見つめる日々

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2009年07月14日(火) 
風の弱い日。
強い風が吹き続けると、薔薇の木が弱る。葉は棘に絡まり傷つき、せっかく伸びた枝もまた傷だらけになる。見ているだけで不安があおられる。だからこんな、適当な風の吹く日が落ち着く。ほっとする。
梅雨はもうあけたのだろうか。テレビを見ない私はそんなことも知らない。知らないまま空を見上げる。今日もくらくらするほどの日差しが溢れている。

文庫本の合間に久しぶりに単行本を読む。「虐待」。斉木圭子著。
他に今日は久しぶりに、メイ・サートンの「独り居の日記」をぱらぱらと読み返す。いい本はいい。何度読んでも心が動く。

このところ悪夢にうなされる。
最初は巨大な蛭だった。空からぶら下がり降りてくる蛭から娘を守ったら、私の身体に入り込んできた。それで終わりかと思ったらさらに蛭は降りてきて、私の身体に再び入ろうとする。悲鳴を上げて飛び起きた。飛び起きたら目の前に蛭がいた。さらに悲鳴をあげて私は逃げ惑う。暗闇の部屋の中、いったいどうしたらいいのだろうと思った瞬間、電気のスイッチに手が伸びる。明かりが付くと、幻覚は消えた。しかし再び明かりを消すと幻覚は蘇る。仕方なく私は、明かりをつけたまま娘の隣に縮こまるように横になる。
翌日は時代劇のような様子の中、首切りやら何やらが行われており、私まで首を切られるはめになる。
その翌日は生き埋めだ。他の誰かが生き埋めの刑に処されるところが、全員逃げてしまい私がそれを負うことになる。冗談じゃないと逃げようとすると、外に逃げたはずの全員が私をよってたかって押さえつける。たまらなくなって身体をよじったところで目が覚める。
そんなこんなで、次々に悪夢はやってくる。よくまぁこんなにもネタがあるものだと感心するほどだ。
しかし、明かりをこうこうとつけた中で眠るのは非常に疲れる。もともと私はまっくらにしないと眠れないたちなのだ。だから辛い。しんどい。しかし、悪夢は続く。

母はこの半年で10キロも痩せた。「私が代わりに痩せたいわよ」と悪態をついたら、「痩せられるもんなら痩せてみなさい」と即答された。それだけの元気があれば、まだもう少し、大丈夫だろう、とちょっとほっとする。

娘はまだびっこが続いている。階段を下りるときは少し斜めに身体を向けて降りる。春に決まっていたリレーの選手は、別の子がなることになった。応援団にもなれなかった。でも、週末は水泳に通い、平日は塾に通い、と、骨折する前の生活が再び戻ってきている。この夏は長い夏期講習もある。弁当作りが大変そうだなぁと思いつつも、そうやって毎日を踏ん張って生きていってくれればいいと、こっそり心の中で願う。

少し前、今どうしても勉強したい学校の説明会に行った。私にとっては非常に珍しい出来事。学校に通う余裕なんてどこにあるんだ?とも思うが、今しかできない気もするし、どこをどうたどっても最終的にはそこに私は行き着くような気がしている。
説明会に来ていた人たちの目は、実にさまざまだった。まっすぐに前を見詰める目。おどおどと見上げる目。どこかぼんやりとしている目。まるで我が家のようにその場所でくつろぐ目。興味津々とばかりに見つめる目。本当にさまざま。
病んでいる目、健康な目、それもさまざま。
私はどんな目をしていたろう。
今はただ、時期を待つのみ。

じきに夕暮れがやってくる。
今私は娘の勉強につきあっている。彼女が仕上げてくる問題の丸付けだ。解けない問題があれば一緒にやる。小学生の勉強もばかにできない。小学生からもう数十年も経た私には、こんな問題があったっけ、と唖然とするものだってある。でも娘の前でそんな顔をするのも何だから、知らん振りしてできる振りして、心の中で格闘している。まぁそんなものだ、母親なんて。笑
娘と一緒にすごせる時間はあとどのくらい。あと何年。
きっとあっという間に過ぎるのだろう。そしてまた、私はひとり歩くことになるんだろう。そのときの準備を、そろそろしておいても遅くはない。


遠藤みちる HOMEMAIL

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