水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2001年12月06日(木) |
宮部みゆき著『人質カノン』 |
スティーヴン・キングの作品は、長編が多いですね。 日本で長編が多いというと、宮部みゆきさん。 『模倣犯』『クロスファイア』『理由』『火車』『龍は眠る』などなど、 宮部さんの本のイメージは、“重い”です。内容も本も“重い”。 でも、ご安心を。短編集もあります。気軽に宮部さんの世界を楽しむための 一冊『人質カノン』(文春文庫)から、今日は表題作『人質カノン』。
ミステリーです。 OL 遠山逸子(いつこ)は、忘年会帰りの午前1時、駅からアパートまでの 途中の商店街にあるコンビニに立ち寄ります。逸子を入れてお客は3人。 中間管理職風な男。大きな黒縁眼鏡の中学生の男の子。 「動くな」の声に、逸子がレジの方を見ると、フルフェイスのヘルメット・ 黒い革ジャンの男が店員に拳銃を!!
コンビニ強盗です。言うまでもありませんが。 いやですね〜ゆっくり買い物ができません。← まったく他人事
この強盗、お金を奪って逃げるのですが、去ったあとに遺留品が。 これが、なぜか 赤ちゃんのおもちゃのガラガラ。 犯人は・・
なるほど。 犯人がなぜガラガラを落として行ったのか、よーく、わかりました。 謎解き以上に面白いのが、コンビニで人質になった3人です。 逸子は割れた鏡を見て、お気に入りのパンプスでなくて良かった。かかとが 傷だらけになるところだ、なんて考えるんです。 眼鏡くんも管理職さんも、逸子と以前からの知り合いのように打ち解けていて。
コンビニならでは、という面白さと味わいです。 宮部みゆき著『人質カノン』(文春文庫)収録の『人質カノン』は46ページ。 身近なコンビニでありそうな、身近で短いミステリーを堪能した13分。 コンビニに入るときは、フルフェイスヘルメットは取りましょう。
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