的にアクセスするという意味ではキュンチョメ『女たちの黙示録』も参加型の舞台芸術だったといえるだろうか

◾配信
★『唄う 小林建樹』
 『夏、唄う 小林建樹』
彼は今、自分が出来ることはこれだ、と帰ってきたのだ。
もうひとつ、テイラー・ホーキンスのトリビュートコンサート。テイラーが亡くなったこと、デイヴについて、バンドについて、そしてこの、素晴らしかったコンサート(特にロンドンでの)については、未だに言語化出来ない

そして今年、忘れられない、忘れてはならない『全感覚祭 #NOWAR0305』。始めるのは簡単、終わらせるのは困難。それでも一刻も早く終わってほしいし、復興に向かってほしい。協力出来ることは? ずっと考えていかなければならない。2023年も宜しくお願いします。



2022年12月28日(水) ■
『猫たちのアパートメント』

『猫たちのアパートメント』@ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター2



地面を這うような視点の低いカメラ、各棟に設置された無人カメラ。猫との距離がとても近い。再び会える保証はないので、区別がつかないうちから出会った猫を片っ端から撮り、集めた映像を見乍ら編集していくうちにストーリーが出来上がっていったとのこと。映像素材の量を思うと気が遠くなる。その甲斐あって、操作されることなくのびのびと動きまわる猫たちの愛らしいこと! 対して消えゆく団地は、空撮(ドローンだろうか?)により取り壊される前と後で全景が捉えられる。緑豊かな土地に整然と建てられた人と猫の居場所が、埃と土煙にくすんでいき、やがて更地になる。そこに長年暮らしたものたちの姿も、思い出も、もう空からは見えない。

建物、人と猫の記録は、こうして映画になった。

原題『고양이들의 아파트(猫たちのアパート)』、英題『Cats' Apartment』。2022年、チョン・ジェウン監督作品。同監督は2001年の『子猫をお願い』で、猫との関わりを通じ悩み生きていく女性たちを描き、新世代監督として多くの共感を得たという。当時この映画の観客だった登場人物たちと同世代の女性たちが、今回のプロジェクトの中心となっている。「是非チョン監督にこの記録を残してもらいたい」というところから、この映画は始まった。

軍事政権下の1980年に竣工した遁村(トゥンチョン)団地は、18万坪の敷地に143棟が建てられ、5930世帯が暮らしていた公団。国家が主導し、広大な土地に余裕をもって建てられた。老朽化のため2017年に再開発が決まり、2021年に撤去が完了。ところがこの老朽化という理由にはひと癖あった。再開発により新しく建てる棟の間隔を狭めれば入居者も増え、収益も上がる。そのことが判明して(気付いたといっていいかもしれない)以降、建物の管理が杜撰になったというのだ。住居は急速に傷み出し、続々と住人は引っ越していく。『奈落のマイホーム』でも描かれた、高層階から荷物を運び出すリフトの風景が繰り返し映し出される。

そんな人間たちの都合で、猫たちもここを去らねばならない。しかしそれを人間が説明したとて、話が通じる訳がない。住人たちにかわいがられ、まるまるとして毛ヅヤもいい猫たちは、自分たちをおいて退去していく住人、解体されていくアパートをまんまるの瞳で見ている。彼らの瞳が恐怖に覆われないよう、『遁村団地猫幸せ移住計画クラブ(遁村猫の会)』のメンバーは奔走する。

助ける前に死んでしまった猫もいる。移動させても元の場所に戻ってしまう猫もいる。猫を追い出す人間の身勝手さに歯噛みしつつも、メンバーのひとりが口にした「猫を愛することは人間を憎むことではない、人間を憎むひとは動物愛護には向いていない」という言葉にハッとする。

映画から興味を持ち、その歴史や文化についてあれこれ調べていたとき、韓国で猫はあまり好まれていないというコラムを読んだ。ペットは犬が多く、猫は魔女の使いと敬遠される風潮があったという。時代は変わり、猫を飼う人も増え、野良猫が地域猫として幸せに生きていけるよう、環境づくりも進められている。

猫の安全のためには一生外に出さない室内飼いがいちばん。それが猫から野性を奪い、外で生きられないようにした人間の責任。その考えに頷きつつも、鳥を追って木に登り、陽の光を浴びて悠々と地面に寝転ぶ猫の姿には胸がすく思いも抱く。室内で安全に、それは自然を知らせないまま一生を終えさせること。外で自由に、それは人間用に構築された危険な社会に晒すこと。どちらも人間の都合でしかなく、猫に選択肢はない。

ではせめて、外で暮らす彼らが安全に生きていけるような社会を人間は目指さなければならない。それは「人間を憎む」ことから遠ざかることでもあるのだ。

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・[SIWFF2022] 고양이들의 아파트 - Cats' Apartment Trailer(本国版予告編)

・『猫たちのアパートメント』日本版予告編

予告編の違いが興味深い。廃墟になりつつある場所にいる猫たちを捉える本国版、ひととの繋がりを見つめる日本版

・しかし驚いたのが、「優しいエレクトロの音楽いいなあ、誰だろう」とチェックしたら『哭声』の音楽もやってたチャン・ヨンギュだったこと。振り幅広過ぎるだろうが!



2022年12月23日(金) ■
TOKYO No.1 SOUL SET『ONE PLUS ONE vol.1』

TOKYO No.1 SOUL SET『ONE PLUS ONE vol.1』@CLUB Que


いつにも増してトシミくんの様子が変だったからなんだか心配。元気でいて〜!

「みんな今年はたいへんだったねえ」。

いやさ…こんなに弱音を吐くトシミくん見るの久々だったので……なんなら初めてかも知れない、ここ迄のは。震災のときも、しっかりしていたのに。だってさ「ソウルセットを諦めようと思ったときもあったんだけど」なんていいだすし。声の出し方もなんだか強引で、いきなりBIKKEに唄えと振るし、体調面でも何かあったのかな。とハラハラしてしまった。長年ずーっと観ているとこういうこともあるわね。ヒロシくんの笑顔が多く、ときには自分から話を拡げたりもするもんだから、珍しい! と思いつつも、「え、ヒロシくんがそんなことする程トシミくん危ういの?」なんて思ってしまい、違う意味で緊張感があった。

でも、ここ数年の活動を見ていて意外ではあったのです。バンドらしさとは程遠いと思われていた彼らが、個々の活動は進めつつも、ソウルセットを維持しようと積極的に自分たちで動いている。SNSやラジオを駆使し、展示会やライヴを企画し地方に持っていく。ここら辺はヒロシくんがDJとして各地のハコと築いた信頼関係があると思う。ライヴ会場を見ても、新しいリスナーが増えている実感はあります。

あと変な話だけど、当サイト(日記)のアクセス解析。ここ1〜2年でソウルセットのことを書いているページへのアクセスがすごく増えてるんですよね。地方での活動がきっかけで、最近ソウルセットを知ったひとも多いようです。

ライヴを観乍らそんなことを考えつつ、トシミくんの「ROCK IN JAPANに出たとき、俺たちここにいていいのかななんて思ってて」という発言に遠い目になったりもしたのでした。いきなり思い出話をしますけど、1995年に平間至の『MOTOR DRIVE』展がパルコギャラリーで開催された際、当時Rockin' on JAPANのADを務めていた中島英樹とJAPAN編集長だった山崎洋一郎のトークイヴェントがあったんです。そのとき「デビュー前のソウルセットの記事を載せたらすごい反響だった」という山崎氏の発言があった。これはハッキリ憶えてる。

小山田圭吾の一件や、小沢健二が発言していない言葉をあたかも自分が喋ったかのように表紙に使われたのもこの時代だけど、ソウルセットについて誇張はなかったのだろうと思う。山崎氏によるヒロシくんのインタヴュー記事は、今でも掲載号を捨てられない程いい記事だった。もうこんなインタヴューはとれないだろう。山崎氏はもうこんな記事は書けないだろうし、ヒロシくんも喋らないだろう。

時代は変わり、ロッキング・オンはフェス事業を始め、その出演者や誌面に登場するアーティストも変化していった。ソウルセットとも離れていった。今年中島さんが亡くなったとき、RO社はお悔やみのコメントすら出さなかった。晩年の中島さんは問題を抱えていたけど、それにしたって共に一時代を築いたともいえるディレクターに一言もないとは。ひとは変わるし組織も変わる。あの雑誌を手にとることもなくなってもう随分経つが、私も変わったのだろう。

そんな時代の騒々しさを横目に、友人をだいじにし、地道に、そして確実に活動を続けているソウルセットのことはこれからもずっと観ていきたいなあとしみじみ思ったのでした。ライヴの内容殆ど書いてないけど、まあそんなときもある。メモとしては、三人セットでゲストなし、タイトでパワフルなLOW IQ 01&THE RHYTHM MAKERSのあとだったので、音響が落ち着かない感じがしました。でもそれはこちらの耳がやられていたのかもしれない。内容はいつも最高。

それにしてもBIKKEが“唄った”ときのどよめきよ…てかあれはどよめくわね……。そういう意味では盛り上がったし、BIKKEの「こういうときは、誰かが(トシミくんに)強くいってやらないとね!」ってフォローにはなんだかジーンときてしまった。

ちなみにいっちゃんは十代の頃からの友達とのこと。一緒に呑んだり遊んだりしてるけど共演は初めてかな、いっちゃんソウルセットのライヴ観るの初めてじゃない? とトシミくんはいっていたが、『LONDON NITE X'mas Special 2008』にどっちも出てるよ! 観てないのか! ちなみにこのときはLOW IQ 01 & MASTER LOWで、今回はLOW IQ 01&THE RHYTHM MAKERS。年末進行のバタバタのまま会場へ足を運び、対バン相手を当日知る有様だったんですが、いやー格好よかった。テレキャスをガッチャガチャ弾きまくるギターがドーパンのスターに似てるなあと思ってたら本人だった。いっちゃんのベースは時折音が出なくなっていたが、それに気づかず弾きまくっているとこがまた格好よかった。クリアな声、歪んだベース。BECKのドラムはタイトでパワフル、そして正確。いやーよかった。元気出た。

いっちゃんのファンの方たちはソウルセットどう思っただろう。不安定な挙動だけど音楽は素晴らしいおじちゃんたちの魅力に気づいてもらえたらうれしいです(…)。

よいお年を。来年も会いましょう。

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おまけ。今年の個々の活動といえば、これが衝撃的でしたね……。昨年『きょうの料理』にハマケンが出たとき、アドバイザーとしてVTR出演したことにも驚いたが、その際公式ページに講師として登録されてたんですよ。なので、いつか出るんじゃないかなと思っていたが……また出て欲しい〜!

・かつおのにんにくじょうゆづけフライ レシピ 渡辺俊美さん┃【みんなのきょうの料理】おいしいレシピや献立を探そう
レシピはこちら。今もお子さんたちのお弁当はつくり続けているそうですね



2022年12月16日(金) ■
『菊地成孔 3DAYS』菊地成孔クインテット

『菊地成孔 3DAYS』菊地成孔クインテット@Shinjuku PIT INN


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菊地成孔:vo, ss
林正樹:pf
宮嶋洋輔:g
小西佑果:cb
秋元修:drs
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歯のこともあってsaxは全編ソプラノ。歌モノは「G.o.a.P.(急いでピクニックへ行こう)」もまたやったのでこれもリリースされるかな。いやあ、よかった……。毎回書いているが、箱舟ピットインの核心は聴き手の心のなかにだけある。しかし書いておかないと忘れる。という自分のエゴの為によるメモです。ちょっとだけね、ちょっとだけ。

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・出てくるなり「急なことで申し訳ないんですが……」。ドキリとする。最近開場して、全員着席後ステージに関係者が出てきて「PCR検査の結果を受け…今日の公演は中止に……」という事例を結構聞いていたもので
・えっ、何ごと!? と身を乗り出すと「実は今日の公演、ライヴレコーディングです」。驚きと安堵の笑いがあちこちから

・このメンバーによるクインテットも1年以上。ジャズの名曲から発掘曲迄さまざまなカヴァーが聴けることも魅力です。聴く度にこの5人ならではのエキサイティングかつエレガントな音が生まれているのが感じられ、もっと頻繁に聴きたいなあなんて思っていたところ。この辺りで音源残しとこう、ということになったのかな。うれしい、うれしい
・歌はめちゃめちゃ今調子いい(と思う)のでそれが残るのもうれしい!
・ドクターストップがかかったとのことで(先月ほんとヒヤヒヤしたもの)テナーは禁止。マウスピースがデカいからね。今はソプラノのみ演奏が許されているということで、ある意味貴重なセットでもありました
・で、ソプラノだからという訳ではないと思うけど、いやそこからのアイディアなのかもしれないけど、ソプラノつったらウェザーリポートでのウェイン・ショーター。その辺りの話もしつつ、ライヴレコーディングの面白話も沢山聴けました
・『8:30』はあとから拍手を足してますって話ウケる。原盤との聞き比べしてみたい(笑)
・まあ、あるよね…現場ではピッチズレまくりだったのにリリースされたら補正されてたりね……。そういうことはしません宣言。拍手と歓声は30倍くらいにするかもしれない。ピットインとは思えないような音量の。だって(笑)

・1st setはインスト、2nd setは歌モノ。2ndは配信あり。カヴァーもオリジナルもあり。これ、残るんだ! 日常で聴けるようになるんだ! とうれしくなる。早くもリリースが待ち遠しい
・いやー、それにしても貴重だった。ライヴをレコーディングというよりレコーディングをライヴで観られるという貴重さね。ニュアンスの違い、わかって
・「ちょっと速かったね」とか「どっちのテイクがいい? どの曲をやり直したい?」「ここはソロで行ってください」「……そうねー! やっぱこっちだね!」という会話迄聞けてしまう。箱舟ならぬ密室での様子を見せてくれるなんて
・合議制を重んじる集団ということで皆の意見を聞きます。最終的には多数決で採用テイクが決まります

・テンポや構成も急にその場で変更する。楽曲の勘所を探り乍ら通しで複数パターン演奏する。リハでもやっていることだと思うが、実際にその場にいる者──PAスタッフも観客も──の反応を読みとりつつ、現場の空気をも録ってる感じ
・拍手とか、喰い気味の「イェイ!」とかね(笑)
・しかし菊地さんの簡潔な指示を即理解反映する皆さんすごい。拍子、展開を数字と単語でぱぱっというのね。で、すぐ指パッチンでキューを出すんだけど、バチっと合うの。これが普通になってるのね。これぞ現場とゾクゾクする

・皆さんの表情がまた面白い。手応えがあった、というとき、静かにニヤ〜と笑うのです。それぞれの仕事を全うする気持ちのよさ
・静かにニヤ〜の筆頭は宮嶋さん。カッティングが柔らかくて、同時に鋭くて粋なこと
・「もう楽しくて仕方ないでしょう、リズムキープは小西さんに任せてめちゃくちゃ好きに叩いてるでしょう!」と昨年同様ツッコまれてた秋元さん、いやいやお見事でした。スティックとマレットで微弱音の色を使い分け、ゴーストノートもこのキャパならではの響き
・で、そのキープを任せられている小西さん。席の位置からあまり見えなかったのですが、音のブレなさがこれまた見事で存在感デカい
・そうそう小西さん、当初はラディカルな意志のスタイルズに入る予定だったんですって。Yuki Atoriさんがクインテットの方で。直前になって勘で変えたとのことです。興味深い

・菊地さんのソロを導入に、林さんが入っていく曲が何度か。林さんがタイミングを窺い乍ら何度も鍵盤に指を置き、離す。まだだ、まだだと3〜4回繰り返す。結果これ以上ないというタイミングでアンサンブルが始まる瞬間があり、これには鳥肌たった
・『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』でのデュオ演奏といい、菊地さんと林さんの演奏はリリースしてほしいものが沢山あるなあ
・すっかり売れっ子なので、彼のスケジュールをまず訊いてこちらのライヴが決まる。とりあいなの。という菊地さんの話を苦笑いで聞く林さん
・菊地さんの義姉(秀行さんの奥さまね)は「ナルちゃんの音楽は難しくて」とライヴに来てくれない。ある日家に行ったら林さんのCDがあった。義姉さん。僕、林さんと一緒にやってるんだけど。林さんのCDのライナー書いてるんだけど。義姉さん。義姉さん
・義姉さんはねえさんと読んでください
・この辺り名人芸の話術なのでテキストでニュアンスは伝わらない。せめて菊地さんの声色を思い浮かべ乍ら読んでください
・そんな義姉さんは、林さんを観たくてPTAのライヴには来るそうです(場内爆笑)

・で、皆売れっ子になってスケジュールが空かなくなるという話から「小西さんどうする、エスペランサ・スポルディングからバンド入ってって話来たら行っちゃう?」と訊かれた小西さん。ちいさい声で「それは…行きたいかも……」。「行っちゃうのかよー!」と菊地さん。ウケる
・うれしい悩みだわ……

・「色悪」はPTAのver.も好きだけど今回のもめちゃよかったなー。『機動戦士ガンダムサンダーボルト』ost、PTA、今回と既に3つのver.がありますが(もっとあるかな?)どれもそれぞれ魅力があります。これからもいろんな編成で聴きたい。音源が出れば尚うれしい!

・アンコールでマイクをセッティングに来た、ピットインのキクチさんに対する菊地さんの言動が胸に沁みた。そういうところ!

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これって、気持ちとしてはこういうことですよね。小林さんなんてやさしい子……!(微笑)それはともかく貴重な映像。
思えば小林さん『アフロ・ディズニー』読んでる発言あったし、菊地さんと共演する機会があればいいのになあという妄想は常日頃からしています。高橋徹也さんと再会してほしいなというのも同様



2022年12月10日(土) ■
小林建樹『冬のワンマン 〜UNERI〜』

小林建樹『冬のワンマン 〜UNERI〜』@Com.Cafe 音倉


「あ、満月! だから今日『満月』やったのかな?」と一瞬思ったのだった。よく見たら欠けていた。定番曲だし、いつ聴けてもいいものなのだが、この日の「満月」は格別だった。いや、全ての曲が特別なものだった。暖かい会場を出てキリリとした冷気に触れ、夜空を見上げて帰る。なんて幸せなことだろう。しかもそれが、小林さんのライヴの帰り道だなんて。こうしたひとりひとりのちいさな幸せが、世界の平和へ繋がっていけばいいのになんてこと迄考えた。

「今年は、それはもう、ひどいことが沢山起こったでしょう。シャレにならないくらい。でもね、10年くらい経ったらあのときはたいへんだったねといえるときが来ると思うんです」。開演前、客席から程近い楽屋から発声練習が聴こえた。この日の声は、いつにも増しておおらかに、そして力強く響いた。

4月と8月のライヴ配信に続き、YouTubeチャンネルでの音声番組『ムーンシャインキャッチャー“R”』スタート、そして8年ぶりの有観客ワンマンライヴ。今年の春以降、驚く程(! それはもう驚く程! 二回いう程驚いてるわ)小林さんが活動的だった背景には、こうした「ひどいこと」に対して自分が出来ることを、という使命感があったのだろう。本人が「使命」を意識しているかは判らないが、自分が出来ることはこれしかないという、音楽家としての勘が働いたのだと思う。不安を抱えるひとたちに、少しの時間だけでも、幾ばくかの安らぎを。音楽にはそれが出来る。そして、それを行動に移せる者は決して多くない。

スクエアプッシャーのライヴを観たときにも思ったが、SNSに現れないからといって、音沙汰がないからといって、何もしていないなんてことはないのだ。彼らは日々音楽に向き合っている。リスナーの想像が及ばない地道な作業──努力といってもいいだろう──を、毎日コツコツと続けている。今の自分の身体が、かつての自分がつくった音楽をどのように鳴らせるか探求している。

単純にキーを下げるというが、移調は結構な手間がかかる。ギターはまだカポをかますという手があるが、ピアノは過去の手癖……というか、長年馴染ませてきた運指で弾くことが出来なくなる。6年前のライヴで話していたように、「オートマチックに演奏出来るようになる」迄、所謂“名もなき家事”のような細かい手直しを、ステージに上がる直前迄繰り返しているのだ。

星座のアルバムをつくっていると話していた。12星座をルールに則って分類し、そこへコードやリズムを充てていくという。一般的に知られている星占いだけでなく、自分で決めたルールによる分類もあるところがこのひとらしいが(星占いの知識かなりある方ですもんね)、そうした分析や実験を夢中になってやっていれば、そりゃすぐに日が暮れるし、気付けば何ヶ月も、何年も経っているだろう。音楽にどっぷり浸かっているだけで幸せなのかもしれないこの音楽家は、それでもステージに立つことにした。それは多分、人前でただ演奏したいという自分のエゴだけではない筈だ。

前半ギター、15分の休憩を挟んで後半ピアノの弾き語り。ステージにはアコギが2本用意されていたが、実際に使ったのはいつものグレッチのみ。一気呵成に演奏するので、集中力を切らさないため持ち替えないようにしているのかもしれない。ギターのときとピアノのときとで、ヴォーカルマイクのセッティングが違っていたようにも思う。ギターの弾き語りではキレのよいソリッドな返し、ピアノの弾き語りではエコーが若干強めで余韻の残る鳴り。

目を見開いて唄っている。珍しい。いつにも増して表情豊か。途中、顔がくしゃりと歪む瞬間があった。額の汗が目に入ったように見えたが、感極まって泣いているようにも見えた。あれは涙だったのだろうか。フロアを眺める、舞台袖へ何度も視線を送る。フロアはともかく、舞台袖に何が? と思っていたが、最後の挨拶で気がついた。あれはカメラを見ていたのだ。画面の向こうで配信を観ているひとたちへ笑顔を届ける。

うれしかったのは(まあどの曲もうれしいんだが)「Holy Night」をやったこと。以前ファンクラブの特典CDに収録されていた曲だ。歌に入った瞬間あちこちから息を呑むような声があがっていた。クリスマス前に粋なプレゼント。

とりとめのないいつものMC。ひとと会わない話。箱買いしたリンゴをひたすら食べ続けていたら口内炎が緩和した話(しかし薬を飲み続ける程痛い口内炎がずっと出来てるってどんだけ)。笑い声が何度も起こる。有観客ライヴでしか起こりえないやりとり。しかしそこかしこにハッとする言葉が潜んでいる。6年待ってる間に死んでしまうかもしれないじゃないかと怒られた。人間の土台はそのひとの過去でつくられると思っていたが、そうではないと気がついた。未来によってつくられる。未来に楽しみなことがあると、それだけで気分が明るくなる。そういうことでひとは変わっていく。そして今ここ。この瞬間の積み重ねで土台がつくられていく。「イチゴ」の話をする。一期一会。

次回のライヴ告知があったことも驚きだった。しかもそれが来月、高橋徹也さんとのツーマン! あちこちから悲鳴にも似たどよめきが起こる。6年前、『1972』以来のツーマンじゃないか。同い歳、同じ1月生まれ。そしてふたりとも左利き。この6年の間、あちこちで「また共演してほしい」という声を聞いた(というかSNSで見た)し、私もまたいつか実現すればいいなあと思っていた。簡単にそうならないことは分かっていた。その原因は主に小林さんだということも(笑)。

そんなこちらのやきもきした気持ちを知ってか知らずか、ふたりが連絡を取り合い、企画を練っていたと思うと胸が熱くなる。ダブルアンコールの前に「高橋さんとのライヴ、今曲順考えてて」とポツリ。「ひとと会わない」小林さんは、未来のために、今を積み重ねるために、ひとと会い音楽を届けようとしているのだ。

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setlist(☆ワンマンライブ感想と演目☆┃風の発光体 diary参照)

Guitar:
01. 素晴らしい日々(『リバース 〜Private Covers〜』)
02. コスモス(『Music Man』)
03. 約束(『Window』)
04. Mystery(『Mystery』)
05. Sweet Rendez-Vous(『曖昧な引力』)
06. 絵になる大人(『曖昧な引力』)
07. ピカレスク(『Music Man』)
08. カナリヤ(『Nagreboshi Tracks』)
09. ジョニークローム(『SPooN』)
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Piano:
10. Replay(『Blue Notes』)
11. イチゴ(『Rope』)
12. 満月(『曖昧な引力』)
13. ヘキサムーン(『Music Man』)
14. 祈り(『Rare』)
15. Holy Night(『Holy Night』)
16. 歳ヲとること(『曖昧な引力』)
encore 1
17. 目覚め(『Music Man』)
encore 2
18. String(『曖昧な引力』)

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「世界が激動している、うねっているということから今日のライヴのタイトルに『UNERI』ってつけたんです。『鳴門海峡』でもよかったんですけどね(笑)」というMCがあったのでした。「徳島に行ったの、おみやげ〜」とこのお菓子出されたときマジで変な声出たし笑ったわ……おいしかったです

・外が寒かったためか、会場のドリンク交換は暖かいゆず茶が大人気。「ゆず茶お願いしまーす」「もう一つ、いや二つ、ゆず茶大人気です!」。和むオーダーを飛ばすスタッフさんに、あちこちから笑い声。配信があるのは勿論うれしいし有難いけど、こうした記憶も“ライヴ”なんだよなあと改めて実感

・2023年最初のライブはツーマンです。┃風の発光体 diary
来月のおしらせ。「なぜか文豪がエレキギターを持って唄っている。しかし文豪なので少し俗物から浮いた言葉を使う。」!!! 何この斬れ味。最高か

・2023年、新年最初のライブが決定┃夕暮れ 坂道 島国 惑星地球
対して高橋さん、「勝手なイメージですが小林さんには妙な親近感も持っているので共演を楽しみにしています。」6年(年明けてからだから7年?)ぶりの共演、楽しみです!

・てか告知含め制作面で高橋さんがついてると助かるというか安心というか…かつて高橋さんにおける山田稔明さんがそうだったような気もする……そもそも小林さんと高橋さんが共演をきっかけにうっすら交流を始めたのって、山田さんを交えての[monologue]がきっかけでしたね(来年で10年!)。山田さんと鹿島達也さんにはホント頭上がりませんわ



2022年12月07日(水) ■
LOUIS COLE BIG BAND JAPAN TOUR 2022

LOUIS COLE BIG BAND JAPAN TOUR 2022@Spotify O-EAST


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Louis Cole(Drums, Vo)
Chris Fishman(Keys)
Petter Olofsson(B)
Genevieve Artadi(Backing Vo)
Isis Giraldo(Backing Vo)
Fuensanta Mendez(Backing Vo)
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Masanobu Otagaki(Tb)
Melraw(As)
Satoru Takeshima(Fl, Picc)
Tomoaki Baba(Ts)
Yusuke Sase(Tp)
Yu Kuga(Bs)
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ホーンを現地のプレイヤーで編成しようって考えついたひと天才(ていうか直接松下さんに話をつけたそうだし、ルイス本人のアイディアか?)。ルイスと日本のミュージシャンたちとの、長年の信頼関係があってこそですね。ガチンコでした。ホーン6本にジェネヴィーヴたち女声ヴォーカル/コーラス3人がいたことで、過去の日本でのライヴとは(それらのどれも素晴らしかったけど)段違いのスケールでハーモニーが聴けたことが感動的だった。あれは頭数揃ってこそ。YouTubeでアホほど聴いてた銀行口座の歌がビッグバンド編成で、日本で聴けるなんてよおおお。

という訳で松下マサナオ人選によるホーンズを見せつけるにはもってこいの「F It Up」でスタート。しょっぱなからフロアは爆発! ……となった直後、クリスのKeyから音が出ないというトラブル。しかしそこで、ルイスと観客の間に「大丈夫、盛り上げる/盛り上がるよ!」みたいな意思疎通があったのにもジーンとした。「仕切りなおすよ!」とルイスとフロアが一緒になってカウントを取り、あっという間に軌道修正。お見事! こういう咄嗟の茶目っ気は流石です。

ルイスが導入のループを作り、そのあと移動してドラムを演奏する曲も多いので、彼のKeyやMacBookを複数のプレイヤーが入れ替わり立ち替わり担当しているところも面白かった。ジェネがPCの音停めるとこで間に合わなくて、ビートが残っちゃった場面もかわいかったな。ジェネがわーんごめん! みたいになって、ルイスが大丈夫大丈夫って感じでハイタッチして。ルイスのドラムは勿論すごいんだけど(重い! デカい! ジャスト!)鍵盤も相当弾けるんだよね……あのシンベ! あのコード使い! それがクリスのエレピと絡むってのがもうすごくて。それにしてもクリス、先月も思ったけど演奏スタイルが棋士みたいな佇まいでズバズバコードをキメる。すごかった。ベースのPETTERは初見だったけどバッチバチのゴリゴリだった(語彙)。ビートの粒立ちが強い! ルイスのベースといえばサム・ウィルクスのイメージが強かったので、立奏だったのも新鮮(笑)。

前回の来日公演は完全なひとり舞台で、彼のマルチプレイヤーっぷりを堪能出来た。今回は他のプレイヤーとのケミストリーを存分に楽しめた。揃いも揃ってアホうまい、楽しい、そしておかしい。そう、おかしい。どっか変。ルイス以外全員スケルトンスーツ(おなじみ)、ヘンな踊り(わざわざTシャツを出してくる)、小道具使い(ジェネたちカウベルがわりに酒瓶叩いてたよね)、スッとぼけたMC(「チェキ撮る」つって「あれ? 撮れない」、後になって「こんなん撮れてた」と最前のひとにあげる。「新譜聴いてくれた?」て訊いといて「それとは関係ない曲をやります」。「日本大好き。お尻が綺麗になる(ウォシュレットのことか!)」。ウケる)。皆出ずっぱり、歌がないときのコーラス隊はフロアに座ったりゴロゴロ寝っ転がっている。最初「後ろのプレイヤーをフロアから見せやすくするためかな?」と思ったけど、どうやらそれだけではなく、演出の一環だったようにも思う。このステージは最初から最後迄、誰が欠けても成り立たない。

後述のセットリストにソロオーダーが書かれているけど、「F It Up」からしてもう全員にソロまわしたし、メンバー紹介かねてソロまわしたりもしたし、「最後の曲です」「ノー!」「実際はあと3曲ある。アンコールがあれば」って笑わせといて、それでもおさまらないフロアに呼ばれてのダブルアンコールは完全に想定外、「このメンバーでやれる曲がもうないんで」ともう一回(しかし高速)「Thinking」。冒頭ルイスがチャルメラのメロディー演奏してウケたんだけど(これ前回来日でもやったよね)、それを皆が忘れた頃、「My Buick」のピッコロソロで武嶋さんがそのチャルメラをブッ込んできてめちゃめちゃ盛り上がった。音源ではサム・ゲンデルが演奏している「Bitches」のソロを、メルローくんが“THE 俺”仕様で吹きまくったのも激アツ。毎日のように現場でセッションしてるメンツが揃うと、倍々ゲームで相乗効果が生まれる。土曜日にルイスたちが日本に着いて、月曜日から本番。リハはどのくらいやったんだろう。自主練はしてただろうし、このメンツなら初見でもいけるだろうけど、それにしたってこの完成度。素晴らしいに尽きる。

日本での彼をとりまく環境は激変したと思う。ここ迄人気が出たら、もうシークレットや突発での追加公演は無理かもしれない。制限も増えるかもしれない。でも、ルイスは松下さんに声をかけた。皆の演奏を笑顔で眺め乍らドラムを叩き、PETTERと肩をたたきあい、クリスと肩を組んで帰っていく。彼を縛るものが何もありませんように、と祈る。

ギークで閉じた佇まいは変わらない。歌詞もメランコリーで内省的。それでも彼はこの日、フロアへの敬意と愛を率直に声にしてくれた。“I Love You”、なんてまっすぐな告白。大歓声とともにそのままお返しするわ、I LOVE, WE LOVE LOUIS COLE!!!!!!!!!!

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セットリスト(setlist.fmより。ソロオーダーはこちらの画像を参照しました。有難うございます)
01. F It Up
02. Thinking (Ts)
03. Quality Over Opinion // Bitches (As)
04. After the Load Is Blown (Tp)
05. Bank Account // Doing the Things (Tb)
06. Last Time You Went Away
07. Failing in a Cool Way (Bs)
08. Night
09. My Buick (Fl, Keys)
(Possibly LC Solo thing)
10. Let It Happen
11. Park Your Car On My Face
encore
12. Message (Keys)
13. Freaky Times (As)
14. When You're Ugly (Start form “everyone”, everyone solo to end)
encore 2
15. Thinking
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「Quality Over Opinion」のイントロ流れてきたとき「あれやるの?」てフロアがどよめいたよね……カンペ見ながら読みきりました(笑)。


有難う有難う

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・フロントアクトはジェネ、Isis、Fuensantaのトリオ。ドラゴンボールみたいな衣装で現れ、満杯のフロアを見渡して「wow!」。かわいい。IsisとFuensantaの演奏する(あれminiKORGだったかな?)チープでチャーミングなバックトラックに載せて、美しいハーモニーを聴かせてくれました。「I Know」すごくよかった……泣いちゃった。『Dizzy Strange Summer』からのナンバーもライヴで聴けてうれしかった。天井の高いEASTに映えるリリックビデオも。渋谷や月見ルで撮った映像も流れました。にっこり

・ルイス・コールが明かす、超人ミュージシャンが「理想のサウンド」を生み出すための闘い┃Rolling Stone Japan
「自分を特別な世界に引き込んでくれるのはハーモニーだ。特定のコード進行や単体のコード、あるいはハーモニーでもいいんだけど、それでしか伝えられない入り組んだ深い感情があると思っている。真っ直ぐでわかりやすいものじゃない、もやもやした感情。強く感じるのに、それがどんな感情か自分でもわからない。そういう感情を表現するのが好きなんだ。複雑にいろいろ入り組んでいて、細かいニュアンスやディテールが詰まっている表現をね。」
歌詞について、音楽のルーツについて、演奏スタイルとその録音法。そして、努力をするということ。このインタヴューすごいよかった。柳樂光隆さん×小熊俊哉さんのいい仕事!

・おまけ。タカハシコーキさんのツイートでわかったけど、ルイスのステージの最初にタイトなスーツを着たモデルみたいな長身のひとが出てきてPCからSE鳴らしたのね。だ、誰? となったけど、今思うとあれがAllizだったんだ。instaのアカウントとやっと結びついたわ

(20221209追記)
・BEATINK.COM / LOUIS COLE / 飄々とした佇まいに、笑いも含めた最高のグルーヴ! 超絶テクと歓喜と快楽に満ちた、東京公演のライブレポートを公開!
「超人、バカテクと形容されがちではあるが、流麗なコード進行とハーモニーに彼の真価をみた『Quality Over Opinion』のスピリットが受け継がれたパフォーマンスだった。これだけ技巧派のメンバーを集めながらも、テクニックのひけらかしではなく、明快で踊れるポップさをもってプレゼンテーションしていくこと。つまり、楽しさを提供するためにはどうするか、極めて冷静に考えられているということなのだろう。」
「飄々とした佇まいに、笑いも含めたグルーヴの的確さを心得ている。公演中も笑い声が耐えなかったし、終演後も会場を後にする人々が口々に『楽しかった!』と笑顔を浮かべている。歓喜と快楽に満ちたステージだった。」
駒井憲嗣さんによるレポート。写真もいい! 真顔でおかしな挙動ばっかしてるのに演奏中には鎧が脱げるというか、ポロッといい笑顔が零れるのよね



2022年12月03日(土) ■
mouse on the keys “The Dawn”

mouse on the keys “The Dawn”@ひらしん平塚文化芸術ホール 大ホール


初めてフジに出たときを思い出す、呼べるひとを全員呼んだ総力戦の様相。エンピツのサーバが長期間落ちてるときで、長文感想を書きそびれたのでツイートしか記録が残ってない……このときの詳細はFUJIROCK EXPRESSのレポートをどうぞ。しかしこれ、あんまり詳しくないひとが書いたみたいでネモジュンが誰かわかってないし、トビタさんをトミタて書いてる。フェスレポートあるある。

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川��昭(drs)、新留大介(key)、白枝匠充(pf、key)
稲泉りん(vo)、小林宏衣(vo)、佐々木大輔(tp、fl、cho)、飛田雅弘(g)本澤賢士(sax)根本潤(sax)
rokapenis(VJ)、Hello1103(VJ)
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という訳でネモジュンとケンジーくんが一緒に出てるのなんて初めて観た。一曲目が新曲だったので「ひょっとして全部新曲だったりして…」と思ったが、その後はmotkの歴史を網羅するようなベスト選曲だった。

2020年初頭の『MOUSE 2 MOUSE』以来、三年ぶりのライヴ。「今年(子年)僕たち仕事なかったらどうなるんだって話でしょ!」「子年のうちにもう一度やりたいね、年末とか」なんていってたんだよね……。遠い昔のことのよう。コロナ禍に翻弄され、こんなに動けなくなるとは。

ライヴ活動が出来なくなり、数々のプランが雲散霧消した。そして清田さんが脱退。長い沈黙期間を経て、というかその間川��さんも紆余曲折あり(追ってたひとは皆ヒヤヒヤしてたと思う)、この日のライヴが発表されたのは今年の3月下旬。その後チケット情報よりも先に活動再開記念グッズの発表があったり、YouTubeチャンネルで川��さんの精神分析等を始めたりと、動いてはいるが新メンバーについてなかなか発表されない。正直「実はいないんじゃ…川��さんがまたkeyと兼任するんじゃ……」くらいは思った。10月末になってようやく白枝さんが加入と発表され(しかも顔が殆ど見えない映像。なんでそんなに焦らすか)、「実在した!」と胸をなでおろす始末。白枝さんは川��さんと一緒にハネダアカリさんのサポートをやっていた方。意外と近くにいた。

ホール公演というのは予想外だった。資金繰りたいへんみたいだなあという様子も見せていたので(…)、本音をいうと「ほんとにやれるのか?」という思いはずっとあった。近くなったらなったで「ここで誰かコロナ感染者が出たら……」と最悪な事態も覚悟していた。生ぬるい暖かさが続いていた晩秋からグッと気温が下がり、ようやく冬を迎えた感じの当日、半信半疑のまま遠足気分で平塚へ。駅から見える、山に囲まれた風景に気持ちが澄み渡る。こりゃもう「なんとかなれーッ!」(ちいかわ)だな。ホール前の芝生では家族連れが遊び、外から見える多目的ホールではフラダンスの公演をやっている。これから観るライヴとなかなか結びつかない。そもそも着席でmotkのライヴを観るなんて、初めてではないか。

入りは半分くらい。500は入っていたらしい。後ろに来た家族づれが「こんなに規制があるところでマウスを観るなんて初めてだ」といっている。ロビーではクラフトビールが販売(ここら辺も、友人が応援に来たぜ! て感じでジーン)されていたが、当然客席には持ち込めない。「寒いのに急いで呑んじゃった」「途中でトイレ行きたくなったらどうしよう」なんて話している。その反面、地元の催しに来てみたよ的なお客もいて、私の隣は先月のPTA同様motkを初めて観るらしき老夫婦だった。学割で来たらしき若者もいた。ロビーではバンドの友人ぽいひとたちがスーツ姿でテキパキと働いていて、ホール付きのスタッフとのギャップがすごい(笑)。今迄にないかしこまった雰囲気に、こちらも緊張する。

その緊張感のまま開演。いきなりエレクトリックアンビエントな新曲2曲。2020年の秋に一度だけライヴをやった、川��さん×柏倉隆史×中村圭作のT U K U Rも想起させるミニマルな楽曲。サウンド面では新留さんのカラーが強く感じられる。先述の通り「全部新曲だったり……?」と身構えたが、「Ourboros」が始まりホッとする。導入を若干変えた「Completed Nihilism」〜「Spectres De Mouse」でギアチェンジ、ここからは“ザ・motk”なステージングだった。モノクロームで構成された建築物と自然物を背景に、猛々しくも美しい世界が繰り広げられる。飛田さんのフィードバックノイズが美しい「Reflexion」、小林さんと佐々木さんでハーモニーを聴かせる「Pulse」、感動的なクライマックス「Circle」。アンコールでは稲泉さんが圧巻のヴォーカル聴かせる「Stars Down」とホーンが3本の「Toccatina」。観たかった、聴きたかったmotkだ。

バンドにも緊張があったか、ピアノの滑りやドラムの空振りがときどきあった。普段のスタンディングのステージならパンク的な勢いとして流せるところだが、こういう場だとやはり「あっ」と思ってしまう。白枝さんのタッチはとても柔らかい。機材の違いか、音色も丸みを帯びている。楽曲のエッジが研磨され、その輝きをこれ迄とは違う角度から見せてくれる。聴く方には少し戸惑いがあった。立ち上がり踊ることは出来ない。しかし静まり返った客席で聴き入ることで、改めて楽曲の魅力に気づかされる。青春の終わりを思う。バンドは大人になった。

そんな感傷を打ち砕いたのはネモジュンのソロ。ステージ上をのそのそと歩きまわり、あの(!)そっくり返った姿勢で歪んだ音を吹きまくる。楽器からは音色だけでなく、唸り声がそのまま漏れてくる。客席から笑いが起こる。私の後ろにいたこどもたちが歓声をあげる。若干の居心地の悪さを、彼は吹き飛ばしてくれた。

微弱音から爆音迄バランスよく鳴らせる音響(あのドラムにピアノが埋もれなかった)、ストレスなくVJを投写出来るだけのホリゾント。バンドの理想形はこの規模の環境でないと実現出来なかったということか。恐らくこれを実現するため、資金面と折り合いのつく会場を探し当てたのではないか。motkの世界観が存分に発揮されたステージだった。本当に絵になる。カメラマンがあちこち動きまわり、ステージ写真を撮影している。

「来年はバリバリ活動します!」。この日のライヴのタイトル通り、バンドの新しい夜明けとなるか。聴きたい曲が聴け、観たい光景が観られた。過去の楽曲は再現出来ている。新曲もよかった。しかし、率直なことをいうと、彼らがどこへ向かっているのかは判らなかった。こうしたホールでのライヴを中心にポストクラシカルな方向へ行くのか、ライヴハウスでアグレッシヴな活動を続けるか。観た限りでは、今のバンドのカラーにフィットしているのは前者だった。まあ、そんなことはいちリスナーがあれこれ思い悩むことではないのだろう。とにもかくにも、おかえりなさい。

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set list(こちらを参照させて頂きました、有難うございます)

01. The Dawn
02. The Dusk
03. Ourboros
04. Completed Nihilism
05. Spectres De Mouse
06. Seiren
07. 最後の晩餐
08. Reflexion
09. The Arctic Fox
10. Pulse
11. Soil
12. (sax solo〜)Leviathan
13. Circle
encore
14. Stars Down
15. Toccatina

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沢山のひとに聴いて、観てほしいですね


こういうの見るとホッとするね。そうそう、ライヴ前いつもこうやってた