水野の図書室
Diary目次過去を読む未来を読む
皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2002年04月18日(木) 山川健一著『ドライヴと愛の哲学に関する若干の考察』

長いタイトルですねー。研究論文のようですが、堅いお話ではありません。
ちょっと、ややこしい設定です。噛み合せを探すようなタイトルは、そのまま
ふたりのシンプルとは言えない関係を表しているようです。

このお話のふたり、速見と杏子は大学時代のサークルで知り合って、友達のまま
別々の会社に就職し、時々会っては、食べたり飲んだりお互いのことを心配した
りといった関係です。傍から見たら仲のいい恋人ですが、速見は社内の人妻と、
杏子は大学の教授と不倫中で、それをお互いが知っているという何とも切ない
友達以上恋人未満です。杏子の車の運転を、速見が隣に乗って見てあげたとき、
ふたりの胸に秘めていたものが走りだします。

うーむ、不倫してると日曜はその人に会えないのですねー。
むーう、日曜が空いてる者同士は会えるのですねー。←何が言いたいの!? 笑

速見が車のことをあれこれ杏子に話すところは、自信満々で、でも少しもイヤミ
がなくていい感じです。「事故を起こさないでくれ、こすったりしてもいいよ、
だけど、死なないでくれ」、なんて言われたら、グッときます〜♡


速見が車に詳しいのは、山川健一氏が車に詳しいからなんです。
杏子の車は、真っ赤なシトローエンZX、フランス車です。先月読んだ『スピカと
月』(「贅沢な恋愛」収録・角川文庫)では、シトローエン2CVチャールストンが
重要な役割を担いました。山川氏は、『僕らがポルシェを愛する理由』『快楽の
アルファロメオ』『ジャガーに逢った日』などで、車への恋心を語っています。

ありゃ、車の話になってしまいましたが、このふたり、これからどうなるんです
かぁ〜?ますます、ややこしい人生になりそうです。
ここで、終り? そ、そ、そんなぁ〜続きを書いてくださーーーい!!


『ドライヴと愛の哲学に関する若干の考察』は「贅沢な恋人たち」(幻冬舎文庫)
の第六話。各所に車へのこだわりが! タイトルからして、ドライ・ヴ!です。

舞台となるホテル・ハイランドリゾートの、富士山が見えるインドア・プールの
写真もいいんですけど、一枚写真を載せるなら、シトローエンZXを見たかったで
す。


次のお話は、、森瑶子氏の『東京ステーションホテル』。
あと二話で終りです。恋愛小説が続いて、胸がもたれ気味ですぅ。
が、がんばりますっ! はぅ。

じゃ、またね。


水野はるか |MAIL
Myエンピツ追加

My追加