水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
わたしが死んだら、誰かの思い出の中に挟んでもらえるでしょうか。いつか、その 人も死んで、その人を知る人も死んだら……わたしを知る人はどこにもいません。 人の一生なんて儚いものです。なんて、今日も「MISSING」(双葉文庫)にすっぽ りと浸りました。
第三話は『蝉の証』。老人ホームにいる祖母を訪ねた「僕」は、同じホームにいる ある老人のことを調べて欲しいと祖母に頼まれます。老人が、何か厄介なことに 巻き込まれているんじゃないかと祖母が心配する訳は……。
と、老人ホームでありそうな話かなとリラックスして読み進むうちに、事態は思わ ぬ方へぐいぐい進みます。祖母の言葉は、ズシリと重くもあり達観した軽やかさも あって、もー、しみじみ。。「僕」、いい人すぎますー。
死を意識した時、誰かの心の中に自分の存在を刻みたいと思うのは、生への執着 というより、ただ寂しいから。そんな気がします。みな寂しがりやなんです。
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