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2024年07月31日(水) ■
結成20周年記念『ダンスフロアのペペ・トルメント・アスカラール』

SHINJUKU BLAZE LIVE SERIES 結成20周年記念『ダンスフロアのペペ・トルメント・アスカラール』@新宿BLAZE


今夜は格別だった。演奏もセトリもフロアも。菊地成孔にはいつも地獄の歩き方を教えてもらう。

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菊地成孔(sax/vo/cond)・大儀見元(perc)・田中倫明(perc)・林正樹(pf)・鳥越啓介(cb)・早川純(bn)・堀米綾(hp)・牛山玲名(1st vln)・田島華乃(2nd vln)・舘泉礼一(vla)・関口将史(vc)
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スタンディングのぺぺは10年ぶりとのこと。個人的にはLIQUIDROOM ebisuの『1000年後の南米のエリザベス・テイラー』以来、14年ぶりです。これが5周年記念で2010年。10周年記念『歴史は夜作られる』は2015年だったので、なんか1年早まってますね。秋にはリリパもあるし、一連のシリーズとして来年迄続くのかな。ところでなんで私15周年観てないんだっけと思ったらあれだ、コロナ禍で仕事のスケジュールがぐっちゃぐちゃになってて帰れなかったんだ。しかもサントリーホール…痛恨……(泣)。

今のメンバーになったのは確か2017年から(『戦前と戦後+』辺り)なので、スタンディングでのワンマンはストリングセクションの4人にとっては初めてだったと思われる。新宿BLAZE最後の公演に、ペペ・トルメント・アスカラールが初めて出演する。閉館するライヴハウスへのはなむけに、葬送と祝祭を奏でるこの楽団は申し分ない。そう、ぺぺは初めてだったんですよBLAZEに出るの。最終日に初出演!? と思ったんですが、菊地さんには縁のある場所なので納得。ここ、『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』の舞台となったホテルケントが入っていたビルでもあるのです。おお〜調べてみたら発刊したの丁度20年前じゃないの。こうして街は変わっていくのね。

今の酷い世界で生き抜く術としての音楽を、ダンスを、リバウンドを起こさないように緩やかに。という諸注意(じゃないな……なんだろ、提案? お誘い?)、自慢のメンバーをひとりずつ紹介、そして「真ん中にチームタイム1曲、あとはブードゥーからビバップまで。一気にブッ飛ばします」という前口上から開演。その時点でもう胸が熱くなってたんだが、果たして始まった演奏は、こちらの想像を遥か上回る旅になった。

「闘争のエチカ」の切迫、「京マチ子の夜」で優雅を、「Caravaggio」で官能を。鳥越さんのベースが鋭く揺れ、笑顔で林さんが応える。「Killing Time」では牛山さんがスタンディングでソロを弾き、「牛山ー!」なんて声も飛ぶ。牛山さんこんな現場初めてでは? とハラハラしたが、当人はにっこりと微笑んだまま、エレガントかつ獰猛なトレモロとボウイングを次々と繰り出す。「暗くなるまで待って」がチークタイム。「どんな人生にも、チークタイムは存在する」といったのは15年前のグローブ座。その時間が再び訪れた。アニメの話題から「Thundercatに有難う」(サブスクのプレイリストに入れてたんだって)と「嵐が丘」、そして「色悪」。久しぶりにやるんで出来るかなと「儀式」(!)、そして早川さんの導入ソロに涙した「ルペ・ベレスの葬儀」。なんて痛切、なんて甘やか。オールドスクーラーの偉人ふたりが叩き出すリズムにクラーベとカウベルが重なる。起点が移動していく、フロアが沸騰する。

音楽への敬意と情熱。ダンス、歓声、慟哭。寂しく幸せな2時間半。天国と地獄だ。

フロアのことがよく見えている。楽曲を提供している新音楽工房の面々を見つけ出し声をかけ、後方にいる客に「(バーカウンターとフロア間のドアが開いていたので)冷蔵庫のとこ迄ひとがいる。もっと前に入っておいでよ」と呼びかける。「今日で最後なんで解体したいひとは解体しちゃってください。ドア外しちゃったりね。解体得意なひといるでしょ? あの緑のやつ(非常口誘導灯)とか外しちゃって」「いつもめちゃくちゃなこといってると思われてるけどリスクを背負った上でいってるんですよ! 怒られるの覚悟なんだから!」。唄い、奏で、踊り、喋り倒す菊地さんと、緊張と弛緩を行き来する楽団。

大歓声と拍手に迎えられ、アンコールは再び自慢のメンバー紹介。桃太郎状態が続いています(5月のプレイハウス参照)。PAスタッフも紹介、3日前のフジロック、音良かったでしょ? PA連れて行ったの! とにっこり。いやホント、出先でなんとか配信半分だけ観られましたが(アーカイヴ観たいよー! 泣)めちゃ音よかった。フロアが水を打ったように静まり返った「Woman “Wの悲劇”より」そしてさよならの「大空位時代」。

いや……突然我に返るが「Woman」のアレンジ素晴らしいよね。その和音が? このリズムが? こうなる!? みたいな(語彙どこいった)。それいったら「Killing Time」の鳥越さんの展開、そこにそれ入れる!? だもんね。ときどき周りのひとが宇宙猫みたいになってる(が、そう間を空けず演奏が合うところがすごい)。あれが入ってから楽曲の新しい顔が出てきたというか……それをいったら(再)近年の早川さんの覚醒っぷりも凄まじく、いやもともと素晴らしい演奏家なんだが、それこそ今日の菊地さんのMCじゃないけど「仮面ライダーバンドネオン・早川純」ですよ。何をいっているのか自分でも判らない。

次のスタンディングは10年後だそうです(笑)。クールダウンとストレッチ。次のウォームアップとコンタクトに向けて、緩やかに生き延びよう。

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setlist

01. 闘争のエチカ
02. 京マチ子の夜
03. Caravaggio
04. Killing Time
05. 暗くなるまで待って(Wait Until Dark 日本語詞ver.)
06. 嵐が丘
07. 色悪
08. 儀式
09. ルペ・ベレスの葬儀
encore
10. Woman “Wの悲劇”より
11. 大空位時代

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いろんな思い出を有難う〜。主にDCPRG〜dCprG〜DC/PRGでお世話になりました。小林十市さんの『Hamlet Parade 〜Last Dance〜』も観たなあ。まあそれをいったらここが映画館だったとき(ジョイシネマ)『殺し屋1』も観たわよ。愛すべき歌舞伎町のハコがまたひとつさようなら

・林さんご体調が優れなかったようで心配だったのですが(前日の公演が中止になってた)楽しそうに演奏されていてホッとしました。手拍子してたね

・『大停電の夜に』のサントラ依頼が来た経緯を初めて聞いたような(笑)オフレコかな?

・オリンピック競技(スケボー、卓球、ボルダリング)は忍法説に大ウケ

・テナーがかなり復調しててうれしかった。これが聴きたかった! なんというかこの生き様よ

・今の髪型、武満徹を彷彿とさせる。途中やたらパンツを上げようとしているのでなんだどうしたと思っていたらベルトを忘れたらしい(笑)今随分スリムになってますからね

・打ち上げは豆もやしクッパ専門店ともこで。トー横から近いな、5分かからないくらいの距離。チゲおいしいパンチャンもおいしいそして未だに豆もやしクッパを食べられていない。お店のひとは柔道のオリンピック中継に夢中。コマ劇周辺の昔話などに花が咲き楽しゅうございました、クラブハイツの話とかな! LIQUIDROOMの前はニューヨークニューヨークってディスコだったとかな! 皆菊地成孔が大好き!(てらいなくいう)

(20240808追記)
・【手紙】グロテスクの定義から┃LeinaUshiyama Blog
そして私たちは絶対に凄いことを起こします。
なぜなら、必死の私もいますが、何てたって、なんてことない顔してすんごいことを毎日平気でやる人間がこの楽団メンバーだからです。

牛山玲名さんのブログ。牛山さんがPTAの1st Vn.…そしてソリストでよかった、と思わせてくれる内容でした



2024年07月21日(日) ■
LÄ-PPISCH Live Tour 2024 〜Great Escape〜

LÄ-PPISCH Live Tour 2024 〜Great Escape〜@Zepp Shinjuku


同期(メジャーデビュー日も同じ)のBUCK-TICKはずっと、本当にずーっとレピッシュのライヴのとき花を贈ってくれる。昨年のチッタでもそうだった。このときあっちゃん(櫻井敦司)は生きていたんだなあなんて思う。マグミはあっちゃんの死にかなりショックを受けていた。このひとは達観というか悟りの域で、どうにもならないことを受け入れるのに長けている。過去にそれだけのことがあったのだろう。ただ、慣れている訳ではないのだ。あのときの言動(これとかこれとか)にはそれが表れていた。

メンバー紹介のとき、矢野くんの音圧すごい、リハでもすごくて真後ろから圧が来るからクラッとして倒れそうになったといったマグミが、「いや、病気とかじゃないからね。それくらい音圧がすごいったい」とすぐにわざわざフォローを入れた。ファンを心配させないようにしている。そういう気遣いをするひとだ。上田現が病を隠し通して亡くなったことはずっと心に引っかかっている。というより、気付けなかった自分に引っかかっている。最後のAXのときも、腰痛と信じて疑わなかった。騙された。根に持っている訳ではない。気付いたからといって何か出来た訳でもない。くそ、やられた、流石だよ現ちゃん、という思いだ。それはあの日一緒にステージを務めた皆にもいえることだ。くそ、やられた、流石レピッシュ。

「ラルゴ」の“騙してもイイぜ ずっと待ってる”の境地にはなかなか至れない。あれ以来、ちょっとしたことでも疑心暗鬼になってしまう。そんなファン心理をマグミはきっと知っている。マグミは「ラルゴ」の“僕”のようだ、と思うことが時折ある。勿論この歌の人物像には作者である上田現自身が投影されているのだが、彼の「歌い手」を長年務めてきたマグミには、上田現の歌の世界を生きることが出来るのだと思う。だからマグミが唄えば、上田現はいつでも甦る。騙してもいいし、騙されてもいい。私もいつかは風を待つことが出来るだろうか? 人生は長く短くそして長くやっぱり短い。マグミは「老後の整理とかするなよ」といった。

という訳で、いつかマグミの唄う「ラルゴ」を聴いてみたいのだ。前置きが長いな!

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MAGUMI(Vo, Tp)/ 杉本恭一(G)/ tatsu(B)
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奥野真哉(Key, Sx / SOUL FLOWER UNION)
増井朗人(Tb, Perc / Codex Barbès)
矢野一成(Drs / MOON・BEAM)
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そんなこんなでマグミを見ていてヒヤリとする場面がないといえば嘘になる。今や恒例の「LOVE SONGS」でのクラウドサーフに、キツかったらやめてもええんやで、と拳を握り、何故そこ迄するのだろうと思うこともある(しかしその姿を観て感動してしまう自分もいる訳でな。勝手でごめんね)。そこで浮かぶのはやっぱり「ストリッパー」や「サイクリング」で、上田がそういうならねえ、なんてことも思うのだ。死にものぐるいで自分を見せてくれる。ちなみに途中「がんばれー」と声が飛んだんだけど、「がんばれっていうなあ�爐↓爐↓爐↓爐↓燹�!!!!」ってガチギレしてましたね(笑)。声も高音が出づらくなってきてはいるのだが、そのかすれた声でガナる唄い方が新しい魅力になってきている。あの声で唄う「ハーメルン」には、リリース時とはまた違ったせつなさがある。

反面恐ろしいのは恭一の体力。右手にグローブ着けててちょっと心配だったんだけど、いやそりゃこの歳にもなればね、と窪田晴男が過去そうなったことを思い出す。職業病ですよね。しかし演奏はもうガチの恭一であった。いやホントすごいよなこのひと……なんでこうクリアでシャープでカラフルな音を持続出来るかな。単音はソリッドの極み、カッティングは正確。それも走り回ったり転げ回ったり跳びまくったりし乍ら。あと声な…デカい……ずっとデカい……マグミとハモると恭一のがデカいので、こっちもつられてハモりパートで唄うよね。

それにしてもすごいセトリじゃなかったか。いつもか。いやしかし。「カ・ラ・ダ」が聴けるとは! 「旭タクシー」が聴けるとは! 序盤はそれこそ「が、がんばれ!」とヒヤヒヤしつつ聴いてたところがあったんですが、「ガンジー」からのドライヴのかかり方! なんなのあれ。次の「LAULA」もすごかった。スピーディーかつスムースそしてパワフル。マグミのステップも軽やかで、後半に行けば行く程調子があがる。「カ・ラ・ダ」は恭一がホントヤバかった頃(しょっちゅう倒れてた)つくった曲だよなあ、よくぞここ迄生き残ったとか妙な考えも浮かんだりもしましたが、それにしたって曲がいい! 演奏ウマい! とバカの感想しか出ない。

マグミに「18歳からのつきあい」と紹介されたtatsuはずっとtatsuで、ずっとうめえのよ。それこそ「ガンジー」なんてレコーディングしたときいくつよ!? 「Control」だってそうだよ。演奏“出来る”という巧さは勿論だけど、この曲にああいうフレーズやコードを入れようと思い浮かぶアイディアがなあ。記名性が高いといえばいいのか。「LOVE SONGS」もマグミのクラウドサーフに持ってかれちゃうところあるけどあのベースフレーズはすごいよね…「東京ドッカーン」や「miracle」のリフもさあ……あげればキリがない、この辺りの曲ってベースがまず浮かぶもんね。『Q』や『マイム』のナンバーは全編ベースが格好よくて大好き。マグミと恭一があれだけやりたい放題できるのもtatsuがいるおかげ。猛獣使いですね。矢野くんとの息もピッタリ。

今回は妙に上田のことばっかり思い出していたが、奥野さんにはとても感謝していますってか奥野さんがいてよかった…ホントに……演奏だけじゃなくて笑いどころもおさえてくれてるところが素晴らしいよ……。

いろいろ振り返ってしまったのは、マグミと恭一の幼馴染っぷりを目の当たりにしたからというのもある。昨日雷すごかったね、皆大丈夫だった? って話から「俺は12km、恭一が14kmだろ(だったかな)」といいだすので、リハ帰りの話かと思えば田んぼの中にバイパスが通って……とかいい出して。??? となっていたら恭一が「熊本のな」と返してやっと通学の話かい! と理解。周りは田んぼばかり、あぜ道に作られたかのようなバイパスは一段高くなってる、雷は高いところに落ちる、高くなってるバイパスを自転車で走ってる俺たちがいちばん高いところにいる、俺たちに雷が落ちるかも、金属全部外そう! 腕時計とか外して隠す……自転車(金属の塊)に乗ってるーーー!!! とオチも素晴らしかった(笑)。落ちなくてよかったですね。あまりにも昨日今日のことのように自然に話すから、その共有っぷりに笑いつつ泣いてしまったよ。弱ってる。しかしこういう感性から「柘榴」とか郷愁あふれる歌が生まれるのねとしみじみもした。

今回のツアータイトル「Great Escape」について、マグミは「本当にいろいろなことが起こる世の中だけど、逃げられるところは逃げて楽しく過ごそうぜ、という思いを込めてつけた」といっていた。そういう思いやりにも胸を打たれる(ホントに)。いやーそれにしても曲がいい、演奏がいい(バカの感想)。歌詞がスルスル出てくる自分にもビックリ。レピッシュで大きくなりました! 出会えてよかった、これからもよろしく。

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setlist(MAGUMI公式より)

01 KARAKURI SE〜
02. Control
03. Animal Beat
04. サイクリング
05. タンポポ
06. ソラミミ
07. パヤパヤ
08. ガンジー
09. LAULA
10. 柘榴
11. room
12. 歌姫
13. miracle
14. 東京ドッカーン
15. 混沌とした時代
16. ハーメルン
17. プレゼント
18. カ・ラ・ダ
19. LOVE SONGS
20. Magic Blue Case
[en1]
21. 美代ちゃんのハッパ
22. リックサック
23. 旭タクシー
[en2]
24. KU・MA・MO・TO

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Zepp Shinjuku初めて行きました。深いな! 地下4階くらい迄降りた。行きはまあいい帰りはしんどい(ヒーヒー)。レピッシュも初めて使うところ。マグミが「ミュージシャンはいくつになっても知らない新しい場所でやれるとうれしい」といっていた。上田現はここのことを知らないんだなあと思った。何かあるごとにあー現ちゃんは知らないんだな、と思う。コロナのことも、今の戦争のことも。ときどき知らないでよかった、とも思う。

江戸アケミ十三回忌のとき、こだま和文が「大きなニュースや出来事が起こると、死んだひとのことを思い出す。9.11や北朝鮮のことをアケミは知らないんだなあ」といっていたことがずっと心に残っている。阪神淡路大震災のときとても心を痛めていた現ちゃんのことを憶えていたので、東日本大震災が起こったときは、このことを現ちゃんが知らなくてよかった、と思ったのだ。

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あれだけ暴れて翌朝4時(後述奥野さんのツイート参照)迄呑める恭一の体力(再)


これからも皆さんが歳をとるのが怖くならないよう頑張ります
こういうこというところがね……なんだろね相手を不安にさせない術に長けている


名残惜しいとかまたとか奥野さんに思ってもらえてうれしいな、ホント有難う


tatsuは早々に帰ったようで、ライヴ後の夜中1時には自分のライヴのお知らせをツイートしてた(笑)これもやっぱtatsuとしかいいようがない。でもそのあとこうして動画編集して配信の告知もする、これもtatsuとしか(以下略)

・diary of Kyoichi-WEB
・photo of Kyoichi-WEB
恭一のサイト構築かなり拘りがあって直リン張れないので(こういうとこがホント恭一)ここから該当日へどうぞ。打ち上げの様子も見られます

・Dress Ball in Midnight Vol.2 “The Name is DBM”
記録が残っていて有難い! 前回歌舞伎町(移転前のLIQUIDROOM)で「美代ちゃんのハッパ」聴いたの1994年だわ(1997年は行ってないんだ…)。丁度30年か……上田がスピーカーによじ登ってサックス吹いてたな。スピーカーがグラグラしてホント怖かったのよね。このイヴェント、高畠俊太郎がカヴァーした「モンキー・マジック」「ドライブ」もめちゃ格好よかった



2024年07月18日(木) ■
FEVER 15th anniversary “NOT BORED TYO”

FEVER 15th anniversary “NOT BORED TYO”@LIVE HOUSE FEVER


“退屈しない東京”、いいタイトル。告知の2日後にいきなり一般先着発売、即完で当日券もなし。よくとれたな……視界の9割は前のひとの背中と頭、帰宅後に前列のひとがアップしてくれた動画を見てどんなステージだったか初めて知る始末です。いやしかしあの現場にいられただけでもよい…素晴らしい演奏が聴けたから……。というかこんな満杯のFEVER初めて行きました(笑)。

toe×mouse on the keysって組み合わせ久しぶりだよなあと思っていたら、対バンは8年振りだそう。調べてみたらmotk10周年記念ライヴ『fractrec launch / mouse on the keys 10th anniversary』でtoeがゲストに来て以来。そんなに経つかー。

先攻motk。セットリストはこちらのtweetから引用させて頂きました。有難うございます!
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01. 新曲
02. The Dawn
03. spectres de mouse
04. Seiren
05. Emergence
06. 最後の晩餐
07. 新曲
08. soil
09. Praxis
10. Circle
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川��昭:Drs
新留大介:Key
白枝匠充:Key
佐々木大輔:Tp, Fl
飛田雅弘:G
山��聖之:Perc(アップされた動画見た限りではDrsもやってたっぽい。ツインドラム!?)
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えーと立奏だった佐々木さんがときどき見えたくらいでした。白枝さんはメンバー紹介のとき立ち上がって手を振ったのでそのときのみ、川��さんと新留さんは全く見えず。フロアに段差ないからな……。飛田さんは開場前ロビーにいたのでそのとき至近距離で見られた(笑)。

1曲目の新曲がえっらいドープなエレクトロで格好よかった。ノイズでビートをつくって、複合リズムで組み立てていく。そこへジャジーなコードが載る。白枝さんが加わってからはポストクラシカル、マス、エレクトロのカラーが濃くなった感じだけどせーので演奏するとどうにもこうにもmotkの音になるのが興味深い。白枝さん、清田さんとは全くプレイスタイルが違うタイプのように感じるのですが、それで(が)いいのかもな……。軽く滑らかなタッチなので、清田さん在籍時の楽曲を演奏するとちょっと音がちいさく聴こえるんだけど、そこらへんはPAで解決出来るものだろう。

そしてMCでサプライズ。新譜が! 出る!! そんでレコ発はEX THEATER ROPPONGI!!! デカい!!!! スタンディングと着席混在させたら1000は入るとこじゃん。ええ〜がんばれ〜とうれしいやら狼狽するやら。やっぱ映像をしっかり見せられるところでやりたいのかな…そのためにはある程度大きなハコじゃないと……一昨年のひらしんのセットすごいよかったもんなあ、あれが理想形なんだろう。とはいうものの、この日もVJをガッツリ使っており、FEVERのフロア全体に映像が張られていくような感覚があってシビれた。自分もスクリーンの一部になったかのような感覚。

ここ数年はアートシーン寄りのフィールドワーク的な活動が多く、それを楽しみつつも(とはいえ地方のアートフェスにはなかなか足を運べず)、スタジオフルアルバムや長尺のライヴを期待しているところもありました。ようやく、という感じ。待った。「やっと動けそう」とちょっとホッとした様子の川��さん。コロナ禍以降色々ありましたからね、満を持してという感じか。楽しみだ! ちなみに再来年は20周年、いろいろやります! と川��さん意気込んでおられました。気が早い(笑)。というか、なかなか動けなくて歯痒いところもあったんだろうなあ。

ちなみにこの告知、20時に解禁だったそうで、MCも慌て気味。「8時過ぎました?」とかいって。あー今頃SNSで情報が一気に流れてるんだろうなあと暗がりのフロアで思っていると、あちこちからビョイビョイスマホが鳴り出す音がしてビビる。地震あったのね、全然わからなかった。

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・mouse on the keys、4thアルバム『midnight』リリース決定 アルバムショーケースも開催┃Spincoaster
2022年の復活から約2年をかけて、mouse on the keysがつちかってきた芸術性の集大成ともいえる特別な夜になりそうだ
Spincoasterさんはプレスリリース以外のテキストもきちんと書いてくれるから好き。『The Dawn / The Dusk』ときて『midnight』なんだよね。はー楽しみ

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後攻toe。セットリストはこちらのtweetから引用させて頂きました。有難うございます!
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01. LONELINESS WILL SHINE
02. long tomorrow
03. 孤独の発明
04. レイテストナンバー w/JC
05. Because I Hear You
06. エソテリック
07. グッドバイ w/JC
08. F_A_R w/JC
encore
09. Path
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「グッドバイ」で拍手が起こり、女声ヴォーカルが聴こえてきたのであー誰かゲスト来てる〜と思ったものの全く見えず。帰宅後んoonのJCだったと知る。てか「レイテストナンバー」でも「F_A_R」でも唄ってたのね(サンプリングかと)。山根さんは最初から最後迄全く見えず、山㟢さんと美濃さんは動きまわるのでチラチラ、柏倉さんは「エソテリック」で立ち上がったときちらっと見えました。山㟢さんは座奏多いので全然見えないだろうなーと覚悟してたけど、思ったよりは見えてうれしかった。

9年ぶりのフルアルバム『NOW I SEE THE LIGHT』(めちゃよい…タイトルも沁みる……)が7月10日に出たばかり。収録曲「LONELINESS WILL SHINE」から始まったので、やっぱタイミング的にレコ発だし、新譜からのナンバー中心で行くかなと思いきや、以降はベスト的な選曲でグイグイ進む。山㟢さん曰く「ずっと(パート別で)レコーディングしてたから、新譜の曲はまだ演奏(合奏)出来ないんですよね」(笑)。演奏出来るようになる迄1年くらいかかるかな〜とかいってた。でもおじいちゃんなので1年なんてすぐ過ぎる、体感速度が違う、その分演奏BPMを遅くしてゆっくり弾けばいいかなとかおかしなことをいっていた。それはそれで聴きたいな。

山㟢さんが来年で結成30周年ですよ〜とかいったので反射で拍手しつつ「ええ? そんななる!?」とモヤモヤ。帰宅後改めて調べてみたら25周年ですね(笑)。おじいちゃんになると1年が3ヶ月くらいの体感で〜とかいってたけどこちらも訳がわからなくなっている。motk川��さんは再来年のことも考えてる(この方そういうところ几帳面ですよね)けど、山㟢さんは時間の流れをふんわり捉えているようで、その対比も印象的だった。インタヴューでも死ぬ迄にあと何枚アルバム出せるか、これが最後かもっていってるし。toeの音楽にはいつでも生と死が横たわっているように感じる。「エソテリック」〜「グッドバイ」の流れに刹那を感じて涙が出た。

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・曲が必要とするならば、転がり回ってるだけでもいい──toe、アルバム『NOW I SEE THE LIGHT』┃OTOTOY
山㟢 : (ライヴとは)別個に考えていて。基本的に僕はライヴがやりたいので、音源はライヴの材料な気もするんです。
美濃 : ライヴで何回か演奏してるうちに曲が完成していく感じはあります。
1〜2年後に新譜からのナンバーをいっぱい聴けるの楽しみにしてます(笑)



2024年07月14日(日) ■
『逃奔政走 嘘つきは政治家のはじまり?』

『逃奔政走 嘘つきは政治家のはじまり?』@三越劇場


もともとこっちが先に入ってたんだけど、急遽『密輸1970』の舞台挨拶が入ったもんだからハシゴになりました。という訳で観たのは13日。

「クリーンな政治」を掲げ、とある県の知事に就任した女性。ところがしがらみと大義のもと、なんだかんだと公約が濁っていきます。予算調整で知事室にシャワールーム設置、施工業者を談合で決定、厳しい若手議員が「YesかNoかでお答えください!」と追及、老議員から頭ぽんぽん、その議員と懇意の業者のパワハラを黙認、公邸で娘が未成年と飲酒パーティしてSNSにアップ、ウルトラマリンブルーのスーツを着た知事がドリルで証拠隠滅……いやー出るわ出るわ、このエピソード全部創作じゃないってところに笑うわ。いや笑えないわ。いややっぱ笑うわ。こうしてコメディになってしまう程、この国の政治は現実離れしているんですね。というかこれが現実なんですね。気が滅入るわー。

しかしこの作品の魅力は、そのドタバタをただ笑って済ませるだけの道具にしないところ。「そうなってしまう」過程を説得力をもって描いているところ。清廉潔白、弱者を助けたいという志をもった知事が、清濁併せ吞むことになるなりゆきに納得せざるを得ない。本当は納得したくないけど、あーそういわれちゃこう返すしかないわな、そしたらこうなっちゃうよなー。というところ迄追い込まれちゃう。囲い込まれるといった方がいいのか。で、「そんなことやる!?」と一般人なら思うことをやっちゃう訳です。ドリルとか。でもそこで、工事に入ってた業者に「ドリルはそういうことに使うためのものじゃないですよ」みたいなこといわれちゃう。これが効く。観客は大笑いし乍ら「そ、そうだよね!」と我に返る。

何かを隠すと裏目に出る。それを隠すともっと裏目に出る。やめられなくなっちゃう。でもこの知事は、やめることにした。ホッと胸をなでおろす。はー、現実でもそうあってほしいですね! 市民も「仕方ないよねー」と思っちゃいけないですね!

東京都知事選の結果が出てほぼ一週間後。頭ぽんぽんとかは選挙後の話なので、初日以降加えられたエピソードは結構あるようです。B作さんのアドリブだったのかもしれないけど、流れは自然だったし、演出側もゴーを出していると思われる。つまり現実の政治家の言動について「そこに引っかかる」「それっておかしい」という共通認識が出来ているのでしょう。あの場にいた観客の何割かは、県知事と同じように「おかしい、腹立たしい」と思っている。しかし老議員のように「そういうもんでしょ」と思っている観客も、きっと一定数いる。

だからこそ、最後の知事の台詞に胸を衝かれる。幕開けと幕切れはシームレスという演出が効果的。マイクを持って「どうも〜」と入ってくる鈴木保奈美が知事になる。知事を辞した鈴木保奈美が「諦めないで」「監視し続けて」と訴える。終始笑いで湧いていた客席が、しんと静まりかえりました。

脚本・演出は、アガリスクエンターテイメントの冨坂友。シチュエーションコメディを得意とする方だそうで、その構成に唸りました。彼の作品に出演したいという7年越しの夢を実現させた鈴木さん、近年は演劇のワークショップを主催する等舞台に意欲的。舞台での彼女を観るのは初めてだったのですが(『レイディマクベス』はチケットとれなかったんだよー)、いやはやめちゃくちゃいいですね。立ち姿の美しさ、通る声、リズム感の良さ。コメディエンヌの才を全部持っている。2時間超、ほぼ出ずっぱりの役でしたがその印象が崩れることがありませんでした。これからも舞台で観たいなー。KERAさんの作品で観たい!

「YesかNoか」の議員は寺西拓人、キツいものいいのなかに理想を感じさせる人物像で好印象。あのひともそうあってほしいもんですけどねー。副知事に相島一之。台詞まわしの巧さで無茶苦茶なトラブル回避、終始笑いを呼ぶ。食えない老議員に佐藤B作。いや〜なおじいちゃんをねっとり演じて気持ち悪かった。ほんといいとこひとつもなかったな(ほめてる)! コメディの舞台で佐藤さんと相島さんがいるととても安心。

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・三越劇場
関東大震災で大きな被害を受けた日本橋三越本店の再建にあたり「建物だけでなく、文化的な復興を」という想いから劇場が作られました。
冒頭ツイートにも書きましたが、三越劇場には初めて行きました。1927年開場、国の重要文化財。歴史の刻まれた内装が素敵だったなー。劇場見学会もやっているくらいだものね。
終演が三越閉店後なので、店じまいした館内を見られたのも楽しゅうございました



2024年07月13日(土) ■
『密輸1970』

『密輸1970』@新宿ピカデリー スクリーン1


『モガディシュ』のときどなたかが「リュ・スンワンは映画が上手!」と仰ってましたがいやホントに。情報の取捨選択がすごい的確なんですよね。あとリズムのよさ。職人!

原題『밀수(密輸)』英題『Smuggler』、2023年、リュ・スンワン監督作品(共同脚本も)。1970年代、海女が密輸を行なっていたという実話から発想された、女性たちの物語。貧しく搾取されるばかりだった海女たちが一攫千金を狙い勝負に出る! その前に一回失敗してて、裏切者はあんたか、あんたのこと信じていいのか? というあれやこれやがあります。あんたに命預けるで! と決めてからの彼女たちの活躍がたまらない。爽快で切なくてガッツポーズで。姐さ〜ん! 船長〜!

カードの出し順が巧いんですよね。チームで動くという海女たちの特徴、その海女たちが困窮することになった原因、単独で動いた海女に降りかかる災難。チームの皆を信じないと命に関わる。大仕事の前に彼女たちの信頼関係を回復させる。時系列をちょっと入れ替え、スライドや分割画面で見せていく。総じてバランスがいいんですが、その間に大活劇、バイオレンス、アクションを盛り盛り入れるところがスンワン監督。そこはバランス何それって感じになる(笑)。でもそれがなきゃスンワン監督じゃないね! 今回は大立ち回りがなかなか出ないな? と思った頃にドッカーンと出て笑った。「待ってました!」と大向こうを飛ばしたくなりました。

アクション演出がいつも楽しみなスンワン監督作品なんですが、今回はもう一段階ギアを上げてきた。水中アクションが見所です。海女さんたちが主役だからな。タコ、イカ、アワビも大活躍。岩の隙間も大活躍。海を知り尽くした海女たちは海を味方につけ、海のなかの掟を守れば海は彼女たちを助けてくれる。サメだってそうだもんね。最後サメ来い、早く来い! と思いませんでしたか、私は思った(笑)。で、その期待を決して裏切らないのがスンワン演出。アイディア出し会議とか楽しかっただろうなー。ここでタコが! とかウニが! とか真剣に話し合う大人たちを想像するとニヤニヤします。

キャラクターのバランスもいい。奔放だが信じた仲間は裏切らないチュンジャ、責任感の強いリーダージンスク。海女チームを助ける喫茶店主、オップンも素敵。チュンジャと密輸王の仲ってどうなの? という塩梅も巧い。欲をいえば海女チーム全員の背景をもうちょっと観たかった。アイパッチのお兄さんのその後も知りたい。しかしそれを入れるとリズムが崩れたかもしれないので、簡潔にまとめるという決断があったのでしょう。何しろ映画が上手だから。

バランスといえば、女性たちを描く筆が滑らなかったことにも感心した。女性たちは自分たちの力で戦い抜く。最後は男性に助けられるという図式にならない。密輸王を救世主(王子様的なポジション)にしない。社交性とコネクションを持つ喫茶店主のサポートのもと、海女たちは知り尽くした海のなかを自由に泳ぎまわる。磯笛(後述リンク参照)で互いの無事と居場所を知らせる。男たちの物語を描くことの多かったスンワン監督が! と驚きました。とはいうものの、スンワン監督はいつも弱者への視点を持っているからね。抑圧されている、迫害を受けている人々へのまなざしがある。今回も、軍事政権下で貧しかった時代の韓国を描き、傷ついた人々を描いている。観客は彼らが幸せになってほしいと思い、彼らの笑顔を待っている。それがたとえ犯罪がらみでも。

70年代のファッション・メイクも素敵でした。チュンジャとジンスクがスーツのジャケットとパンツをとっかえっこして着てるのとか、木の実ナナみたいなウィッグとか(ここでふと思ったが、ナナさんのあの髪は地毛なんだろうか)。海女たちが職業柄かショートヘアで、それが皆似合ってて素敵だったなー。一度聴いたら忘れられない70年代の歌謡曲も満載。チャン・ギハによる劇伴も、いいさじ加減のレトロミュージックで気持ちよかったです。

キム・ヘスがチュンジャ、ヨム・ジョンアがジンスク。大人の女性(ふたりとも50代)が活躍する作品というのもいいね! オップンはコ・ミンシ。『モガディシュ』では野心家の参事官役だったチョ・インソン(次作『HUMINT』でもスンワン監督とのタッグが決まっているそう!)が、今作では密輸王。仕事に熱心な税関係長が実は……という二面性を見せゾッとさせてくれたキム・ジョンス、とにかく小悪党な成り上がりパク・ジョンミンも見事。ていうかエンドロールで名前出る迄あいつのことをジョンミンさんだと気付かなった私の目は節穴…いや、出会いが『ただ悪より救いたまえ』だったからさ……全然違うじゃん! てか観る度違うじゃん! 演技の天才といわれるだけのことはある、ホント巧いよねこのひと!

胸が熱くなるマリンクライムアクション(!?)シネマでした。また観に行こっと。

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そうそう、舞台挨拶付きの回に行ったんですよ。マスコミが入らない回だったので、アットホームな雰囲気で楽しかった。

公式では9年ぶりに来日(プライベートでは来てたよね)したスンワン監督(黄色いスニーカーかわいかった!)、コンビニでパンを買いました〜とか短い自由時間を楽しんでおられたよう。「(単館とかではない)大きなシネコンの大きなスクリーン(新宿ピカデリーではいちばん大きいとこだった)でこうして舞台挨拶出来るなんて」と仰ってた。いやいやこちらもうれしいです! インソンさんの役は当て書きだって。ヒュ〜。

「僕が生まれ育った70年代は貧しくたいへんでした。その時代を描ければと……」とスンワン監督。苦労人だもんね。同世代なのでいろいろ思うところがありました。密輸品、日本の製品が多かったよねってか日本からの荷物だったし……ていうかそもそも海女たちが働く海を汚染した工場だって日系企業絡みなんじゃねーのとも思い(チッソの例があるもんね)。当時の大衆歌謡も監督自身が選曲されたそうです。

あちこちで話題になっていますが、インソンさんとスンワン監督のやりとりは漫才みたいでした。家も近所で、兄弟みたいな関係だそうです。次回作も楽しみ。通訳さんが訳す前にドッカンドッカンウケるインソンさんファンのお姉さま方に尊敬のまなざし。韓流カルチャーを長らく支えてくれている彼女たちのおかげでこうして舞台挨拶が観られる。

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・密輸 1970┃輝国山人の韓国映画
いつもお世話になっております。水中スタントの役者さんも掲載されているのがうれしい。ていうかチャン・ギハ、音楽だけじゃなく出演もしてたの? 明洞のおしゃれな男役だって。気付かなかったよ〜リピート時に確かめよう……と思ったら、カットされたシーンらしい↓

・팬들도 모르게 '밀수'서 통편집 굴욕당하신 분┃삶은영화
『ファンも知らないうちに「密輸」で全編集 屈辱を受けた方』←このタイトル(笑)
(試写会で映画を見たとき)「見逃した? と思った」だって。





ご本人のinsta(クリックするとリール再生されます)。メイキングに入れて〜

・アイパッチの兄さんはチョン・ドウォンという方なのね。ええ〜全然雰囲気違う! 『哭声』とか『密偵』にも出てるじゃない……。ゴリゴリにアクション出来る方でシビれた!

・“俳優たちがお互いを信じて頼れる場を設けることが大切”ー『密輸 1970』リュ・スンワン監督インタビュー┃SCREEN ONLINE
今後、もし、海へ出て水中撮影を行う計画がある映画仲間がいたら、「できれば水で撮影しないでください・・・」と伝えたいです
(笑)

・磯笛┃海女日記 < 新米海女リッチャン >
海で息継ぎの際にピューーーイッ! という高い音の口笛に似た音を出して肺に残っている空気を出し切る海女のテクニックです
また、音により自分の居場所を仲間に知らせる事が出来るので、チームで海女をする石鏡では磯笛は安全対策の役目も担っています
伊勢志摩・石鏡(いじか)町で働く海女さんのブログ。チームワークだいじ、互いに命を預けるんだものね

(20240715追記)
・クセのある楽曲が耳から離れない!『密輸 1970』を輝かせる、レトロな韓国歌謡曲とチャン・ギハの劇伴┃MOVIE WALKER PRESS
何気なく使っている風に見せて、実は伏線になっている韓国歌謡の数々をチョイスしたのは、リュ・スンワン監督とのこと。映像や脚本はもちろん、バックの音楽にもこだわったおかげで本作の完成度をさらに高めたのは言うまでもない。
音楽についていい記事あった! 歌詞がリアルタイムで聴きとれれば一層面白かっただろうなあ。記事を読み乍らサブスクですぐ聴けるのもいいですね。ギハの劇伴も素晴らしかったよ〜

・そうそう、今回パンフレットもめちゃくちゃいい内容でした。1970年代韓国の時代背景やカルチャー、ファッション、楽曲解説も充実。劇場で観たら是非ご購入を!



2024年07月07日(日) ■
『THE MOON』

『THE MOON』@新宿バルト9 シアター5



ドローンにすっかり感情移入、タチコマみたいに喋ったりはしないんだけどね。だから尚更「が、がんばれ!」と拳を握る。お仕事を全うした最期にも涙。この子めちゃいい仕事したよね!

原題『더 문(ザ・ムーン)』英題『The Moon』。2023年、『神と共に』(『第一章:罪と罰』、『第二章:因と縁』)のキム・ヨンファ監督作品。新人宇宙飛行士ソヌがひとり月に取り残され、無事帰ってくる迄の話です。こういう作品だから生還しますってのはお約束、ネタバレしてもいいよね……。しかし! その帰ってくる迄が!! めちゃくちゃたいへん!!! 大丈夫大丈夫帰れる、と信じていてもめちゃくちゃ怖い!

ひとりだけ助かったという宇宙空間事故って、実際にはないよね多分。全滅するよね……。ないないない! という場面は結構あるのです。宇宙飛行士あんなにエモくなっちゃいけない。落ちついて行動しないと死ぬ。ドア開けようとしちゃいけない(開かないけど)。開けたら死ぬ。その「ちょっとでも○○○したら死ぬ」度が地上の比じゃないので、観てるこっちはあかんあかんあかん! やめてやめてやめて! とずっとドキドキハラハラしっぱなしです。宇宙空間の事故ってどんなホラーよりも怖いわワタシは……脱出イコール無事じゃないもん、酸素ないもん。圧力で潰れるもん。『ハイ・ライフ』でミア・ゴスがブラックホールに持ってかれるシーンとか夢に出たもん。

NASAが怒るのもむべなるかな。国家案件ですし。巻き込まれてウチんとこに迄被害及んだらたまらんのに情報迄漏らされたらもうね。統括ディレクター(キム・ヒエが『ユンヒへ』とは全く違うキャラクターを演じていて驚いた。格好よかった)がそんなことしちゃっていいの!? 大団円によかったねえと涙しつつ、あーこりゃ月から持ち帰った氷とかデータ全部アメリカに持ってかれるな、とスレた大人は思ってしまうのでした。ここらへん、韓国とアメリカの微妙な関係をうまいこと描いているなと感心した。

でもなんというか、この作品は「心情的に」という面から想像出来る要素が多いのです。ジェグク(前任センター長)の罪は重すぎるけど、現センター長の彼への態度(パク・ピョンウンの物語る表情!)には敬意が感じられた。それは何故か? 明かされそうで明かされなかった天文台のインターン(ホン・スンヒが好演)の過去。彼女の肝の据わり具合の根拠は? そんなあれこれを想像する。そりゃやっちゃダメだし無理なんだけど、彼らを理解したいという“心”を失っちゃいけない。そこをだいじにしたいんだろうなあと思いました。最低限の素材は出しておきましたので、やっぱ赦せない! とかそれでも憎めない! とか、観客がそれぞれ考えようねという余白がはしばしに残されていたのがよかった。

そこで思い出すのは、過去実際に起こったふたつの出来事。東日本大震災時、ディズニーランドのキャストがとった行動とそれに従った来場者。今年初めの羽田空港地上衝突事故で、キャビンアテンダントがとった対応とその指示を守った乗客。上からの指示を待たずに自らの判断で行動することと、助かるために全員が守らねばならないルール。ペットを置いて事故機を離れざるを得なかった乗客と、仲間の形見を身体に縛り付けて脱出したソヌ。独断で月を探査すると決めたソヌと、それに協力すると決めた宇宙センター……どちらも悪くない、どちらも間違っていない。でも、と考える心は残しておきたい。

美術を筆頭に画面づくりのクオリティが素晴らしく、没入度は抜群でした。月から見る地球のシーンとか、映像美だけで涙ぐんだ。登場人物の言動にえっと我に返ることはあっても、映像に引っかかるところはなかった。その辺はVFXを駆使して地獄巡りを描いた『神と共に』の監督の腕ですね。とはいうものの、ハリウッドに比べれば決して多くはなかったであろう制作費。無重力中での動きはゆっくり歩くなどの工夫で特殊効果費を抑えた(! 後述リンク参照)というエピソードには驚きました。ド・ギョンスの筋力に瞠目。てかギョンス、ほぼひとり芝居だった訳で、それであの演技! 素晴らしかったです。

『罪深き少年たち』ではナラスーパーがウリスーパーになっていたけど、今回はロケットの名前がナレ号とウリ号だった。軍事政権から民主主義を勝ち取った韓国で、ウリ(우리)=「私たち」というのは重要なキーワードなのだろうな。どちらの作品にもソル・ギョングが出ていることも印象深い。そして『1987、ある闘いの真実』を思い出すのでした。ギョングさん、ちょっとしか出ないんだけど象徴的な役だったよね……。ちなみにナラ(나라)は「国」、ナレ(날개)は「翼」。

最後のシーンは、屈託ないこどもたちのふるまいとその笑顔。どんな夢へも羽ばたける「翼」をこどもたちには持っていてほしい、彼らが怖いとか見捨てていいとか思わないでいい「私たち」の世の中であってほしい。そう強く感じた幕切れでした。

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・THE MOON┃輝国山人の韓国映画
いつもお世話になっております。ヒエさんとイ・ソンミンは特別出演だったのね。てかソンミンさん、ファーストカットが遺影だったもんでショックだった……

・ハーバード卒、NASAの宇宙飛行士候補になったネイビーシールズ隊員が明かす、子どもへのシンプルなアドバイス┃Business Insider Japan
子どもたちには、わたしを喜ばせるためにはシールズの隊員になったり、医学の道に進んだり、宇宙飛行士になる必要があるなどと感じてほしくありません。それはフェアじゃないと思うからです。子どもたちには自分の人生を生きてほしい。わたしはあらゆる機会をとらえて、これを子どもたちにためらうことなく伝えていくつもりです
ソヌの人物像のモデルとなった、ジョニー・キム(Jonny Kim)。かつて仲間を失った過去、こどもたちへの視線

・EXO ディオ、映画「THE MOON」を観たメンバーの反応は?インスタを始めた理由も語る┃Kstyle
制作費を抑えることができたのは、宇宙にいる瞬間を表現する時、無重力の状態に置かれたようにゆっくり歩いたからです(笑)。その時はCGの力を借りていない状況でした。でも、重い宇宙服を着てゆっくり歩くのは本当に大変でした
ヒェー

・「THE MOON」ソル・ギョング“EXO ディオの役割が大きかった作品”┃Kstyle
『ゼロ・グラビティ』の予算が、韓国ウォンで1000億(約100億円)かかったと言いますが、それが10年前の話ですから、『THE MOON』の場合は10分の1にあたる制作費をかけたのと同じです
ディオがあまりにも苦労したので、僕は遊んでいたとまで思えました
「THE MOON」の制作費は、280億ウォン(約28億円)だったとのこと。『ゴジラ-1.0』の製作費は15億円くらいでしたっけ……どこもたいへん。アイディアがあれば低予算でいいよね! じゃなくて、潤沢な資金があればもっと負担が減るよね! と考えたいものです



バルト9に展示されていた宇宙服は、本国から輸送されてきたギョンス着用衣装なのでした。よう運んだな! 運搬や開封の様子(楽しい)は公式twitterで是非

・片道切符だった、宇宙で死んだ犬の話┃VAIENCE
・60年代、ソ連が闇に葬った女性宇宙飛行士がいた? いまも残るSOSの音声記録┃Pen Online
宇宙関連の作品に接する度思い出すおはなしふたつ。ライカはロケットの発射直後に死んでいた説と、しばらくは生きていた説がある。ソ連の女性宇宙飛行士の交信記録は陰謀論めいているが、競争が激化する過程でこうやって闇に葬られた案件は数多あるだろうなあ。成功の陰には犠牲がある、ということは忘れないでおきたいところ


おまけ。アクスタに惹かれて特典付ムビチケ買ったのでした。かわいいのよこれ