『キッズ・リターン』を鑑賞。 何だか、「面白い」の一言で片付けてはいけない作品のような気がして困ってしまった。
何をやっても中途半端で、まともに生きていけなかった男の子たちが、 とてもリアルに描かれていた。 「何をやっても中途半端」と言うのは、それを本人が自覚していた場合、 何とも言えない哀しさを呼ぶ。 それなりに一生懸命やっているのに、上手くいかない。 そんな自分を見つけてしまったら、 「そんなの別に気にしてねぇよ、どうだっていいよ」 斜に構えてひねくれた振りをする外無いのではないか。
純粋な魂ほど傷付き失われ易いものだ。
しかし安藤政信くん、スゴイヒトだなぁと思った。 目が、印象深い。立ってるだけで惹き込まれてしまう。 まだこの映画の時は新人だった筈なのに、誰よりも印象的な役者だった。 真面目な役ではないのに、彼の清冽な目がとても純粋なイメージを与える。 彼の演技をきちんと見たのはこれが初めてだけど、 これはちょっと、『赤影』も借りて来なきゃだわ……。 すっかり虜になってしまった。 これも北野監督の力でしょうか。いや、本当に北野武さん、凄いよ。 シンジにまーちゃんが 「俺が組長になってお前がチャンピオンになったら、また会おうや」 と言った時は、本当に哀しくて泣きたくなってしまったのよ。 ああ、思い出したらまた涙ぐんでしまったわ。
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