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嫌いな食べ物「キュウリ」


2004年07月18日(日)

長く短い、春であったように思う。
あんなに素晴らしい女性を私はかつて、きっとこの目に見たことが無い。
顔や性格や、持っているものが最上というわけでは無かった。
だけれど私はきっと、彼女以上のものを他の誰かに見たことが無い。

思えば幸せな季節であったと思う。

終わりすら幸福であったことが、唯一の不幸だ。

愛していると私が言った。
好きで大事だと彼女が言った。
そして別れた。

何故に別れが来たのか、私は理解出来ずに居る。
理由は判っても判別し切れない。

求め合って口付けする、そんな別れ言葉であった。


何も無く此処に行き着く私の意味を感じない。
働き、笑い、他人と話す私の意味を感じない。
私の感情の行方を感じない。
切り替えられてしまう心が、何故一つなのか判らない。
出来るならどちらかを切り取ってしまいたい。
「おいで」ともう言えない。

何故私が此処で息をすることが出来ているのか、
何故私が此処で明日を待つベッドの近くで座っていられるのか、
何故私がちっぽけな作業をしていられるのか、
まるで自分が信じられない。


私が何者であるかいまいち判らない。
名は言えるし冷静にもなれる。
だが一体果たしてそれが、なんだ。
失ったばかりだ


さくま