愛より淡く
DiaryINDEXpastwill


2003年02月08日(土) 私が壊れるに至るまで  壊れる日の朝

出産後、眠れない日々が続いた。

私にとって、3時間おきの授乳タイムは、かなりのハードワークになっていた。
授乳室には、スリッパを脱いで入室しなければならなかったのだけれど、

その脱いだスリッパをそろえることさえ、ものすごく難儀だった。


私は、もっと強く自分の苦痛を訴えるべきだったのだろうか?


「身体が身体がホンマにゆうこときかないんです。ホンマにしんどいんです。おかしいんです。休ませてください」

でもまたあの年配の助産婦さんに
「みんなしんどいのは、いっしょや。何甘えたこと言うてるの」

などというようなことを言われるかもしれないと思うと、

弱音を吐くようなことは、言いたくなかった。妙なところに意地を張ってしまっていた。



出産後3日目から4日目頃の記憶は、とても断片的にしか覚えていない。


ずっと眠れない間、ノートにいろんなことを書き綴ったような記憶が残っているけど、どんなことを綴っていたのかは、全く思い出せない。

そのノートは、結局私の元に帰ってこなかった。

私が巻き起こしてしまった「とある騒ぎ」のどさくさにまぎれて紛失してしまったようだ。


その日の朝、いつもと違ってこの目にふれる全ての言葉が、異様な新鮮さでもって、この胸に迫ってきたのだった。

うまく言えないけれど、目にふれる全ての言葉が、この私に強く語りかけているように感じた。どの言葉も何か強烈なメッセージを放っているように思えた。

それだけでなく、文字そのものが、浮き上がっているようにさえ見えた。

全ての言葉たちが、魂を持って存在しているように感じた。






↑投票ボタンです。





人気サイトランキング


・・ MAIL

投票ボタン メッセージfor you

テキスト庵さん