水野の図書室
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| 2002年10月02日(水) |
D・H・ロレンス『菊の香り』 |
ロレンスといったら、『チャタレイ夫人の恋人』があまりにも有名ですね。 有名すぎて、まだ読んでないことに今頃気づいたり・・。 実際は読んでないのに、なんとなく内容は知っている、そんな小説って多いです。 戴くメールにも、「本を読んだ気になります」というようなものがあって、 嬉しい反面、ちょっと……。ぜひぜひ、読んでみて下さい。
『菊の香り』、これはお薦めしたいです。 訳は河野一郎。美しい日本語にもうっとりします。 炭鉱で働く夫を持つ妻の、心の奥へ奥へと誘われて、夫婦って何だろうと 考えてみたくなりました。女心をここまで見つめるロレンスって・・!! ロレンス自身、英国中部の炭鉱町イーストウッドの生まれで、父親が炭鉱で 働いていたためでしょうか、坑夫一家の生活描写も繊細で素晴らしいです。
「せつない話・山田詠美編」(光文社文庫)第九話は、ロレンスの偉大さを 改めて知ることに。
せつなさ:☆☆☆☆☆
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