ふつうっぽい日記
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2011年05月12日(木) |
A君もB君も勉強したいと思っている |
こういう時にこういう叱責ってありだろうか。 少々、誇張した表現で再現してみる。
A君は特別支援学級で学んでいる。 B君は通常学級で学んでいる。 ともに同学年。 去年はA君は通常学級に在籍していた。 進級するときに、クラス替えがあった。
A君の教室は、B君の教室の真下。 B君の席は教室の後ろ側でドアの近く。 B君は教室を飛び出すことが目立つ。
掃除の時間。 A君は廊下でほうきを持ってふざけていた。 そこへ通りがかったC先生。
「今は、何の時間ですか!? 何をしているんですか! 掃除の時間でしょう?! A君は何をしに学校に来ているんですか!? B君はちゃんと出来る子だったのに、どうしてだろう、おかしいなって思っていた。 昨日も今日もA君はB君と一緒になって暴れて! 学校は勉強するところです。 仲良しになって友達になることはいいことです。 でも、暴れるのはやめてもらえるかな?!」
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A君はたしかにB君と遊ぶことが多いが、授業時間中は集中したい気持ちを純粋に持つことがあり、不意に接近してくるB君のことが気になって邪魔されたくないから、という理由でカギを閉めたりカーテンを閉めたりする。 苦手な(したくない)活動の時は、B君の接近を歓迎して二人して逃避する。
B君は「先生は知りません。勉強したくない人は出て行って下さい」と担任の先生に言われたといって、教室に戻るように促しても行動に移さない。 「教室に入ると怒られるから入れない。」
B君は教室に居場所がなくて、仕方なくA君のいる場所に接近するのだ。
それでも一日中、二人がつるんでいるという訳ではない。 たとえば図書室に行くなど移動教室のときにふらっと列を離れてしまったり、身体測定等個人差がある活動で、バラバラと教室に戻る時、戻ってきてから何をしたらいいのか手持ちぶさたになり、ふらりと出てしまう様子。
C先生はB君の飛び出しがA君の誘いが原因だと思い込んでおられる。
お互い様である。
であるが、それにしても怒って言えば伝わる次元の話ではない。 たしかに怒れば無口になりシュンとなる。 だからといって、すぐにその行動が改善されることはおそらくない。
とても不思議に映ることとしては、支援学級に在籍しているのだから、特別な配慮でもって関わらないと伝わりにくい、というのが分からないのか?と。 少し離れた場所から見る私としては大きな疑問。
おそらく、C先生は課題を抱える子のそのような行動を見ると同じように叱責するのだと思われる。C先生が笑顔で子どもと関わっている姿はあまり見たことがなく、声を荒げて叱責しているイメージが強い。 まぁ、イメージで語るのは偏見とも言えるかも知れないが。
一方で、諭すように、気づかせるように、心をつかみながら対話する先生もおられる。
A君の医学的診断等については一支援員である私には分からないことではある。 が、自尊心が危うい状態にあることは見ていて分かる。
何かがあると巻き込まれやすい位置にA君がいることが多いし、実際に「指導」されることは多い。A君本人は「暴れていたから怒られた。」と分かっている。 「昨日、怒られていたやん?」と言ってしまうが、それでもその時は、どうしてもそのことをしたい衝動が止められず、制する手を激しく払いのけて実行に移してしまう。
A君にとって「新しい周囲の大人」である私は、甘えるような様子を見せながら「試す」ことをやっている。「どこまで許してくれるのか」
A君はこう言った。少々ニタニタと笑いながら、 「先生は楽しいから好き。あまり怒らんし。今日怒られたけどたったの一回だもん。たったの一回だよ。だって、ボクが暴れていたんだもん」
私はこう言う。「先生だって、しちゃいけないことをやっていると怒ります。」
特記事項としては、A君は母親との関係で緊張している。 担任の話では、別人のようであるらしい。 よって、学校では反動で動きが出ているのではないかと。 そして、母親に依存できない分、甘えたいのではないかと。
指しゃぶりをすることが最近目立つ。 幼いというのもあるが、ストレスもあるかもしれない。
指しゃぶりをしてA君が私にまとわりついてきたときは、私はあえて母親のようにA君を包み込むようにしている。
ーーー 特定の学年のA君、 B君に限らず、おそらく全学年を通してA君、B君のような子は存在する。
担任の守備範囲が広ければ目立たない。
明日も元気な可愛らしい笑顔のA君に会えることを励みにしたい。 負けるなA君、B君。 そして、私。
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