水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2001年12月22日(土) 乃南アサ著『秋早』

水野の図書室、オープンして1ヶ月が過ぎてました。← 今 気づいたとこ 笑
結構、読みましたねー ほとんど短編で、30分あれば一話がゆっ〜くり読めます
ので、お気に入りのものがありましたら、書店でお買い上げの上、じっくり読んで
いただけたらと思います。

さて、今日は、乃南アサさんの短編集『悪魔の羽根』の五つ目の物語、『秋早』
(あきひでり)です。

夏休みが終り、秋の行楽シーズンまでには間があろうという時期に、寛子は中学
時代を過ごした土地をひとり訪ねます。もとは、ささやかな避暑地だったところ
が、今では、ちょっとしたリゾート地になっていました。

寛子は9年前、27歳の時に、夫を車の事故で亡くし未亡人に。今は、10歳年上の
平田と不倫の仲なのですが、この先行きのない関係に苦しみ始めていたのです。

う〜〜ん、不倫じゃなくても、人と人とのつながりは、そうそう楽しいばかり
じゃありませんが・・・。

寛子は、泊まっているペンションの畑で働いている男が中学時代にほのかに思い
を寄せていた名取だと知り、不倫を清算して、名取にすがろうとします。

!!なんてこったい!!寛子は積極的です。名取を食事に誘い、瞳に力をこめて
彼を見つめたりするのです。不倫から抜けたいから必死なのかな〜
も、もしや、このまま、ふたりは・・と、こっちもソワソワですぅ。。

ところが、名取はすっかり酔っていて、車に乗ると寝てしまい、寛子は・・・

不倫を否定するつもりはありませんが、(いろいろ事情があると思うので)
「私はどうなるのよ!」とか、相手にぶつかるのは、どうかと思います〜
かと言って、相手の家庭を壊すつもりも、妻の座を乗っ取るつもりもないという
のですから、、、まったく、どうしたらいいのさっ!!でしょ、これ。

この物語、オチがついて終わるのですが、なんだか、このオチが無理につけた
感じです。オチがなくても、味わい深いのに・・最後でマンガチックになって
しまいます。読者はわがままですねーオチをほしがるくせに、なくてもいい、
だなんて。

乃南アサ著『悪魔の羽根』(幻冬社文庫)に収録の『秋早』は38ページ。
不倫がそんなにつらいなら、さっさと別れちゃえ!と言いたくなった15分。
やっぱ、不倫は良くないよ〜 どう、思います?












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