水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2002年02月03日(日) 浅田次郎著『ファイナル・ラック』

いつも読み終えてすぐ、感じるままに気楽に書いているのですが、今日のお話は
率直なところ・・・楽しめないのです。← 少々口篭っています。ふぅ・・。

どんなお話かというと、競馬だけが趣味の男が競馬場に行くんですが、おけら街
道を歩きながら、いろんなことを考えるんです・・。競馬のことがよくわかる人
なら、おけら街道と聞いただけで、あ!中山競馬場の帰りだな!って、ピンとく
るのかもしれませんし、馬の名前がスラスラと頭に浮かぶのかもしれません。

このお話を楽しめないのは、わたしが競馬のことをまったく知らないからで、
ルールのわからないスポーツ観戦につきあっているかのような居心地の悪さです。
決して、面白くないわけではないけれど、ムリしてるな〜って、感じるような。

ただ、読み終えて、こころに何かが残るんです。
競馬だけが趣味の男、野崎の妻は、ボーナスをそっくり競馬に使う夫を咎めたり
しません。「自分のお金なんだから、いいじゃないの」って・・!!!
ボーナス、いらないのぉ〜?奥さま、できすぎですぅーー!!
古い都営住宅での暮らし、お金が余っているわけではなさそう、・・なのに、
ボーナスを競馬に使う夫に微笑できるのは、なーぜーでーすーかー?

浅田さん、も、もしかして、夫の趣味に理解ある妻を書きたかったのですか?
いやん、そんなことないでしょう。

浅田次郎著『ファイナル・ラック』は『見知らぬ妻へ』(光文社文庫)に収録。
25ページ。うーん、よくわからないまま読んだ10分。
競馬が好きな方には、すごく面白いのかもしれません。

そもそも、本の感想ほど人それぞれなものはないような気がします。
食べ物なら、美味しいものはだいたい誰でも美味しいと感じるようですが、
面白い本が、誰にとっても面白いとは限らないようで、巷の評判に期待して読ん
でみたもののがっかりした経験なら、心当たりがあるのではないでしょうか。

また、同じ本でも、読む時期によって、受けとめ方が全く変わることもあります。
高校生の頃読んだときには少しも面白くなかったのに、歳を重ねてみて、初めて
わかる人情の機微のようなものもあります。逆に、若いときに読んでこそ感動
することも・・。いろいろですね〜。

えっ・・と、明日は、・・いよいよ表題作の『見知らぬ妻へ』です。
じゃ、また明日!






水野はるか |MAIL
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