こんばんは、あまつばめです。 9日と10日の『病記』です。 まあ、どのくらい私がヘタレなのか如実に記しているものです。
9日 AM5:00 とりあえず、寝ることにする。3時ころ起きたばかりだが、身体を拭いてネットをふらふらしただけだ。 体調は、そこそこ良くなった。起き上がれないほどでもない。 昨日一日、フトンの中と病院でしか呼吸していなかったことを考えると悲しくなってくる。入院中というわけじゃないのに、フトンに食べられている私。モグモグと咀嚼して、ガムみたいに原形とどめないくらいグチャグチャになっていそうだ。きっとそうだ。 人食いフトンは立派なものだ。テラテラ光った薄汚い人間を毎日咥えている。きっと、美味しくないのだろうな。他に食べるものはないのだろうか。 ちなみにフトン、木曜の夜からしきっぱなし。1日以上余分に敷いてあるフトンは母親に言わせると「病人のニオイがする」そうだ。染み付いてしまった私には感じられない。 「カン」と言う意味での鼻はきく。鋭い危険は必要以上に感じる。他人から身を守るために発達した嫌な一部だ。その私が理解できない「病人のニオイ」とやらは、どんなニオイだろう。 太陽の下で伸びをする人間が毛嫌うらしい。なるほど。雨好きの人間には心地よいニオイなのかもしれない。
話がそれた。早く寝ることにしよう。身体が軋んでいるように痛い。
9日 PM5:00 目が覚めて時計を見ると、寝る前と同じ時間だった。 いや、記憶が確かなら10分ほど巻き戻っている。 「よし、やったぞ。やったぞマーティー。過去に戻ったんだ」 そんなわけない。 眠っただけで過去に戻れるのなら、人類は進化することなく消えていっただろう。
それにしても、12時間近く寝てしまったということか。身体の軋みは消えていて、変わりにノドが張り付いたように渇いていた。またノドを痛めてしまったのだろうか。少し不安になる。 病院でもらったうがい薬を使うと、気にならない程度にすっきりなった。さすがは医薬品。ダテや酔狂で税金が使われてはいないようだ。医療費3割負担に何となく賛成。 食欲はほとんどありませんでしたが、とりあえず、おかゆを口にする。 普通は温かくして胃腸に負担をかけさせないようにするのでしょう。でも、土鍋にできていたおかゆは冷め切っていました。冷えたままの口当たり良いほうが『食べる』という目的には適しています。無理に温めず、そのままいただきました。 1杯食べ終えた後、体の中でゆっくりと溶けていくのが感じられました。 考えてみれば、ほぼ、2日ぶりの食事です。 薬を飲むためにプリン(味なんてわかりませんでしたよ)を口にしましたが、それはあくまで例外です。 細胞のひとつひとつに栄養が流れていくのを感じ取れました。
そうなると元気なもので、ノドも渇きだします。 ホットミルクをつくりました。普段入れない砂糖を入れて。 なんとなく、失っていた体温を取り戻したようでした。
9日 PM7:30 すぐに夕飯です。 「ごはんだよ〜」の声で行ってみると、 鍋でした。 食べる気はなかったのですが、『鍋』です。それもアンコウ鍋です。肝もたっぷり。冬の味覚です。 肝とスープをいただきました。 ショウガやネギが多く入っていたところを見ると、身体を気づかってくれたのでしょうか。 ありがとうございます。 身体が温まりました。
それにしても、衰弱した身体には『食べる』ということ、『消化する』ということはそれだけで負担が大きいようです。起きているのがままならならず、眠ることになりました。まるで気を失うように。
明日に続く
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