ふつうっぽい日記
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2011年08月29日(月) |
「今日は手紙の気分なので」 |
臨時的任用職員として11月からの枠確定の連絡が管理職からあった。
小売りの仕事の出荷作業をこなす。 出荷商品には一言メッセージを付けるようにしている。
商品の注文はメールが定着しつつある中、「今日は手紙の気分なので」と、ハガキで注文内容を伝えてくださったお客様がいた。 「今日は手紙の気分」というのが私の中でなんとも心地よくて、便乗したくなり、何人かの人にハガキを出した。いつもだったら、年賀状のやりとりで終わる方々である。
そして、社会的入院状態となっているイトコにも久しぶりに手紙を書いた。 少しばかりの気持ちのプレゼントを同封して。 明日はイトコの誕生日。
薬物治療の副作用もあって、イトコの文字はふるえている。 今年の年賀状は住所が判別できなかったらしく差出人の元で戻ってきて、イトコの父親(伯父)が宛先を書き直して再送してくださった。伯父も多分70代。お手数をおかけしたと思うが、気持ちが嬉しかった。私は伯父に対して偏った気持ちを抱いていたのだけれど、修正した。
偏った気持ちのあるきっかけについて。 高校時代、一時退院が許可されたイトコの自宅を実家家族で訪ねた時。 伯父は「働くのがばからしい。生活保護っていいよぉ〜」という言葉を放った。 高校生の私はこの伯父の言葉に嫌悪感を抱き続けることになった。 それでも、イトコのことを考えることはやめなかった。
「人は変わる」 このことを伯父の姿から学んだ。 「働くのがばからしい。生活保護っていいよぉ〜」という考え方を持ち続けている伯父だったとしたら、ハガキを再送するなんていう行動は起こさなかっただろう。
イトコ宛のプレゼントは素敵なレターセットと可愛いシールと記念切手と住所シール。
住所シールとしては差出人であるイトコの名前と住所を印字したもの10枚ほどと私の住所と名前を書いたものを4枚。
「よかったら使ってね」と添えた。 住所シールは小売りの仕事で、結構前から自作してきた。 でも、イトコのために作ろうという発想は今までなかった。
習慣化された作業から、何かが意識化されることは簡単な様で難しい。 でも、ある時、ふと、繋がってひらめいていくんだろう。
イトコは入院中に母親、ついでお兄さんを亡くした。 お兄さんは36歳という若さでこの世を去り、死因は生活習慣病だったと聞いた。 我が夫と同年代。 この知らせを聞いた時、夫とは別居していた(単身赴任) マイホームを売ってでも一緒に生活したい気持ちの大切さを教えてくれたのはイトコのお兄さん(従兄)だともいえる。
従兄の運転する車の助手席に私が乗り、私の両親が後部座席に乗ってどこかへ出かけた記憶がある。その時、私は従兄はなんて乱暴な運転をする人なんだろう!と、あまりいい気分ではなかった。従兄は関西生まれ関西育ちで、完璧な関西弁だった(多分) そして、私は「関西の人は嫌いだ!」と自分の中に刷り込んだ。
我が夫が関西生まれ関西育ちである現実を思えば、なんて一貫性のない考え方(観念、偏見、思いこみ)に縛られていたいたのだろうと笑えてくる。
イトコは私が高校生の時から入院している。
障害者への支援。 少しずつ気付かれないまま、意識されないまま、私はかかわるということ、寄り添うということを私はやっていた。誰かに頼まれたわけでなく。
そして、もっと遡れば幼稚園くらいの時から、私は「母」の言葉をただただ傾聴し、寄り添っていたともいえる。 「お母さんはずっと病気なの。お母さんの子どもにしてはあんたは上出来」と本人からの告白を聞いた、自らも心身的にハードだった、「あたし」37歳の夏。
特別な知識や資格がなくても、首を傾げながらでも寄り添う、理解者みたいな存在がいれば、お互いに成長していくんだと確信した。
セラピストや臨床家といった人たちは、訓練でクライアントの話を聴けるという。 いろんな心の動きを伴った言葉をただただ受け止めていくことは、相当にエネルギーがいる。
よく頑張っていたよ「あたし」。 我が母も、頑張って背負って来たね。 重たい荷物が下ろせてよかった。
そう思えるのは、それまでの「かかわり」があったからこそ。
まぁ、例えば、私に子どもができて、母として孫とのかかわりが出来ていたとしたら、背負って来た重い荷物のことなんて忘れることができたのかもしれないのかな、なんてことも考えるけど、これはきっと現実的じゃない。
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『元気をだして』作詞 竹内まりやさん より
「涙など見せない 強気なあなたを そんなに悲しませた人は 誰なの?
…
幸せになりたい 気持ちがあるなら 明日を見つけることは とても簡単
…
チャンスは何度でも 訪れてくれるはず …
あなたの小さな mistake いつか想い出に変わる 大人への階段を ひとつ上がったの
人生はあなたが 思うほど悪くない 早く元気出して あの笑顔を見せて …
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