水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2002年03月05日(火) 加納朋子著『掌の中の小鳥』 5

最後のお話になりました。5日間、『掌の中の小鳥』に浸っています。
一日一話の短編をゆっくり味わっていますが、この本は文庫としては普通の厚さ
です。(ご心配なく)

第五話『エッグ・スタンド』では、圭介が、ある女の子の物語を泉さんに話し
ます。その子の名前は「嘘つきミチル」、虚言癖のある少女でした。
子どもの頃、ミチルの空想の世界を冷ややかに傍観していた圭介が、久しぶり
にミチルに会ったのは、ある茶会の席。ここで、指輪の盗難事件が置きます。
圭介はミチルが犯人だと名指ししますが・・。

泉さんが、圭介の話だけでミチルの気持ちをすくい上げるところは、『魔法
飛行』の瀬尾さんを彷彿させます。泉さんの店の名、エッグ・スタンドはタマゴ
立てのことなのですが、泉さんがこの名前に込めた想いを語るシーンは、何度も
読みたいところです。サラサラと語る泉さん。魅力的です〜☆

誰もが誰かのタマゴ立てになれたら、いいですよねー♪
そして、見回せば、ありふれた日常の中にも謎があり、同じ一日は二度ないの
です。

加納朋子著『掌の中の小鳥』(創元推理文庫)

   ミステリ×恋愛×人生の指針・・って感じ。面白かったです!



じゃ、また明日!







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