水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2002年03月08日(金) |
永田正夢著『試しの遺言』 |
遺産・遺言・弁護士、ときたら、遺産をもらう子どもは三人以上でなくては いけません。遺言ミステリのお約束。そして、遺言が謎解きパズルなら、申し 分ありません。このお話、申し分ない本格ミステリの装いかと思ったのですが。
うーん、うなりましたーー!! 『推理短編六佳撰』(創元推理文庫)の第三話は『試しの遺言』。 パズル好きの父が残した遺言は、自分の作った暗号が解読できれば悪いように しないというものだったのです。三人の子どもが挑んだ結果は・・。
永田正夢さんは、ものすごくパズルに詳しい方のようです。でないと、こんな 暗号を絡めた遺言状を考えることはできないですよねー。 なのに、法律的に・・あれっ!?というところがあるんです。 暗号がすごいだけに、もったいないですー!
日本の相続財産ものは書くのが難しい、というようなことを宮部みゆきさんが おっしゃってます。宮部さんでも、難しいのですかっ!! 舞台を欧米にして、遺言状だけでどうにでもなるようにすれば、丸く収まった のかも・・。
応募の前に、法律の専門家に読んでもらえば良かったのに・・残念。 弁護士さんじゃなくても、法学部の学生とか、相続を経験した人とか、法律に 詳しい人に読んでもらえば、良かったのに・・。残念すぎます。 法律面がクリアしていたら、受賞だったかもしれないですね。
はぁ・・ため息です。面白かったから、なおのこと。
じゃ、また明日!
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