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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2008年10月08日(水)
最後まで手を繋いでいて。


容疑者Xの献身を観てきました。ドラマフリークの母君様に懇願されての色が強かったですが、中々面白かったです。
追求型の自分としてはだったら原作のが面白いんだろうとは思いつつ、人が動いて音楽が流れる、からこそのストーリーと言うのもあると思うので、話の筋のみならず、台詞の言い方だとか表情とかも含め、映画として面白かったと。
ただまぁ、大概の映画は原案や原作から大幅にカットして時間内に収まるようにしているものなので、やっぱり元の膨大な雑多付きの方が好みではある。矢張り世の中、スマートよりぽっちゃり系か。

取り敢えず最近ネタバレするという前提で彼是書き過ぎているのでこれは控えてみようかと思います。何故かって? そりゃ同じ行動を取るのが苦手だからですよつまり天邪鬼ってやつですねわかります。失敗は繰り返すんですがねw
ただ堤さんは相変わらずヨシ。素敵過ぎる。本当に、素晴らしい。なんだろうなぁ。決してイケメンじゃないと思うんだけどなぁ(暴言)。貧乏で純朴な役も職人気質な漢の役も、好めたのはキャラクター性もあるのだろうし、堤さんだからこそというのもあるんだと。ところで数学者の役が重複しているのはそんなイメージが一般的という事なんでしょうかw
しかし一番面白かったのは何を隠そう、隣と前の観客。ハンカチを持ってね、目頭を押さえている訳です。いや、うん、わかりますよ。感動的なシーンもあります、思わずホロリと来てしまう事もあるでしょう、しかし、なぁ。なんだかあからさまな泣かせどころでしっかりと落ちている人を見ると、嗚呼、本当に映画を観て泣く人がいるんだぁと、途中から笑いをこらえるのがてーへんでした。
腰紐の辺りから泣き出し、その後のツーショットで号泣し、解答のない答え合わせに滂沱し、なんかね、いや、馬鹿にしてるってんじゃなくて、感受性豊かって事なのかなぁと、いやでも、おかしかったって事は、己にとっては変や異常であって、つまりは馬鹿にしているのか? わからない。
わからないけどそれを笑うのは多分やっぱり、莫迦だなと思っている向きが強いんだろうな。いいものを見て、感動したのならば泣く、それも一つの当たり前なんだろうけれど、なんか、気持ち悪いよ。知っている人とかならいい気もするけど、顔を知りもしない他人が同じく名前も知らない奴の横で平然と泣いて弱っている姿見せるんだぜ。……気持ち悪いよ。うん、なんかそういう事なんじゃないだろうか。アウェイとまでは言わなくともテリトリー外で泣くとか、かなり命を危険に曝してるぜ。
まぁ、ともあれ松雪さんの素朴さで隠せない美しさも目当てにして、お暇でしたら観てもいいんじゃないでしょうか。勿論でーぶいでーのが安くておとk(略)


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