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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2008年10月06日(月)
上澄み、上塗り。


趣味に関する罵り程、耳に痛いものはない。そして、煩いと拒絶したり耳を塞いで聞きたくないのも。
趣味に費やす分疎かになったり蔑ろにされた分が、誰かの迷惑になってしまって、申し訳無く思いながらも、止められないから趣味なんであり。自分の場合は刻々増え続けるコミックにスペースが食われているところがデメリットか。
それでも、何処までが許容される迷惑か、っていうのはあるものだ。
再び己で例えて恐縮ですが、床から堆く積まれ道を塞ぎ所狭しと占拠する状態では、父君様のストレスメーターが振り切ります。しかし、整理整頓し本棚に納めるなり不要なものを売り飛ばしてしまうなり管理出来ていれば、何も言われはしません。
あくまで自己弁護を計りつつだから生温いかも知れませんが、以上の点を踏まえて、彼の趣味は、最早趣味と呼ぶ分野ではない。
何故か?
彼の管理がだらしない為に迷惑を蒙る人がいる。それもなんだかだ許してしまえる血縁やら知人やらの関係性ではなく、赤の他人である。正確に言えば、具体的な損傷を与えてはいないのだけれど、予め設けていたルールを易々そして長々違反している点で、不愉快極まりないのは理解出来る。
ちょっとこれ置いといてと頼まれたものがいつまでも取りに来られず自室の一角を占拠していると考えて貰えると近いんじゃなかろうか。……いや、微妙か(例え下手なくせに無理すんな)。
おまけにそれに対する非難が上がってみたり或いは、放置をやめさせたいという一心か単なる挑発かいやがらせを受けると、ファッキンとか口にするけれど、迷惑をかけているのもそれを長々解決していないのも、まこと彼の実力不足に他ならない。
今時それを保管する施設を保持していないマンションなんてと彼は毒吐くけれど、そもそもそれがない事は始めから明白で、それでも尚通したいと願ったのなら、他の場所を見つけるなりして対応策を考えてからやるべきなのに、所謂一般人の腐った脳みそ技「自分だけは大丈夫」ってやつで勝手に油断しておいて、起こるであろうと予想される事象を抑え切れないのもそこから来る反発に被害を蒙るのも、然るべきと言える。
それから、維持に費用がかかる。だが、何かを愛でる為に自らの生活費を割き極貧をゆきながらも注ぐという、人々もいる。それは、構わない。何にウェイトを置こうが余程比重の傾きが深刻で餓死しても尚とかでないんなら、全然いいと思う。
だが彼は、己で代償を払う事無く、賄えない分は簡単に人を頼り、そして結局はその誰かしらが手助けしてしまうから、いつまでも彼は痛みを伴わず趣味と呼ぶものを謳歌する。
己で管理統制出来ないものを、趣味と呼べるのか? 己で対応出来る領分を越えても尚、誰かに被害をかけても尚、その上その被害者の一端である者の声を握殺しても尚、犠牲を払い続けるそれを、趣味と呼んでよいものか。
実費で賄えないなら、借金背負ってやればいい。そんで借金まみれになる奴にだって、それなりに手続きを知っていればお国柄お優しいもんだ。


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