宇宙人がやってきた
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2001年12月05日(水) せめてアンパンマン

見た目は、普通の幼児教室のようである。
2〜3才の子供たちが、遊んでいる。
そのまわりには、母親たちがいる。

普通と違うのは、
子供たちに、言葉がない。
母子分離の時、泣かない、探さない。

それでも、回を重ねるうちに
“後追い”をする子がでてきた。1人、また1人と。
気がつくと、ほとんどの子が教室を出る母親を、泣いて追っかける。

コータは、いつまでたっても“知らん顔”だった。
「コーちゃん、ママ行ってくるね」
私のことなど、見もせずに「バーバイ」と手を振る。
手のひらを自分に向ける“自閉バイバイ”で・・・「バーバイ」・・・。

帰宅して、現実逃避、古いビデオをみる。

生後10ヶ月・・・トコトコと一生懸命、私のあとを追う、コータ。
1才2ヶ月・・・「ナイナイ、バー」と何度も、可愛い笑顔を見せる、コータ。
1才6ヶ月・・・大好きな、ジュースを飲んで「おいし〜い」とニッコリ。
そのどれもが、レンズの向こうの私を、真っ直ぐに見つめている・・。

どうして、どうして・・・
なんで、なんで・・・哀しくてたまらなかった。
ぼやけた視界のむこうで、息子が、私を見つめている。

「コーちゃん・・ママ、つらいよ・・。」

「ホヤーマンッ!!」

「・・・・・」

アンパンマンの国に、住むコータ。
今日の彼は、“ホラーマン”らしい・・・。


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