こしおれ文々(吉田ぶんしょう)
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| 2004年08月19日(木) |
サイエンス・フィクション【春子(ハルコ)】 第11話 【運命】の開示�� |
第11話 【運命】の開示��
秘書の男に対する私の気持ちは、 日増しに大きくなっていった。
それと同時に、 中年の男性との【行為】は、 とてもつらかった。
でも、中年の男性と寝るという契約があるからこそ、 その送り迎えで あの人と二人っきりになれる。
【好きな人と以外、寝られなくなった】 なんて、 中途半端なプライドをかざす資格、 私にはない。
好きな人との時間が少しでも欲しいから、 好きな人の笑顔を見たいから、 私は好きではない人と、寝なきゃいけない。
それでも、 他の男と寝たあとで、 彼に会わなきゃいけないことは、 頭で理解していても、 やっぱりつらかった・・・。
『そろそろ帰りますか?』
いつもの【仕事】が終わって、 中年の男性が部屋から出て行くと、 間もなくして、彼が入ってきた。
いつものように、 形式的な言葉だった。
彼が、 私を【女性】としてではなく、 【業務に関わる事項】としてしか見ていない事は知っている。
それでも、
それでも、私が生まれて初めて好きになった男性。
『一度で良いから私と寝てください。』
当然、彼は断った。
彼は今、業務を行っている最中であり、 私を家に送り帰すまでは、 決して間違いがあってはいけない。
何があっても、 彼は、忠実にあの中年の男性の指示を遂行する。
でも、 そんな人だからこそ、 そしてその身体の中に、 優しい気持ちがあるからこそ、 私は彼のことを好きになった。
私は彼の胸にしがみつき、 正直な気持ちを伝えた。
彼のことが好きだということ。
二人の時間が、 どれだけ自分の支えになっているかということ。
彼のことが好きだからこそ 契約をやめるわけにはいかないこと。
そして、他の男性に抱かれたあと、 彼に会わなきゃいけない苦しみ・・・。
泣きながら、彼に伝えた・・・。
彼は、私の涙を拭き取ると、 少し悲しそうに笑った。
そして、私をベットに導いた。
私は目を閉じ、 深い、暗闇の中に落ちていった。
どこか懐かしく、優しい暗闇に。
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