水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
| 2002年05月18日(土) |
坂東眞砂子著『正月女』 |
土着伝奇ホラーの名手、坂東眞砂子さんならではの世界です。 怖い話なのに、ズンズン読んでしまいました。
お見合いで同じ村の保と結婚した登美子は、原因のわからない心臓の病気に 罹り、いつ死ぬかもわからない身体です。正月を家で迎えるため、病院を一時 退院して家に戻ったものの、姑に「正月女」の話を聞かされます。正月に女が 死ぬと、村の女を七人連れていくというもので、正月に死んだら村に迷惑が かかるから、死ぬなと……。登美子は自分が死んだあとのことを考えるうちに 恐ろしいことを願うようになり……。
嫉妬と妄想が交差して、夫の周囲に思いをめぐらす登美子が・・怖い! 家の体面を考えて、とんでもない行動にでる姑が・・こ、怖い! 登美子より姑の言うことをきく夫、保は・・情けない。
おどろおどろしくはないので、土着伝奇ホラーはちょっと・・という人も 読みやすいと思います。ぜひぜひ、読んでみて下さい。
うーん、やはり、一番怖いのは人間なのかも・・。 『正月女』は「かなわぬ想い」(角川ホラー文庫)の最後のお話。 この短編集で、一番面白かったです。 「正月女」って、実際にどこかの村の言い伝えなのでしょうか? わたしは初めて聞きましたが。ありそう・・です。
ふー、、ホラーアンソロジーを閉じて、明日はせつない恋のお話を読みます♪ ではでは〜☆
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