いいか、息子よ…洗い熊ジャックを笑ったりしちゃいかんぞ。
チェロキーが自分の土地から追っ払われて、無理やりオクラホマへ 行かされたときのことさ。 洗い熊ジャックは血の気の多い若者だったよ…
あいつはここんらの山の中へ身を隠して抵抗したんだ。 そのうち南北戦争がおっ始まると、連邦政府軍をやっつければ 土地や家を奪い返せると考えた。 死にものぐるいで戦ったよ。 2度ともあいつの負けだった… 戦争がすむと、政治家どもが乗り込んできて、俺たちに残されていた 最後の土地までふんだくろうとした。 洗い熊ジャックは逃げ回り、身を隠しながらまだ戦い続けたよ… いいか、洗い熊ジャックは戦争をかいくぐってずっと生きてきたんだ。
で、今あいつが持ってるものっていえば、賛美歌の本箱の鍵一個だけだ。 洗い熊ジャックがけんかっぱやく見えるとしたら…もう戦うものが 何もねえからさ。 あいつは…戦うことしかしらなかったんだ…。
「リトル・トリー」より
何度も泣けた本だ。 一生のうちに何冊合えるか分からない本だ。 いつも…何度も感動する…
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