課題で出てた夏目漱石著『こゝろ』の文庫本が漸く読み終わって、 次なる本を求めに書店へ立ち寄った。 最初はドストエフスキーの『罪と罰』でも読もうかと思っていたのだが、 そういえばドストエフスキーは『貧しきひとびと』を読んだことがあったな、と思い トルストイに挑戦してみようと気変わりした。 しかし粗筋を色々読んでみると、トルストイの禁欲主義がどうも肌に合わない。 あたしという煩悩の塊のような俗物が、土台トルストイと馬が会う訳が無いのだ。 そういう訳で、やはりあたしには日本文学しかない!と決意も新たに、書架を移動。 三島由紀夫氏の『青の時代』か、はたまた『宴の後』、或いは『美徳のよろめき』か……。 けれど今日は気分が乗らなくて断念、さらりと江戸川乱歩へ逃げる。 短編集を漁ってみたが、『陰獣』の収録されているものが無くて、これまた駄目。 ……一体、あたしは今日中に目的のものを見つけ出せるのだろうか……。 不安な中で、たまたま角川文庫の書架に漂着した。 すると、あらあら、どうしたことか。 さんざん目移りした挙句、結局どちらか一つに絞れなくて、 永井荷風著『墨東綺譚』と石川淳氏『新釈雨月物語』を購入。 因みにどちらも角川書店である。
『雨月物語』はとっても好きな古典の一つだが、何より今回、 挿絵を岡田嘉夫氏がなさっていたので、購入を即決した。 以前、これまた角川書店の文庫で田辺聖子氏『絵草子 源氏物語』を読んで以来のファン。 浮世絵チックなのに、何処かモダンでとっても素敵な絵なのだ。 『墨東綺譚』は、永井荷風に興味があったので。 所謂、耽美派の作家ではなかったっけ? 同じく耽美派で、谷崎潤一郎の『刺青』に感動して以来、 いつかきっと永井荷風も読んでやろうと思っていた。 その機会が漸く得られた訳ね。
でもこんなに書店をうろうろしてから言うのも何ですが、 実は一昨日、宮部みゆき氏の『人質カノン』を買ったばかりなのよね……。 本日漸く短編を一つ読み上げました。 うーん……まぁ、買って家に置いておけば読むから良いか。 ああ、そういえば夏目漱石の『草枕』も読みたいんだった……。 いつになったら全て読めるんだか。
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