愛より淡く
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2003年01月29日(水) 私が壊れるに至るまで その2

「どうしました?」

お手洗いの前で、うずくまっている時に、運良く巡回の看護婦さんに見つけてもらい、声をかけられた。

私の尋常でない様子を見て、異変を察し、彼女はすぐに車イスを持ってきてくれた。

そして私は、ただちに処置室に運ばれ、助産婦さんの診察を受けた。

「子宮口が全開しているわ。すぐに分娩せんと」

助産婦さんは、慌てていらした。なんでこんなになるまで誰も呼ばなかったのかと、あきれられた。せやかて初めてでわからへんかったんや。                       
分娩台に移る前に、私は、無意識のうちに
いきんでしまって、助産婦さんに注意された。

「まだだめだめ、いきんではだめ、準備が整うまで、がまんしなさい!!」

しかし、自然にいきみそうになるのだった。いきまずには、苦しくていられなかった。

ようやく準備が整い分娩台に移された、両手両足を固定されたように思う。

なんだかものすごい妙な格好だった。

「いいですか、いち、にい、と息を吸って吐いて、三番目に思いっきり息を吸って、いきんでください」

助産婦さんは、そんな感じで、いきむ要領を教えてくれた。

苦しかった。

こめかみの血管が破裂しそうなほどいきんだように思う。
しかしなかなか子どもは、うまく降りてきてくれなかった。

私は、呼吸の仕方がまずかったようで、途中から酸素吸入と点滴をつけられ分娩に臨んだ。

そのうちに、いきむことが、耐え難い苦痛になっていった。

一回いきむたびに、相当の体力を消耗した。

いきむことが、苦痛を通り越して、すでに恐怖になっていった。

できれば、もう、いきみたくない。と思った。

怖い。いきむのが怖い。

私は、自分の肉体から逃げ出したくなった。

できれば、ふわーっと幽体離脱して楽になりたかった。

その時の私は、






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