水野の図書室
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2002年04月25日(木) 真保裕一著『私に向かない職業』

短編小説のお手本みたいです! 巧いですねー、真保氏!
ますますファンになりました♪

短編集「盗聴」(講談社文庫)の最後のお話は、興信所の所長さんが主人公です。
どこから見ても、ただの中年男にしか見えない「私」は、探偵には向かないので
はと、自分でも思っているような気弱な人です。依頼された現場に着いたら、
ナイフを刺された男を見つけ……。

職業には適性があると思いますが、探偵の適性って、何でしょう?
適性以前に、探偵には探偵の、刑事には刑事の、犯人には犯人の人間像みたいな
ものがいつの間にか刷り込まれていることに気づきます。探偵にも、いろんな
タイプがあってもいいのに、勝手なイメージを作り上げていますね〜。

この所長さん、なかなか鋭いところをチラチラ見せてくれます。
そして、人が良くて気配りを忘れません。自分で思うほど、さえない男ではない
んですが……。
ラストのオチが意外で、唸りましたーー!!


「盗聴」を読み始めてから、短かすぎるとか、膨らませてとか、長編にしてとか、
言いたい放題で来ましたが、あ、それから、ドラマ化してとか、映画にしてとか、
役者さんは織田裕二さんにしてとか……。(^^;)
この『私に向かない職業』は、この長さがちょうどいいです。
短くもなく、長くもなく。はぁースッキリ読みました♪ この短編集では、一番
のオススメです。表題作の『盗聴』は、長編にしたらもっともっと読み応えが
あると思います。

じゃ、また明日!



水野はるか |MAIL
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