愛より淡く
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2003年03月03日(月) |
つかみどころのない喪失感 |
20畳のスペースで、8組の夫婦がいっしょに暮らす部屋の 管理を任されていた。
それぞれの夫婦はお互いに顔見知りではなくみんな知らない同志だった。
一世帯当たりニ畳ちょっとのスペースだ。
そこにはしきりもなにもなく、避難所生活を強いられているような感じだった。
プライバシーなんてものは、ぜんぜんない。
それでも二畳ちょっとのスペースに、それぞれの夫婦は、それぞれの布団を敷いて、それぞれの暖房器具を置いていた。
出口に一番近いところを陣取っていた夫婦のダンナさんは、
「自分は永世中立国であるスイスから 認可された寝たきり伯爵である」
というようなわけのわからないことをつぶやいて、1日中布団から出ようとしなかった。
その人の奥さんは
「そうなんです。ウチの人はあの永世中立国であるスイスから 認可された寝たきり伯爵なのであじの干物が必要なんです」
と言って笑っていた。
出口から一番遠いところに陣取っていた夫婦は
一日中ゴロゴロゴロゴロ畳の上をふたりして転がっていた。
その夫婦の隣にいた夫婦は、ひたすらカップラーメンを 食べていた。
そのまた隣の夫婦は
何もせず、ぼんやりと天井を見ていた。
さらにその隣の夫婦はケンカをしていて、お互いの髪の毛をひっぱり合っていた。
そのすぐ近くで二人が飼っているらしい犬が 二人に向かって
「くわん、くわん」と吠えていた。
夫婦ゲンカは犬も食わん。なんてね^^。
残りの夫婦は不在で、がらんとした畳二畳のスペースは、やけに広く感じた。
ふと私は、自分だけに夫がいない。ということに気がついた。
自分にもたしか夫がいたはずのような気もしたけれど
単なる気のせいのような気もした。
さて?どっちだったかな?
うだうだ考えているうちに、目が覚めた。
なるほど夢だったのか
どうりでわけがわからなかったはず。
と納得したことはしたのだけれど
それが夢だということがわかっても
自分に夫がいるのかどうかは
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ありがとうございましたゥ
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