宇宙人がやってきた
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見た目は、普通の幼児教室のようである。 2〜3才の子供たちが、遊んでいる。 そのまわりには、母親たちがいる。
普通と違うのは、 子供たちに、言葉がない。 母子分離の時、泣かない、探さない。
それでも、回を重ねるうちに “後追い”をする子がでてきた。1人、また1人と。 気がつくと、ほとんどの子が教室を出る母親を、泣いて追っかける。
コータは、いつまでたっても“知らん顔”だった。 「コーちゃん、ママ行ってくるね」 私のことなど、見もせずに「バーバイ」と手を振る。 手のひらを自分に向ける“自閉バイバイ”で・・・「バーバイ」・・・。
帰宅して、現実逃避、古いビデオをみる。
生後10ヶ月・・・トコトコと一生懸命、私のあとを追う、コータ。 1才2ヶ月・・・「ナイナイ、バー」と何度も、可愛い笑顔を見せる、コータ。 1才6ヶ月・・・大好きな、ジュースを飲んで「おいし〜い」とニッコリ。 そのどれもが、レンズの向こうの私を、真っ直ぐに見つめている・・。
どうして、どうして・・・ なんで、なんで・・・哀しくてたまらなかった。 ぼやけた視界のむこうで、息子が、私を見つめている。
「コーちゃん・・ママ、つらいよ・・。」
「ホヤーマンッ!!」
「・・・・・」
アンパンマンの国に、住むコータ。 今日の彼は、“ホラーマン”らしい・・・。
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