水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2002年02月20日(水) |
法月綸太郎著『使用中』 |
中堅推理作家の新谷と若手編集者の桐原が、喫茶店で打ち合わせするところから 始まります。「密室」をテーマにした短編を書いて欲しいという依頼、まさに、 今回の『大密室』を思わせます。そして、事件は密室で起きます。
ちょ、ちょ、ちょっとーぉ、こういう密室、使ってほしくないんですよねー。 女性読者は、引きますぅ〜。 それに、このラストは、あんまりですよー。 ここまで、もってきておいて!
目が止まったのは、犯人の動機です。 第三者から見たら短絡的のように著者は見ていますが、十分動機になるかもしれ ません。犯人の気持、わかりますねー。擁護はしないけど。
面白かったのは、書き出しのところ。 作家と編集者のやりとりは、ふだんの著者の様子を窺うようで、笑えます。
法月綸太郎(のりづき りんたろう)著『使用中』は『大密室』(新潮文庫)に 収録。44ページ。そわそわした20分。 書き出しでつかまれて、ラストで放り出された感じ。
エッセイ『密室 クイーンの場合』は、読み応えがありました。 エラリー・クイーンを愛しているのが、よくわかります。
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