ふつうっぽい日記
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2011年03月20日(日) あるエピソードから学んだ

福島県内で避難所生活をされてあったご夫婦。
避難所で知り合いになった方とともに山形県に移動することを決める。
理由は福島の避難所の人数が膨らんだためであると聞く。

ご主人は仕事が気になるので後から追いかけることにした。
山形県では久しぶりの入浴ができたことに感謝し、お弁当と畳の上に布団が準備されていたことに感謝し、後から到着するご主人の布団の準備をしていただけたことにも感謝したという。

奥様は埼玉の嫁に連絡をした。
嫁や孫は埼玉に来るように声かけもしたそうだ。
しかし、こう言ったそうだ。

「息子と孫達をよろしく頼みます。
あなたたちの気持ちにはとても感謝しています。
こちらでの温かい心づかいにも感謝しています。」

お嫁さんはずっと気を張っていた。
さらに、何も出来ない不全感に自分を責めていた。
初めて一人で泣いたという。

「夫と子どもの前では泣くわけにはいかない」と強くなった嫁である彼女の姿を感じた。



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被災者同士ゆえの強固な絆のようなものが前進するエネルギーになっているのだ、と思った。
ネガティブな気持ちを超えて。

東北で暮らす人たちの文化を支えてきた強い基盤のようなものを感じた。
それでも私は東北の文化については無知である。

そして、甚大なショックを受けた人たちが周りの温かい気持ちや心に気づき、「感謝」の気持ちを表現している姿から、学ぶ。

なんだかのショックを受けたとき、周りの人たちの存在に気づく感覚を持つこと。
たとえ一人でも自分の存在を認める人がいることに、感謝すること。

これまでに何度も同じような「形」があった。
出来事から学び取る感性が一つ広がった。


KAZU |MAIL