水野の図書室
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2002年03月06日(水) 遠田緩著『萬相談百善和尚』

文学賞の受賞作品は読むことができますが、最終候補作品は読みたいと思っても、
活字になることはなかなかありません。最終候補作品集があればいいのに、と
たびたび思っていました。

そんなわたしの気持ちが届いたのか、本屋さんでこの本を見たとき、心の中で
わぉ!これ、これ、こういうのが読みたかったのー!と叫びましたー♪

  『推理短編六佳撰』北村薫・宮部みゆき選(創元推理文庫)

レモン色の帯には、「すぐ読めてオモシロイ・推理作家を目指すあなたも
目指さないあなたも・短編集フェア」とあるではありませんか!
わかりやすくて、いいですね。○○氏絶賛!とかあると、なぜか引いてしまい
ます。

この短編集、'95年の創元推理短編賞の最終候補作品集なのです。
362編もの応募作品の中から最終候補に六編を残しながら、絞りきれず、受賞作
なしと決定された年です。
埋もれさせるにはあまりに惜しいということで、編まれた本書だそうです。
(あまりに惜しいなら、賞をあげても・・と思いますが・・。)


第一話は『萬相談百膳和尚』(よろずそうだんひゃくぜんおしょう)
遠田緩(とおだ かん)さん。女性です。
最近の作家名は、男女の区別がわからないものが多いですよね。

そうそう、この本、最後に選評がついています。その上、北村薫、宮部みゆき
両氏の解説対談まで!うーん、親切ですねー。推理作家を目指す人には必読
でしょう。あ、それで、帯には、推理作家を目指すあなたも 目指さないあなた
も、というコピーがあったわけですね。なるほどなるほど。。

話は戻って、第一話の感想ですが・・。
うまくまとまってます。スルスル読みました。
面白いお話です。どんな相談にも応じるという和尚さんと推理小説を書く男の
話です。
受賞作でも不思議はないほど、面白いのに・・。
選評にあるように、暗さのことなら、そうかもしれません。
主人公の推理作家は、もっとカッコ良くしてほしかったです。
50枚でこんなに密度の濃い作品は、すごいです♪


じゃ、また明日!




水野はるか |MAIL
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