水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2002年01月22日(火) |
黒川博行著『カウント・プラン』 |
先週、直木賞の発表があって、山本一力さんと唯川恵さんに決まりました。 これは新聞・テレビなどで皆さまもご存知だと思います。候補には、ほかに どんな作品が上がっていたのかと調べたら、石田衣良著『娼年』、乙川優三郎著 『かずら野』、黒川博行著『国境』、諸田玲子著『あくじゃれ瓢六』でした。
ん?黒川博行さん!? 以前も何度も候補に上がっていた方です! '96年に『カウント・プラン』、'97年に『疫病神』、'99年に『文福茶釜』、 そして今回・・四回も候補に上がりながら受賞に至らなかったんですね・・。 そのときの受賞作は、それぞれ、坂東眞砂子著『山はは』、篠田節子著『女たち のジハード』、佐藤賢一著『王妃の離婚』と桐野夏生著『柔らかな頬』です。 ・・・うーん、黒川作品を読んでみたくなりました。
本屋さんに行ったら、『カウント・プラン』が文庫に! ほほーっ!この作品、'96年の日本推理作家協会賞短編部門賞に輝いたのですね〜。 ほかに四作品が加わって、「新犯罪ミステリ」とは! 五日間、黒川博行Daysにしませんかぁ〜? ←誰に聞いているんでしょ・・笑
初めの作品は表題作、『カウント・プラン』。 何でも計算しないと気がすまない計算症の男、福島の日常生活から始まります。 ある日、スーパーに脅迫状が届き、捜査に乗り出した刑事は、福島に目をつけ ますが・・。
舞台は大阪。この大阪の刑事が人情味にあふれていて、しみじみします。 福島の計算症を知った刑事が、彼のことをあれやこれやと心配するあたり、 なんともいえず、セリフがまろやかです。不思議な感覚ですね。最後まで結末が 予想できませんでした。
黒川博行著『カウント・プラン』は『カウント・プラン』(文春文庫)に収録。 80ページ。計算症って、大変です。。文中の細かい数に気をとられて、時計を 見るのを忘れてました。
ミステリにもいろいろありますね・・。
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