水野の図書室
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2002年10月06日(日) F・サガン『ジゴロ』

「ジゴロ」・・な、なんて懐かしい響き!
高校生の頃、サガンにハマッテおりまして、いろいろ読みました。
ジゴロは、作品にわりと良く登場する職業?で、サガン作品のキーワード、と認識
していた覚えがあります。

でも、この作品は読んでいませんでした。その名もズバリ『ジゴロ』、ドキドキし
ながらページを捲ったのですが、うーん、なんだかピンとこないんですよ。年老い
た女と若い男の話なんですが、老いていく自分を哀しむ女心って、藤堂志津子の
『やさしい言葉』(「贅沢な失恋」角川文庫)や皆川博子の『鏡の国への招待』
(「秘密の手紙箱」光文社文庫)の方がずっとわかりやすいです。

冷たい言い方かもしれませんが、人は皆老いていくし、気持ちは変わっていく
んですよね・・。

「せつない話・山田詠美編」(光文社文庫)に収録は納得。ほかの作家が選ぶ
「せつない話」も読んでみたいです。鈴木光司や瀬名秀明が選ぶ理系せつない話
など、面白いかもしれません。
せつなさというより、やるせなさ:☆☆☆
訳は朝吹登水子。『悲しみよこんにちは』でサガンと出会ったときも、この方の
訳でした。高校生の頃をふっと思い出しました。




水野はるか |MAIL
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