水野の図書室
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2002年02月22日(金) |
加納朋子著『魔法飛行』 1 |
どこか心惹かれるタイトルです〜☆ 四つの短編集なのですが、三通の誰かからの手紙が、お話のあとについています。 連作短編のようです。
主人公は入江駒子。「わたしも物語を書いてみようかな」と瀬尾さんに言った ところ、「じゃあ書いてごらんよ」と励まされ、駒子は手紙で近況報告をする ような気持ちで、物語を書き始めました。日常の中の奇妙な出来事をつらつら 綴る駒子。そして、その奇妙な謎を、瀬尾さんは、明快に紐解いていきます。
今日読んだのは、最初のお話、『秋、りん・りん・りん』 これは、駒子の大学に現れたある女性の話です。 出席カードに、いくつもの名前を書く女性を駒子は不思議に思います。 駒子は、彼女が着ている茜色のシャツから、「茜さん」と内心呼んでいましたが、 この茜さん、駒子に関心を持っているようです。彼女は、一体、何者なのか。
文章が活き活きしていて、読んでいて気持ち良かったです。 駒子の友人たちの無邪気、天真爛漫ぶりが、いいですねー。好きですよ〜。
瀬尾さんの手紙もわたし好みです。知的で、優しくて、謎解きもスマート。 駒子が書く物語についての感想も、ほんわりと暖かくて・・ふはぁ〜♪ あぁ〜〜ん、ベタほめですね〜。(瀬尾さんに・・はあと♪) この本を買って良かったと思う一瞬です〜♪ あ、これは、創元推理文庫です。表紙は少女と回転木馬のイラストです。 このイラスト、素敵です☆
加納朋子著『魔法飛行』の第一話、『秋、りん・りん・りん』は67ページ。 駒子と瀬尾さんに会いたくなった35分。 茜さん、と名づけた駒子のセンス、この本全般を期待させます。 りん・りん・りん、の意味は、ドキッとしたあと、つらいものがありました。
明日は、第二話。 じゃ、またね。
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