こしおれ文々(吉田ぶんしょう)

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2004年08月11日(水) サイエンス・フィクション【春子(ハルコ)】 第3話 義務

第3話 義務


有名になるのはイヤだった。


たとえ他の人にはない能力を持っていたとしても、
そのためには寝なきゃいけないし、
結局は【春子】してるわけだし。

あんまり大騒ぎされると
私が捕まってしまう。


とはいえ、


その人の一生に関わることが見えてしまうと、
人としてやっぱり教えない訳にはいかない。

その辺は【この力】を持った私の義務だと思う。

その代わり、良いことは教えないで、
悪いこと、特に一生を左右しかねない事しか
教えないようにしている。

っていうか、
一言で【運命】って言っても、
それがその人の一生の中で、どの部分の事を指すのか
難しいと思う。

人はみんな必ず死んでしまうし、
であれば、死ぬことだって
広義での【運命】であることは間違いない。


その中で私が見ることの出来る運命は、
その人にとって【運命】であっても、
一生の中でどの程度影響する【運命】なのかは
私にはわからない。


事故によって植物人間になってしまうとしても、
会社が倒産して、路頭に迷うことになっても、
その人のもっと先にある【運命】によって
結果的に幸せになることだってあり得る。


でも私が見えるその【事柄】は、
【運命】であることは間違いない



予言のように外れることがないし、
未来とか将来と言ったような
【希望をを含んだもの】ではないのだから。


どんなにその人が回避しようにも
回避することが出来ない、変えることができない【運命】



管理人:吉田むらさき

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