水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2002年02月05日(火) |
新津きよみ著『傷自慢』 |
浅田次郎さんの短編集『見知らぬ妻へ』でせつないモードになったあと、何を 読もうかなーと考えるまでもなく、読みたくなったのはミステリ! ミステリ、ホラー、せつなさをぐるぐる回っているようです。
そこで選んだのが『秘密の手紙箱・女性ミステリー作家傑作選3』(光文社文庫) です。9人の女性作家による短編集なのですが、顔ぶれがすごいです。 新津きよみ、仁木悦子、乃南アサ、藤木靖子、皆川博子、宮部みゆき、山崎洋子、 山村美紗、若竹七海・・わーい!ゴージャスです〜♪
今、読み終えたのは、新津きよみ著『傷自慢』。 結婚したばかりの春樹と結花。結花は春樹の背中にある火傷の跡のことを、両親 を亡くして唯一の身内である叔母の麻子に聞きにきますが・・・。
怖いですー。女の嫉妬が行間から立ち昇ってくるようです。 血の絆に勝つとか負けるとか、結花の嫉妬は度を越えて病的でもあります。 新津さんの心理サスペンスはずっしりきますねー。ラストで明かされる意外な 事実に、もう一度読んでみると、ああ、なるほど・・伏線はあったわけです。
新津きよみ著『傷自慢』は『秘密の手紙箱(以下略)』(光文社文庫)に収録。 34ページ。少し気分が悪くなった15分。読後感がどんより。はぁ・・(ため息)。 夫の愛を試そうなんて・・してはいけないです・・。
新津きよみさんは1957年生まれ。 講談社フェイマススクールズの小説教室では宮部みゆきさんと同期。 ダンナさまは、推理作家の折原一さん。って、夫婦で推理作家・・どんな会話を?
2001年11月27日に新津きよみ著『同窓生』(角川ホラー文庫・書き下ろし長編) をこの図書室で読みました。存在を強く求めるあまり、記憶に棲む存在がでてく るお話です。怖いですよーー!
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