水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2003年03月15日(土) 二階堂黎人『八百屋の死にざま』

哀愁の名探偵、渋柿信介は、いなくなったイグアナを探してほしいという依頼を受け、探索に
出かけます。こども番組にでていることがきっかけとなり、公園で新しい友だちができて、
イグアナ探しを手伝ってもらいますが、なかなかイグアナは見つからないまま、翌日、彼らに
誘われて行った公民館で、殺人事件が起き……。

「ズッコケ三人組」(那須正幹・ポプラ社)のような明るい子どもたちのシーンが、殺人事件で一転、
人間の心の闇をズームしていく切り替えが、怖いほど鮮やかです。
密室殺人のトリックは意外にあっけなく・・。そして、イグアナ探しの結末は、思いがけないもの
でした。イグアナ探しと殺人事件が、巧い相乗効果を呼び、響きあいます。

殺人事件の推理を、一生懸命ケン一に話す母ルル子、なんかいいですよね〜。
ルル子の推理に最後まで耳を傾ける父ケン一、優しいです〜。愛し合ってるのがよくわかります。
うん、うん。(と、しばしうっとり・・)
そして、渋柿信介、シンちゃんは、頭脳明晰なだけでなく、探偵は職業ではなく生き方であると
自覚してるのがすごい ! 


二階堂黎人「クロへの長い道」(講談社文庫)は今日でおわり。四編どれもが印象的で、一番が
決められません。いや、その、別に決める必要もないですけど。
軽いミステリをお探しの方、ミステリじゃなくても何か読みたいという方、お試し下さいまし。
わ!解説で、大地洋子もシンちゃんのファンになってました。大好きよー、シンちゃん !


水野はるか |MAIL
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